注文住宅を建てるときに重要なことのひとつは土地探しです。
ですが、注文住宅の土地探しをするときに、一体何から始めたらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか?
注文住宅の土地探しをするためには、土地探しの方法を知ることから始めなければなりません。
また、土地探しを依頼する場合には、どのようなメリットとデメリットがあるかを事前に理解することが必要となります。
この記事では、注文住宅の土地の探し方をはじめ、注文住宅の土地探しの注意点、注文住宅の土地探しをハウスメーカーに依頼するメリット・デメリットや注文住宅の土地探しを工務店に依頼するメリット・デメリットについて詳しくご紹介いたします。
注文住宅の土地の探し方
注文住宅を建てるには、まず土地を探さなければなりません。
注文住宅の土地の探し方には、以下の6つの方法があります。
- 不動産業者に依頼する
- ハウスメーカーに依頼する
- 工務店に依頼する
- 自分で探す
- インターネットで探す
- 不動産情報誌で探す
それでは、それぞれの注文住宅の土地の探し方について詳しく見ていきましょう。
不動産業者に依頼する
一番一般的な注文住宅の土地の探し方です。不動産業者は土地の幅広い情報を持っているため、希望通りの土地を探しやすい傾向にあります。
ハウスメーカーに依頼する
ハウスメーカーに注文住宅の土地探しを依頼する場合、土地探しだけでなく、その土地に注文住宅の建設を依頼することが前提です。
土地探しの段階で、どのような注文住宅を建てられるかを相談できるといった特徴があります。
工務店に依頼する
工務店に土地探しを依頼する場合、土地探しだけでなく、その土地に注文住宅の建設を依頼することが前提です。
工務店は地域密着型であるだけでなく、希望通りの注文住宅を建てやすいといった特徴があります。
自分で探す
自分で注文住宅を建てる土地を探す方法には、以下の3つがあります。
- 土地を買いたいエリアに出向き、自分の足で探す
- チラシを見て探す
- 友人知人に紹介してもらう
注文住宅を建てたいエリアに出向き、自分の足で土地を探す方法は、時間や手間がかかるため、あまりおすすめの方法とはいえません。
また、自分が注文住宅を建てたいエリアに近くない場所に住んでいる場合、チラシがポストに投函されづらいため、チラシを見て探すことも現実的ではないといえるでしょう。
友人知人に紹介してもらう方法もありますが、友人知人が土地の情報を持っていなければかなわないため、タイミング次第となってしまいます。
インターネットで探す
注文住宅の土地探しはインターネットでも可能です。インターネットで探す場合は、土地を検索できるサイトの検索フォームで、土地のエリアや希望条件などをチェックして、検索ボタンを押すだけです。
検索をするだけで注文住宅の土地探しができるため、手間も時間もかかりませんが、不動産業者やハウスメーカーが 持っているいい土地の情報は得られないといったデメリットがあります。
不動産情報誌で探す
不動産情報誌には、以下の4種類があります。
- 隔週刊誌
- 月刊誌
- 季刊誌
- フリーペーパー
不動産情報誌の場合、販売されている期間が合致しないと探すタイミングが合わなかったり、情報誌を購入する費用がかかったりするといったデメリットがあります。
注文住宅の土地探しの注意点
注文住宅の土地探しの注意点は、建売住宅や分譲住宅などの土地探しの注意点と同様です。
これは、土地を探す上で外せない項目が決まっているからにほかなりません。
注文住宅の土地探しの注意点は以下の4点です。
- 地盤のしっかりした土地を選ぶ
- 住環境のよい土地を選ぶ
- 希望の条件を満たしているかを確認する
- 都市計画を確認する
それでは、注文住宅の土地探しの注意点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
地盤のしっかりした土地を選ぶ
注文住宅の土地を探すときに、必ず確認すべきなのが地盤です。地盤の強度によって、自然災害が起きたときの被害状況が変わります。
地盤を確認するには、古地図を活用しましょう。古地図には、その土地が過去どのような変遷をたどってきたかが記されています。
川や池などがあり、今は埋め立てられている場合などは、地盤が緩い可能性が高く、地震が起こったときに被害が出やすい傾向にあります。
また、埋立地の場合は、液状化してしまう可能性もあるため、注文住宅の土地を探しているときにはよく考えて、選択することが大切です。
住環境のよい土地を選ぶ
住環境とは、住んでいく上での環境のことをいいます。
たとえば、交通の便や治安、スーパーや病院、子どもの学校や習い事へのアクセス、日当たりや風通し、災害時の避難など、これらがよい土地は住環境のよい土地といえるでしょう。
土地探しでは、住環境のよい土地を選ぶことで注文住宅を建てる第一段階となります。土地探しをしていく上で、住環境のよさに注意して選ぶことは重要です。
希望の条件を満たしているかを確認する
注文住宅を建てる土地として、駅が近かったり、静かな環境や敷地面積であったり、さまざまな条件を持って、土地を探していることでしょう。
注文住宅を建てるときには、これらの条件がどれくらい満たされているかを確認しながら探すことが大切です。
このとき、条件の優先順位を明確にしておくと、条件の確認が簡単になり、土地を購入するときに決断しやすくなります。
都市計画を確認する
都市計画とは、都市計画法に基づき、以下の3つが実施されます。
- 土地利用の計画
- 都市施設の整備の計画
- 市街地開発事業の計画
都市計画は都道府県が根本的な計画を決めた上で、詳細についてはそれぞれの市町村が決めることになっているため、注文住宅の土地として購入したい土地がどのような都市計画になっているか確認する必要があります。
また、都市計画の中では、13種類の用途地域が設定されており、建ててよい建物に違いがあります。
注文住宅を建てる際に、周りに建ってほしくない建物がある場合には、土地を探す段階で用途地域についても確認しておきましょう。
注文住宅の土地探しをハウスメーカーに依頼するメリット・デメリット
ハウスメーカーとは、住宅メーカーのことをいいます。ハウスメーカーの多くには、さまざまな地域に支店を持ち、対応しているエリアが広いといった特徴があります。
ハウスメーカーに注文住宅の土地探しを依頼する場合、メリットとデメリットが存在しているため、そのどちらも知っておくことが、どのように土地探しを行うかを決定する上で重要になってきます。
それでは、ハウスメーカーに注文住宅の土地探しを依頼する場合のメリットとデメリットについて詳しくご紹介いたします。
メリット
ハウスメーカーに土地探しを依頼すると、さまざまなメリットがあります。
ハウスメーカーに土地探しを依頼する場合のメリットは、土地をスムーズに探すことができたり、金銭面でお得感のあるものなど、幅広いのが特徴です。
ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットには、以下の4点があります。
- 未公開の土地など、いい土地を紹介してもらえる
- 土地の紹介がスピーディー
- 住宅ローンの契約がしやすい
- 仲介手数料が不要の場合がある
それでは、ハウスメーカーに注文住宅の土地探しを依頼する場合のメリットについて詳しく見ていきましょう。
未公開の土地など、いい土地を紹介してもらえる
ハウスメーカーの場合、自社で土地を保有していることがあり、一般的には出回っていない土地の情報を得られる可能性があります。
立地や条件などがいい土地の場合、一般に公開される前に買い手がついてしまうため、ハウスメーカーから直接連絡をもらって、土地の購入を検討することになります。
土地の紹介がスピーディー
ハウスメーカーは自社で土地を保有しているケースも多く、土地情報が入ってきた段階で教えてもらえることがあります。
インターネットなど一般に情報が出回る前であるため、いい土地にもアクセスしやすく、検討により早く入れるといったメリットがあります。
住宅ローンの契約がしやすい
注文住宅で土地を購入し、建物を建てる場合は、土地と建物の住宅ローンは別々に契約します。
ですが、住宅ローンを契約する際に、土地と建物を別々に申し込むと、通りづらいことがあります。
ハウスメーカーで土地と建物を購入する場合には、一緒に土地と建物の住宅ローンを申し込めるため、住宅ローンの審査が通りづらいということがありません。
仲介手数料が不要の場合がある
不動産業者に依頼して、土地を探した場合、土地を購入するときに仲介手数料が必要です。
ですが、ハウスメーカーで土地を探した場合、建物を建てる条件をクリアしていれば、土地の仲介手数料がかからないといったサービスをしていることがあります。
仲介手数料の金額は、「昭和二十七年法律第百七十六号宅地建物取引業法(報酬)第四十六条」において定められているため、不動産業者に依頼した場合には、発生してしまう費用です。
仲介手数料も土地を購入する際には、大きな出費となってしまうため、仲介手数料が不要なハウスメーカーを選ぶことで、予算が浮き、間取りやデザインなど建物にかけられる金額を増やすこともできるでしょう。
デメリット
ハウスメーカーに土地探しを依頼すると、いくつかのデメリットがあります。
ハウスメーカーに土地探しを依頼する場合のデメリットは、ハウスメーカーならではのデメリットです。
ハウスメーカーに土地探しを依頼するデメリットには、以下の2点があります。
- 土地の費用が高額になりがち
- 工務店と比較して、自由度が高い
それでは、ハウスメーカーに注文住宅の土地探しを依頼する場合のデメリットについて詳しく見ていきましょう。
土地の費用が高額になりがち
ハウスメーカーの場合、広告を打って集客をする方法をとっています。そのため、宣伝費が販売代金に反映されてしまいます。
土地探しを安く済ませたい場合には、ハウスメーカーはデメリットであるといえるでしょう。
工務店と比較して、自由度が低い
ハウスメーカーで注文住宅の土地を探すということは、ハウスメーカーで注文住宅を建てるということです。
注文住宅は、建売住宅をはじめ、分譲住宅やローコスト住宅と比較した場合、間取りや外観デザインにおいて、自由度が高いといった特徴があります。
ですが、ハウスメーカーの場合、標準の仕様があり、そこからどのように好みのデザインや使い勝手に変えていくか、という作業になります。
そのため、工務店のように最初から全ての希望を叶えやすい建て方ではありません。
譲れない部分が多ければ多いほど、ハウスメーカーでの土地探しは向いていないといえるでしょう。
注文住宅の土地探しを工務店に依頼するメリット・デメリット
工務店とは、主に地域密着型の住宅工事の管理から建設までを行う業者のことをいいます。
土地探しから住宅の設計、工事までを実施するため、注文住宅を建てるときに最初から最後までを一括で依頼することが可能です。
工務店には、以下の3種類があります。
- 地域密着型の工務店
- フランチャイズの工務店
- 小規模な工務店
工務店に注文住宅の土地探しを依頼する場合、メリットとデメリットが存在しているため、そのどちらも知っておくことが、どのように土地探しを行うかを決定する上で重要になってきます。
それでは、工務店に注文住宅の土地探しを依頼する場合のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
工務店に土地探しを依頼すると、さまざまなメリットがあります。
工務店に土地探しを依頼する場合のメリットは、やりとりが楽になったり、理想通りの注文住宅が建てやすいなど、工務店だからこそ叶えられるメリットである点が特徴です。
工務店に土地探しを依頼するメリットには、以下の3点があります。
- やりとりを簡素化できる
- どんな注文住宅を建てられるかをよくわかっている
- 注文住宅にかかるトータルの金額が希望通りに収まりやすい
それでは、工務店に注文住宅の土地探しを依頼する場合のメリットについて詳しく見ていきましょう。
やりとりを簡素化できる
工務店に依頼する場合、土地探しと注文住宅の建設の両方を依頼することになります。
そのため、土地探しと注文住宅の建設を別々に依頼する必要がなく、土地探しから建設までのやりとりを簡素化できるといったメリットがあります。
どんな注文住宅を建てられるかをよくわかっている
工務店は注文住宅の工事管理を土地探しから建設まですべて行っているため、土地探し中に依頼主が気になっている土地にどのような注文住宅なら建てられるかがすぐにわかります。
土地には建ぺい率があり、土地の大きさいっぱいに建物を建てられるわけではありません。
その土地にどのくらいの大きさの建物が建てられ、日当たりはどのくらいなのかなど、注文住宅を建てる上で気になることが土地探しをしているその場で解決してもらいやすいといったメリットがあります。
また、土地を購入してから希望通りの注文住宅が建てられないなどの失敗を回避できます。
注文住宅にかかるトータルの金額が希望通りに収まりやすい
土地と建物を別の業者に依頼して購入する場合、土地代と建物代を別々に支払うことになります。もちろん、住宅ローンも別々に契約します。
注文住宅を購入する場合、最初に予算を決めますが、土地と建物を別々に購入することになると、予算を大幅に超えてしまうことがあります。
ですが、土地と建物を同じ工務店で購入する場合、先に予算を伝えて、その予算の中で土地と建物の両方が収まるように対応してもらえるため、土地探しをしている段階で大幅な予算のオーバーがなく安心です。
デメリット
工務店に土地探しを依頼すると、いくつかのデメリットがあります。工務店に土地探しを依頼する場合のデメリットは、工務店ならではのデメリットです。
工務店に土地探しを依頼する場合のデメリットには、以下の2点があります。
- 工務店のレベルがバラバラで選ぶのが難しい
- モデルハウスがない
それでは、工務店に注文住宅の土地探しを依頼する場合のデメリットについて詳しく見ていきましょう。
工務店のレベルがバラバラで選ぶのが難しい
工務店にはさまざまな種類がありますが、基本的には地域密着型でその土地に根差しています。ですが、業務のレベルが高いかといえば、必ずしもそうではありません。
口コミや評判などをしっかり調べて、依頼しても問題のない工務店なのかを確認する必要があります。
注文住宅の土地探しは、注文住宅を建てる最初の段階です。依頼主の希望をしっかりと確認し、スムーズに進めてくれる工務店を選ぶようにしましょう。
また、工務店で土地探しをしていると、場合によっては、土地購入の契約を急かしてくることがあるといわれています。
契約を急かしてくる理由は、すぐに契約してもらって早く次のステップである建設に進みたいと考えているためです。
土地購入の契約を急かされた場合には、他社との比較中であることやまだ決定するまでの材料がそろっていないことなど、きちんと今の状況を説明し、毅然とした態度で対応しましょう。
モデルハウスがない
工務店は基本的にモデルハウスがありません。モデルハウスとは、その会社が建てる住宅はこのような出来上がりだとわかるサンプル住宅のことをいいます。
実際に家具や家電なども設置されているため、注文住宅を建てた後の生活も想像しやすいといった特徴があります。
ハウスメーカーでは、モデルハウスがあり、実際に注文住宅を建てたときのイメージがしやすいのですが、工務店にはモデルハウスが存在しないため、実際に建つ注文住宅のイメージがわきづらいといったデメリットがあります。
注文住宅の土地の探し方 まとめ
注文住宅を建てるためには、土地探しはとても重要なものです。土地探しに失敗してしまうと、思い描いていたマイホームでの生活が台無しになってしまうこともありえます。
注文住宅の土地探しをするには、土地の探し方を知ることからはじめ、土地探しをする際に注意すべきことをしっかり抑えておくことが大切です。
また、この記事では、注文住宅の土地の探し方の中でも、ハウスメーカーと工務店に依頼する方法について詳しくご紹介いたしました。
どちらもメリットとデメリットがあるため、きちんとその両方を把握しておくことが、注文住宅の土地探しにおける後悔や失敗を回避することにつながります。
注文住宅の土地探しをするときには、土地の探し方から注意点、探し方によって異なるメリットとデメリットについて、事前に学んでから行うようにしましょう。