家賃を15万円支払うのであれば、賃貸物件に住むよりも持ち家を購入した方がいいのでは?と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?15万円支払い続けても賃貸物件であれば、資産にもならないですし、持ち家購入を考えるのも自然なことでしょう。
この記事では、家賃15万円が無駄であるかどうかをはじめ、賃貸が「もったいない」と言われるのはなぜなのか、マンションなど持ち家購入のメリットやマンションなど持ち家購入のデメリット、賃貸の家賃15万と持ち家の住宅ローン返済の違いの比較について、詳しくご紹介いたします。
家賃15万は無駄?
賃貸物件の家賃15万円は無駄であるとも無駄でないともいえません。
賃貸物件はその性質上、いくらお金を支払ったとしても資産になることはないため、持ち家と比較した場合、無駄であると考えられます。また、生涯コストとしてみた場合も同等程度の金額を支払うのであれば、ランニングコストなどを考えると、持ち家の方がメリットがあるため、持ち家の方が15万円を有意義に使えているといえるでしょう。
ですが、持ち家の場合は、資産にはなるものの、長年住み続けると建物自体に価値はなくなり、土地だけの資産価値となります。持ち家は確かに資産ではあるものの、その資産価値が購入当初とは大きく異なってしまうため、賃貸物件でも然して変わらないともいえるでしょう。
このように、賃貸物件も持ち家も一長一短であり、賃貸物件の家賃が無駄であるか無駄でないかは、ライフスタイルやそれぞれの個人の考え方で変わってくる部分も大きいので、一概にはいえないといった特徴があります。
賃貸が「もったいない」と言われるのはなぜ?
賃貸物件がもったいないと言われるのは、家賃を支払い続けても資産にならないからです。たとえば、10万円の賃貸物件を10年間借り続けた場合、2年に1回更新料を支払ったと仮定すると、1.250万円の支払いをすることになります。ローコスト住宅であれば、1,000万円程度で建てられるため、同じ金額を支払い続けるとした場合、資産になる持ち家の方がよいと考えられるでしょう。
また、生涯コストを考えたとき、初期費用は持ち家の方がかかりますが、総合的に見たときに賃貸物件よりも持ち家の方が安くすむため、賃貸物件に住み続けるのはもったいないといわれています。
ただし、賃貸物件にも持ち家にもメリットとデメリットがあるので、それらをよく見て考えた場合、本当に賃貸物件がもったいないといえるかは、また別の話です。なぜ一概に言えないかというと、ライフスタイルや家に関する考え方には、人それぞれ違いがあるためです。
マンションなど持ち家購入のメリットとは?
マンションなどの持ち家の購入には、さまざまなメリットがあります。メリットを知っておくことで、持ち家の購入をするときにどんな生活ができるかを想像しやすくなるでしょう。
マンションなどの持ち家購入のメリットには、以下の10点があります。
- 間取りの自由度が高い
- 外観や設備にこだわれる
- セキュリティ面を考慮して家を建てられる
- 賃貸物件と比較して、設備のグレードが高い
- 賃貸物件と比較して、騒音が聞こえないので静かに過ごせる
- 家が古くなった場合、建て替えができる
- リフォームやDIYを自由にできる
- 住宅ローンを完済したら、資産になる
- 住宅ローンを完済した後は税金とメンテナンス(修理・リフォーム)以外の費用がかからない
- 賃貸物件とは異なり、高齢者になったときに部屋を借りられないという心配がない
それでは、マンションなどの持ち家購入のメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
間取りの自由度が高い
持ち家の場合、間取りを自由に決められることが多く、家族構成や家事導線などを考えて建てられるため、生活のしやすい家に住むことが可能です。
外観や設備にこだわれる
持ち家の場合、外観や設備などを自分の好みに合わせた選択が可能です。
外観や設備などにこだわりたい場合には、持ち家の方がメリットがあります。
セキュリティ面を考慮して家を建てられる
持ち家の場合、セキュリティを考慮して家を建てられるため賃貸物件と比較して、安全面が保証されているといえるでしょう。
人感センサー付きのライトを設置したり、防犯砂利を敷いたりするなど、さまざま方法でセキュリティを高めることができます。
賃貸物件と比較して、設備のグレードが高い
持ち家の住宅ローンと賃貸物件の家賃が同等だった場合、持ち家の方が設備のグレードが高くなります。
設備のグレードが高いと、生活がしやすくなるなどのメリットがあるため、持ち家の方が日常生活を送る上でよいといえるでしょう。
賃貸物件と比較して、騒音が聞こえないので静かに過ごせる
賃貸物件の場合、壁が薄いことが多く、隣の家の咳払いなども聞こえてくることがあります。物音に気を付けて生活をしなければ、隣の人に生活が筒抜けになってしまうこともあるでしょう。
ですが、持ち家マンションの場合、壁が薄いということはなく、基本的に隣の部屋の物音が聞こえることはありません。また、持ち家の一戸建ての場合も、近くに道路族などの騒音トラブルがなければ、静かに過ごせます。
賃貸物件のように音を気にして過ごす必要がないため、持ち家の方が快適な生活を送れるといえるでしょう。
家が古くなった場合、建て替えができる
持ち家の場合、自分の資産であるため、家が古くなり、メンテナンス(修理・リフォーム)では対応しきれなくなったときに、自分の判断で建て替えをすることが可能です。また、資産として子どもに受け継いだときに家が古くなっていても土地はある状態なので、家を建てるときにかかる費用が安く済みます。
しかしながら、賃貸物件の場合は、家がいくら古くなっても自分の判断で建て替えることはできません。もし、老朽化で建て替えることになった場合は、その家から出ていかなければならず、次の家を探す必要さえ出てくるでしょう。
持ち家の方が住む場所が保証されているという点でメリットがあるといえます。
リフォームやDIYを自由にできる
持ち家の場合、子どもの成長に合わせたり、家族構成が変化したりしたときに、リフォームやDIYをその都度、ベストな状態で行うことが可能です。
何度実施しても問題はありませんし、いかに自分たちが生活をしやすいかという点を追求できます。
ですが、賃貸物件の場合は、リフォームはできませんし、DIYをした場合でも原状回復といって、入居した当初の状態に戻す義務があるので、そのままにすることはできず、費用が多くかかってしまいます。
リフォームやDIYは住んでいると実施したくなることが多いものなので、それらを自由にできることはメリットであるといえるでしょう。
住宅ローンを完済したら、資産になる
持ち家の場合は、家賃ではなく、住宅ローンを契約して返済していくシステムです。
家を購入したら、すぐに資産になるわけではなく、住宅ローンの完済した時点で自分のものになります。
賃貸物件はいくら家賃を支払っても資産にはなりませんが、持ち家の場合は、住宅ローンを完済さえすれば、資産になるという点が大きなメリットであるといえるでしょう。
住宅ローンを完済した後は税金とメンテナンス(修理・リフォーム)以外の費用がかからない
持ち家は住宅ローンを完済したら資産になるだけでなく、住むためのお金として住宅ローンを支払う必要がなくなります。
多くの場合、定年退職前に住宅ローンを完済するため、定年退職後は自由になるお金が増えるということです。
家に住み続ける費用として必要になるのが、固定資産税や都市計画税などの税金とメンテナンス(修理・リフォーム)だけとなるため、一気に家に関する費用の負担が減るといったメリットがあります。
賃貸物件とは異なり、高齢者になったときに部屋を借りられないという心配がない
賃貸物件の場合、高齢者になったときに部屋を借りづらいといった問題が発生する可能性があります。
ですが、持ち家であれば、その家は自分のものなので、住めなくなることが基本的にありません。
年を重ねても住む場所に困らないという点では、持ち家は大きなメリットがあるといえます。
マンションなど持ち家購入のデメリットとは?
マンションなどの持ち家の購入には、さまざまなデメリットがあります。
メリットだけを知っているのでは意味がなく、デメリットも合わせて知っておくことで、購入するときの判断材料にすることが可能です。
マンションなどの持ち家購入のデメリットには、以下の7点があります。
- 初期費用が賃貸物件より高い
- 固定資産税や都市計画税などの税金を支払わなければならない
- 持ち家がマンションの場合、修繕費の積み立て・管理費がかかる
- 騒音問題やご近所トラブルがあっても簡単に引っ越しができない
- 定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)が必要であり、費用がかかる
- 住宅ローンが途中で支払えなくなる可能性がある
- 資産価値が下がる可能性がある
それでは、マンションなどの持ち家購入のデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
初期費用が賃貸物件より高い
持ち家の場合、諸費用と呼ばれる初期費用がかかります。初期費用の中には頭金と呼ばれる持ち家購入額の20%を支払うものもあるため、自然と高額になります。
賃貸物件の場合は、敷金礼金と1ヵ月分の家賃、仲介手数料のみなので、持ち家の初期費用とは比べものにならないくらい安いのが特徴です。
持ち家を購入するときには、初期費用が高いというデメリットがあり、貯金が必要になるので注意しておきましょう。
固定資産税や都市計画税などの税金を支払わなければならない
賃貸物件ではかからない固定資産税や都市計画税などの税金が持ち家の場合はかかります。
これらの税金は、一度支払ったら終わりではなく、毎年支払わなければなりません。税金の支払いが増えるといったデメリットが持ち家にはあります。
持ち家がマンションの場合、修繕費の積み立て・管理費がかかる
持ち家がマンションの場合は、必ず修繕費の積み立てと管理費がかかります。これらはマンションの維持には欠かせないものです。
賃貸物件の場合は、マンションの共有部分に不具合が出たら、大家さんが対応してくれますが、持ち家がマンションの場合は、修繕費や管理費から支払われます。
そのため、住宅ローン以外にも持ち家がマンションの場合は、毎月かかる費用があるといったデメリットがあります。
騒音問題やご近所トラブルがあっても簡単に引っ越しができない
持ち家の場合、引っ越しをするのは簡単なことではありません。
騒音問題やご近所トラブルに巻き込まれてしまっても、賃貸物件のように引っ越せば終わりではないので、長く騒音問題やご近所トラブルに対応しなければならないといった大変さがあります。
また、転勤などで引っ越しをしたいと思ったときにも対応することが難しいため、単身赴任をするなどの対応を迫られることもあるでしょう。
定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)が必要であり、費用がかかる
持ち家は住宅ローンの支払いをしたら、そのままにしておいていいわけではありません。家は建てたときから経年劣化をしていくものなので、必ず維持をするために定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をする必要があります。
定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)の費用のために積み立てをしておかないと対応するのは難しく、費用も家を建ててから時間が経っているほどかかるので、大変であるといえます。
賃貸物件では大家さんが対応してくれるので費用はかかりませんが、持ち家では定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)の費用がかかるといったデメリットがあります。
住宅ローンが途中で支払えなくなる可能性がある
転職して年収が下がったり、会社を解雇されて収入が途絶えてしまったりした場合、住宅ローンが途中で支払えなくなってしまうことがあります。
住宅ローンを支払えなくなった場合は、持ち家を売却をして残りの住宅ローンと相殺する方法を取るため、家を失ってしまいます。
住宅ローンは完済しないと資産にはならないため、完済までにトラブルがあると、賃貸生活に戻ってしまうというリスクがあります。
資産価値が下がる可能性がある
持ち家を購入したときよりも地価が下がってしまい、資産価値が下がってしまうことがあります。
また、家は購入した後からすぐに値が落ちていってしまうため、多くの場合、建物には値段がつかず、土地の資産価値でしか売却できないこともあります。
子どもに持ち家を残す場合は、土地のみの価値しかない場合もあるので注意が必要です。
賃貸の家賃15万と持ち家の住宅ローン返済の違いを比較
賃貸物件の家賃が15万円の場合、家賃を毎月決まった期日までに振り込んだり引き落としにしたりしなければなりません。また、2年に1回は更新料として、家賃15万円分を支払う必要があります。ですが、住宅ローンの返済の場合、毎月決まった金額を支払うだけでOKです。
もちろん、住宅ローンは借り入れているため、金利がついてしまいます。その分、家賃のように15万円と言われたら15万円を支払うのとは違い、毎月支払っている住宅ローンの中には金利分も含まれています。
ただし、持ち家の住宅ローンであれば、更新料といった名目で1ヵ月分多く支払う必要はありません。賃貸の家賃15万円と持ち家の住宅ローン返済の違いは、支払いのシステムと契約方法によって異なるものであることがわかります。
まとめ:家賃15万は本当に無駄?
家賃を15万円支払い続けて、賃貸物件にすむべきか、15万円の住宅ローンで持ち家に住むべきかに悩んだときは、自分のライフスタイルや自分が家に対してどのようなことを望んでいるかを可視化することが大切です。どのような生活がしたいかによって、15万円の家賃が無駄であるか無駄でないかは変わってきます。
賃貸が「もったいない」と言われる理由やマンションなど持ち家の購入のメリットとデメリットを知っておけば、賃貸物件に住むか持ち家に住むかで悩んだときに判断がしやすくなるでしょう。
また、賃貸の家賃15万と持ち家の住宅ローン返済の違いを考える場合には、住宅ローンの仕組みについて理解しておくことが重要です。その上で、家賃を支払い続けるのがいいか住宅ローンを支払うのがいいかを考えましょう。