家を建てるときにどこに住むかはとても悩むことのひとつでいてす。職場に近かったり、子どもの学校や習い事にアクセスしやすかったりするなど、さまざまな条件で考えることでしょう。その中のひとつに実家の近くに住むという方法もあります。
この記事では、「実家の近くに住めばよかった……」と実家が遠いと後悔する理由をはじめ、実家の近くに住むメリットとデメリット、実家の近くに住むために家を購入する場合の注意点・ポイントについて、詳しくご紹介いたします。
実家の近くに住めばよかった… 実家が遠いと後悔する理由は?
家を建てるときに、どこに建てるかを悩むこともあるでしょう。勤務先に近かったり、子どもを育てるのに適した環境だったり、スーパーやドラッグストアなど生活をする上で必要なお店が徒歩圏内にあったりするなど、家を建てるときに何を優先するかは人それぞれです。
そんな中で家を建てるときに「実家が近いこと」を挙げる人もいます。実家が近いと何かと便利だからです。では、実家が遠いところに家を建てたら、どんなことに後悔するのでしょうか?
「実家の近くに住めばよかった……」と実家が遠いと後悔する理由には、以下の5点があります。
- 帰省にお金がかかる
- 困ったときに頼れる人がいない
- 子育てを手伝ってもらえない
- 両親が体調不良になったり、入院してしまったりしたときにすぐに駆けつけられない
- 実家に帰ること自体が減ってしまう
それでは、「実家の近くに住めばよかった……」と実家が遠いと後悔する理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
帰省にお金がかかる
年末年始やお盆休み、法事など、実家に帰る機会というのは、年に何回もあります。人によっては毎回帰省しない方もいらっしゃるでしょうが、毎回帰省する方もいるでしょう。年に数回も帰省するのであれば、やむを得ない事情がない限り、実家から遠い場所に住むのは得策ではありません。
帰省するときの交通費だけで、とてもお金がかかるからです。飛行機や新幹線を利用する場合は、家族で帰省するだけで10万円など簡単に飛んでいってしまいます。帰省するときにかかるのが交通費だけであればよいですが、お土産代や帰省先で使用するお金、法事であれば香典が必要になります。
実家が遠いとあっという間に数十万円というお金がなくなってしまうので、やむを得ない理由がない限りは、実家から遠い場所に住まない方がよいといえるでしょう。
困ったときに頼れる人がいない
実家から遠いと困ったときに頼れる人がおらず、さらに困った状態になってしまうことがあります。たとえば、子どもが熱を出してしまったけれど、会社では大事な会議があって休めなかったり、子どもの帰宅が早いのに学童に預けられなかったり、さまざまなケースが想定されます。
もし、実家が近ければ解決できたことでも実家が遠いと手助けをしてもらえず、解決できなくなることもあるでしょう。実家が遠いことで、日常的に起こりえる問題を抱えこまなければならなくなってしまうといった大変さがあります。
子育てを手伝ってもらえない
出産をした後など、子育てが大変なときに手伝ってもらえないという大変さがあります。また、出産後だけでなく、子育てをしていると、大人の手が足りないことも出てくるでしょう。
子供のお迎えだけでなく、子どもが2人以上いる場合、1人を病院に連れていくときにもう1人を留守番させられず、困ってしまうことなどもあります。
そんなときに実家が近ければ手伝ってもらえる可能性はありますが、実家が遠いとお願いすることすらできません。
両親が体調不良になったり、入院してしまったりしたときにすぐに駆けつけられない
両親が体調不良になったり、入院してしまったりしたときに、実家が遠いとすぐに駆けつけられません。実家の近くにほかの兄弟が住んでいなかったり、一人っ子だったりした場合、すぐに駆けつけられないことで不便なことも多くなります。
駆けつける場合も会社を長期間休まなければならないなど、負担が大きくなるので実家が遠くて後悔する一因となります。また、震災に遭ったときなどもすぐに駆けつけられず、歯がゆい思いをすることもあるでしょう。
実家に帰ること自体が減ってしまう
夫婦どちらの実家も遠くなってしまうと、夫婦どちらか一方の実家に帰るということができなくなります。というのも、片方の実家に帰ってもう片方の実家に帰らなかったら、角が立つからです。
一方の実家に帰るのであれば、もう片方の実家にも帰らなければならなくなります。ですが、金銭面を考えると、両方の実家に帰るというのは、現実的ではありません。
その結果、実家に帰ること自体が減ってしまいます。実家と疎遠になるきっかけにもなってしまうので、実家から遠い家に住むのはよく考えましょう。
実家の近くに住むメリット
家を建てるときに、どこに住むかはとても重要です。住む場所を選ぶときには、実家の近くに、という案も出てくるでしょう。実家の近くに住むメリットを知っていると、実家の近くに家を建てるという案が出たときに判断しやすくなります。
ここでは、実家の近くに住むメリットについてご紹介いたします。
実家の近くに住むメリットには、以下の7点があります。
- 困ったときに助けてもらえる
- 子育ての負担が減らせる
- 子どもが遊びに行く場所が増える
- 両親と適度な距離感を保てる
- 環境が負担にならない
- 精神的な支えがある
- 両親の体調が悪かったり、入院が必要になったりしたときに駆けつけられる
それでは、実家の近くに住むメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
困ったときに助けてもらえる
実家の近くに住んでいると、子どもが熱を出してしまったり、早い時間にお迎えが必要になったりして、親が保育園や幼稚園に迎えにいけないときでも、実家の親に迎えに行ってもらえるなど、困ったときに助けてもらえます。
子育ての負担が減らせる
子育てをしていると、やらなければならないことがたくさんあります。子どもを両親だけで見ていると、人手が足りず、ベビーシッターなどを雇う必要も出てくるでしょう。
ですが、ベビーシッターを雇うには、お金がとてもかかります。せっかく、働いていてもそのお金がベビーシッター代に消えてしまい、なんのために働いているのかがわからないといったケースもあるでしょう。
実家が近ければ、自分たちの親が子育てを手伝ってくれるので、子育ての負担が減らせます。また、それだけでなく、ベビーシッター代が不要になるので、金銭面でも負担を減らせることになります。
子どもが遊びに行く場所が増える
実家が近くにあると、子どもはおじいちゃんおばあちゃんの家にも行くことになるため、遊びに行ける場所が増えます。
また、おじいちゃんおばあちゃんが水族館や動物園などに連れて行ってくれることもあるでしょうから、さらに遊びに行く場所は増加するでしょう。
行動範囲が広がることで、できることも増えるので、子どもの生育環境としてもよいといえます。
両親と適度な距離感を保てる
実家の近くに住むということは、同居と比較して、適度な距離感を保てます。同居してしまうと、多くの場合、夫の親と住むことになってしまい、義両親と奥さんとの関係がぎくしゃくしてしまいます。
旦那さんにとっては自分の親と住むため、特にストレスはないかもしれませんが、奥さんにとっては親族ではあるものの血のつながりのない他人との同居となってしまうため、強いストレスを感じることが多く、元々嫁姑の関係性がよかったとしても、関係が悪化してしまう可能性が高いです。
ですが、実家の近くに住んでいるだけであれば、寝食をともにするわけではなく、個々の家庭が独立した状態で付き合えるため、適度な距離感を保ち、良好な家族関係を築いていけるでしょう。
環境が負担にならない
実家の近くに住む場合、元々、住んでいた場所の近くに住むため、住環境に慣れ親しんでいます。
新しい場所に住む場合、環境の変化がストレスの原因になるなど、心理的な負担がかかりますが、実家の近くに住めば、そういった無駄なストレスを感じずに済みます。
精神的な支えがある
実家の近くに住むことで、近くにいつでも手伝ってくれる親がいるという安心感が精神的な支えになるといったメリットがあります。
出産後だけでなく、子育て中は孤独に陥ってしまうことも珍しくないため、精神的な支えとなる親が近くに住んでいることは心強いことでしょう。
両親の体調が悪かったり、入院が必要になったりしたときに駆けつけられる
実家の近くに住んでいると、両親の体調が悪かったり、入院が必要になったりしたときに駆けつけられます。遠くに住んでいると、長期間の休みをとって、会いに行かなければならないため、金銭的な負担も大きく、仕事にもしわ寄せがいきやすくなってしまいます。
ですが、近くに住んでいれば、数日の休みを取得して、仕事に行きながらお見舞いに行ったり、手続きをしたりすることが可能です。また、親の介護が必要になったとき、近くに住んでいる方が対応しやすいため、介護の面でも実家の近くに住んでいる方がよいといえるでしょう。
実家の近くに住むデメリット
住む場所を決めるときに、実家の近くで、という案が出ることもあるでしょう。そんなときに、実家の近くに住むメリットだけを見て判断してしまうと、後々、後悔してしまう可能性があります。
実家の近くに住むデメリットにもしっかりと目を向けて、総合的に判断することで、本当に実家の近くに住んでよかったと思えるかどうかが変わってきます。
ここでは、実家の近くに住むデメリットについて、ご紹介いたします。
実家の近くに住むデメリットには、以下の5点があります。
- 週末ごとに孫を連れて来いと言われる可能性がある
- 奥さんから見て義実家からの過干渉が原因で夫婦ケンカに発展することがある
- 両親が入院したり、介護が必要になったりしたときに、負担が大きくなる可能性がある
- 適度な距離感が保てなくなる
- 大したことじゃなくても呼びつけられる可能性がある
それでは、実家の近くに住むデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
週末ごとに孫を連れて来いと言われる可能性がある
実家の近くに住んでいる場合、奥さんから見て義理の家から、孫を週末ごとに連れて来いと言われる可能性があります。自分の息子の子どもが生まれたことによって、息子たちの家庭のことは顧みず、週末ごとに会いたいと義理の親が言い出し、奥さんの方が疲弊してしまうといったケースです。
子どもが生まれるまで、嫁姑の関係が良好であったとしても、孫が生まれることで嫁姑の関係が悪化することは珍しくありません。実家の近くに住むと物理的な距離が短いため、遠くに住んでいたら言われないような無理難題を言われる可能性があります。
奥さんから見て義実家からの過干渉が原因で夫婦ゲンカに発展することがある
奥さんから見て義実家から、毎週のように孫に会いたいと言われたり、食事をしに来るように言われたりするなどの過干渉により、奥さんの方がストレスを溜め込み、夫婦ゲンカに発展してしまうことがあります。
旦那さんから見れば自分の親ですし、孫から見れば自分のおじいちゃんおばあちゃんです。ですが、奥さんから見れば結婚して親族にはなったものの、血のつながらない他人であることに変わりはありません。
しかも、旦那さんの親ともなれば気も遣います。一緒にいて、常に気を張っている奥さんからしたら、義両親と接点が増えればそれだけストレスも増えることでしょう。
それを理解せずに、義実家の言う通りにばかり動いていると、奥さんも我慢の限界に達してしまいます。義実家が過干渉だと感じたら、適切な距離を取るように旦那さんが調節するようにしましょう。
両親が入院したり、介護が必要になったりしたときに、負担が大きくなる可能性がある
両親が入院したり、介護が必要になったりしたときに、近くに住んでいるとすぐに駆けつけられるため、手続きをしたり、手伝ったりすることが遠くに住んでいる兄弟と比較して増えるでしょう。
実家の近くに住んでいると、何かと頼りにされてしまう部分もあるので、負担が大きくなりすぎないように、兄弟間でしっかり話し合って分担を決めるようにすることが大切です。
適度な距離感が保てなくなる
実家の近くに住んでいると、同居はしていないものの、距離感が近くなりすぎてしまうことがあります。
実家の近くに住んでいる以上、適切な距離感を保つことが何より大切です。距離感がおかしくなってしまうと、お互いがストレスに感じたり、余計な負担をかけあったりしてしまうことにつながります。
適度な距離感が保てそうにないと感じたら、実家の近くに住むのは避けた方がよいでしょう。
大したことじゃなくても呼びつけられる可能性がある
実家の近くに住むと、「〇〇をもらったから取りにおいで」など、大したことじゃなくても呼びつけられる可能性があります。
もちろん、それが苦にならなければ問題はありませんが、つらいと思うようであれば、実家の近くに住むのはよく考えてからにした方がよいでしょう。
気軽に子育ての手伝いをしてもらえるといったメリットがある半面、自分も簡単に呼びつけられるデメリットがあるということです。
子育てと実家の距離の関係
子育てをする際には、夫婦どちらの両親とも適度な距離感を保ちつつ、子育てをすることが大切です。子育てを手伝ってもらうと、負い目があったり、親の言うことを聞かなければならないと思ったりすることもあるでしょう。
ですが、あくまで親には手伝ってもらっているにすぎません。子育てをメインでやっていかなければならないのは、子どもの両親です。奥さんから見て義理の親にあたる夫の両親が、孫が可愛いあまり過干渉になるというのはよくある話であり、注意しておく必要があります。
どちらの親とも適度な距離を保ちつつ、子育てを手伝ってもらうというスタンスを崩さないことが、家族間の人間関係を円滑に保ちつつ、夫婦間の揉め事を最小限に抑える方法であるといえるでしょう。
実家の近くに住むために家を購入する場合の注意点・ポイント
実家の近くに住むために家を購入する場合には、注意点・ポイントがあります。それらをきちんと把握していないと、判断を誤ったり、後悔したりする可能性があるので注意が必要です。
実家の近くに住むために家を購入する場合の注意点・ポイントには、以下の3点があります。
- 職場にアクセスしやすい
- 子どもの学校や習い事に行かせやすい
- 住環境が整っている
家を建てるときに、実家の近くにするか悩んでいるときは、実家の近くに住むメリットやデメリットに目がいきやすいですが、家を建てるときに注意しなければならないポイントは、実家の近くに住む住まない関係なく、同じです。
家から職場にアクセスしやすいことは、日常生活を送る上で大切ですし、子どもの学校や習い事に行かせやすいことは、子育てをしていく上で重要です。
住環境が整っているというのは、騒音問題やご近所トラブルがなく、静かな環境があり、スーパーやドラッグストアなど、日常生活に必要なお店が遠くないことを指していますが、住環境が整っていないと、日常生活にストレスが溜まってしまう原因になる可能性が高いでしょう。
このように、実家の近くに住むことばかりに目を向けるのではなく、自分たちがいかに日常生活が送りやすいかをまず考える必要があります。自分たちの日常生活がきちんと送れている状態で、どうしても手助けをしてもらいたいときに助けてくれる人たちがいる環境に身を置くのが理想であるといえるでしょう。
実家の近くに住めばよかったと後悔しない方法まとめ
家を建てるときに、どこに住むかはとても重要です。もちろん、その中で実家の近くに住むという話が出ることもあるでしょう。しかし、職場の距離や子どもの学校のことなど、さまざまな事情があり、誰もが実家の近くに住めるというわけではありません。ですから、「実家の近くに住めばよかった……」と実家が遠いと後悔する方もいるでしょう。
実家が遠いと後悔する理由を知っておくことは、実家に住む理由になることもあります。また、実家の近くに住むメリットとデメリットがわかっていれば、実家の近くに住むという話が出てきたときに、自分たちが実家の近くに住むのが向いているかを判断しやすくなるでしょう。
それだけでなく、実家の近くに住むために家を購入する場合の注意点・ポイントを理解しておくことも大切です。実家の近くに住むために家を購入する場合の注意点・ポイントは、通常家を建てるときと同じ点なので、住環境などに気を配るようにしましょう。