家を建てる前には知っておかなければならないことがたくさんあります。
ですが、一体どんなことを知っておかなければならないのかが、わからないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、家を建てるための費用をはじめ、家を建てるための費用【土地ありの場合】や家を建てるための費用【土地なしの場合】、家を建てるための予算と年収、家を建てる流れ/手順/段取り、家を建てるタイミング、家を建てるのに必要な期間について詳しくご紹介いたします。
家を建てるための費用
家を建てると聞くと、土地の費用と建物の費用がかかると考える方も多いことでしょう。
しかしながら、実際に家を建てるときに必要な費用は、土地の費用と建物の費用だけではありません。家を建てるためには、さまざまな費用がかかります。
家を建てるために必要なすべての費用を知っておくことで、こんなはずではなかった、という後悔を減らせます。
ここでは、家を建てるための費用について詳しくご紹介いたします。
家を建てるために必要な費用とその詳細一覧です。
【家を建てるために必要な費用と必要なお金の詳細一覧】
費用の種類 | 必要なお金の詳細 |
土地の費用 | 土地を購入するために必要なお金 |
建築確認申請手数料 | 建設に着手するときに都道府県から確認を受けるために必要なお金 |
建物の費用(建築費用設計料) | 建物を建てるために必要なお金 |
仲介手数料 | 不動産業者に仲介を頼んでいる場合に支払うお金 |
司法書士の費用 | 不動産登記をしてもらうときに、司法書士に支払うお金 |
頭金 | 土地の費用や建物の費用を支払うときに、最初に支払うまとまったお金 |
印紙代 | 売買契約書を締結したときに、売買契約書に貼る印紙を購入するために必要なお金 |
登録免許税 | 住宅を登記したときに発生する税金 |
地鎮祭の費用 | 家を建てるときに、神主さんにお願いをして地鎮祭をとり行うために必要なお金 |
火災保険料 | 建物と家財に対する火災の保険にかかるお金 |
地震保険料 | 建物や家財に対する地震や噴火の保険にかかるお金 |
このように、家を建てるときには、土地の費用と建物の費用以外にもさまざまな費用が発生します。
どれも削ることができない費用であるため、家を建てるときにはこれらの費用を考えて、予算を組む必要があります。
家を建てるときにお金が足りなくなってしまわないように、さまざまな費用について、事前に確認しておきましょう。
家を建てるための費用【土地ありの場合】
家を建てるために必要な費用は、「家を建てるための費用」で前述した通りです。
ですが、家を建てるにあたり、土地がある場合には土地の費用は必要ありません。
そのため、家を建てる費用のうち、土地ありの場合は以下の10点が必要となります。
- 建築確認申請手数料
- 建物の費用(建築費用設計料)
- 仲介手数料
- 司法書士の費用
- 頭金
- 印紙代
- 登録免許税
- 地鎮祭の費用
- 火災保険料
- 地震保険料
このように、土地ありの場合には、土地の費用がかからないため、土地なしの場合に比べて費用が安くなります。
家を建てるための費用【土地なしの場合】
家を建てるために必要な費用は、「家を建てるための費用」で前述した通りであり、家を建てる費用のうち、土地なしの場合に必要な費用は以下の11点です。
- 土地代
- 建築確認申請手数料
- 建物の費用(建築費用設計料)
- 仲介手数料
- 司法書士の費用
- 頭金
- 印紙代
- 登録免許税
- 地鎮祭の費用
- 火災保険料
- 地震保険料
このように、土地なしの場合には、土地の費用が必要になるため、土地ありの場合に比べて費用は高くなります。
家を建てるための予算と年収
家を建てるための予算は、年収の5~7倍といわれています。そのため、家を建てるための予算は年収によって異なります。
なぜ、年収の5~7倍が家を建てるための予算になるかというと、住宅ローンで借り入れができる金額が年収の5~7倍だとされているためです。
家を建てるための予算と年収は、以下の表が相場であるといわれています。
【家を建てるための予算と年収の一覧】
家を建てるための予算 | 家を建てるために必要な年収・7倍の場合 | 家を建てるために必要な年収・6倍の場合 | 家を建てるために必要な年収・5倍の場合 |
1,000万円 | 143万円 | 167万円 | 200万円 |
1,500万円 | 214万円 | 250万円 | 300万円 |
2,000万円 | 286万円 | 333万円 | 400万円 |
2,500万円 | 357万円 | 417万円 | 500万円 |
3,000万円 | 429万円 | 500万円 | 600万円 |
3,500万円 | 500万円 | 583万円 | 700万円 |
4,000万円 | 571万円 | 667万円 | 800万円 |
4,500万円 | 643万円 | 750万円 | 900万円 |
5,000万円 | 714万円 | 833万円 | 1,000万円 |
5,500万円 | 786万円 | 917万円 | 1,100万円 |
6,000万円 | 857万円 | 1,000万円 | 1,200万円 |
6,500万円 | 929万円 | 1,083万円 | 1,300万円 |
7,000万円 | 1,000万円 | 1,167万円 | 1,400万円 |
7,500万円 | 1,071万円 | 1,250万円 | 1,500万円 |
8,000万円 | 1,143万円 | 1,333万円 | 1,600万円 |
8,500万円 | 1,214万円 | 1,417万円 | 1,700万円 |
9,000万円 | 1,286万円 | 1,500万円 | 1,800万円 |
9,500万円 | 1,357万円 | 1,583万円 | 1,900万円 |
1億円 | 1,429万円 | 1,667万円 | 2,000万円 |
このように、建てたい家の価格は、年収を元に計算をしなければなりません。
自分の年収を元にどの程度の予算の家なら建てられるかがわかります。
予算からは、自ずと間取りなども見えてくるため、どの程度の規模の家なら建てられるかをシミュレーションすることが可能です。
家を建てる流れ/手順/段取り
家を建てる流れ/手順/段取りはどのようなケースかによって、流れ/手順/段取りが異なります。
家を建てる流れ/手順/段取りには、以下の4点のケースがあります。
- 自分で土地を探して、家を建てる場合
- 不動産業者に土地探しを依頼して、家を建てる場合
- ハウスメーカーまたは工務店に土地探しを依頼して、家を建てる場合
- 土地ありで家を建てる場合
それでは、家を建てる流れ/手順/段取りについて、それぞれのケース別にご紹介いたします。
自分で土地を探して、家を建てる場合
自分で土地を探す場合には、以下の3つの方法があります。
- インターネットで探す
- 自分の足で探す
- 友人知人の紹介で探す
自分で土地を探す場合、不動産業者などに依頼する場合に比べて、手間と時間がかかります。
インターネットで探す場合には、条件を入力して検索するだけであるため、手間と時間は少なめではありますが、いい土地に出会える確率は下がります。
これは、不動産業者などが抱えているいい土地の情報がインターネット上には出にくいからです。
自分の足で探す場合、家を建てたいエリアにわざわざ出向いて、売り出されている土地を探さなければなりません。
友人知人の紹介で探す場合は、タイミングが合わなければ難しいだけでなく、個人間売買になってしまうので、トラブルなどの心配があります。
その上で、自分で土地を探して、家を建てる場合の流れ/手順/段取りは以下のようになります。
- 予算を決める
- 土地の相場を調べる
- 土地を探す
- 土地を保有している不動産業者に連絡をする
- 土地の購入を決める
- 買付証明書を提出する
- 住宅ローン事前審査を受ける
- 重要事項の説明を受ける
- 土地売買契約の締結をする
- 住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 住宅ローンの契約を締結する
- 土地の引き渡しをする
- 建築費用の相場を調べる
- ハウスメーカーまた工務店を探す
- どんな家を建てるか決める
- ハウスメーカーまたは工務店と仮契約する
- ハウスメーカーまたは工務店と工事請負契約契約する
- 住宅ローン事前審査を受ける
- ハウスメーカーまたは工務店とオプションなど細かい打ち合わせをする
- 住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 住宅ローンの契約を締結する
- 着工
- 竣工・引き渡し
不動産業者に土地探しを依頼して、家を建てる場合
不動産業者に土地探しを依頼して、家を建てるのが一番一般的な方法です。
不動産業者は土地の情報を多くもっており、インターネットなどには掲載されていない土地の情報も持っています。
そのため、条件のいい土地を購入できる可能性が高いといった特徴があります。
不動産業者に土地探しを依頼して、家を建てる場合の流れ/手順/段取りは以下のようになります。
- 予算を決める
- 土地の相場を調べる
- 不動産業者に土地探しを依頼する
- 土地の購入を決める
- 買付証明書を提出する
- 住宅ローン事前審査を受ける
- 重要事項の説明を受ける
- 土地売買契約の締結をする
- 住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 住宅ローンの契約を締結する
- 土地の引き渡しをする
- 建築費用の相場を調べる
- ハウスメーカーまた工務店を探す
- どんな家を建てるか決める
- ハウスメーカーまたは工務店と仮契約する
- ハウスメーカーまたは工務店と工事請負契約契約する
- 住宅ローン事前審査を受ける
- ハウスメーカーまたは工務店とオプションなど細かい打ち合わせをする
- 住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 住宅ローンの契約を締結する
- 着工
- 竣工・引き渡し
ハウスメーカーまたは工務店に土地探しを依頼して、家を建てる場合
ハウスメーカーは、さまざまなエリアに支店を置いている住宅メーカーのことをいい、土地探しから住宅の建設まで行います。
また、工務店は基本的に地域密着型で設計などの自由度が高いといった特徴を持っています。
ハウスメーカーや工務店に依頼した場合、土地探しの段階でその土地にどんな家なら建てられるかまでわかるため、家を建てるときに予算をオーバーしにくいなどのメリットがあるのが特徴です。
ハウスメーカーまたは工務店に土地探しを依頼して、家を建てる場合の流れ/手順/段取りは以下のようになります。
- 予算を決める
- 土地と建築費用の相場を調べる
- ハウスメーカーまたは工務店に土地探しを依頼する
- 土地の購入を決める
- 買付証明書を提出する
- 住宅ローン事前審査を受ける
- 重要事項の説明を受ける
- 土地売買契約の締結をする
- 住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 住宅ローンの契約を締結する
- 土地の引き渡しをする
- どんな家を建てるか決める
- ハウスメーカーまたは工務店と仮契約する
- ハウスメーカーまたは工務店と工事請負契約契約する
- ハウスメーカーとオプションなど細かい打ち合わせをする
- 着工
- 竣工・引き渡し
土地ありで家を建てる場合
土地ありで家を建てる場合には、土地を探して家を建てる場合と比較すると、手間も時間もお金も必要ありません。
それは、土地探しにかかるすべてのものがかからないためです。
土地ありで家を建てる場合の流れ/手順/段取りは以下のようになります。
- 予算を決める
- 建築費用の相場を調べる
- ハウスメーカーまた工務店を探す
- どんな家を建てるか決める
- ハウスメーカーまたは工務店と仮契約する
- ハウスメーカーまたは工務店と工事請負契約契約する
- 住宅ローン事前審査を受ける
- ハウスメーカーまたは工務店とオプションなど細かい打ち合わせをする
- 住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 住宅ローンの契約を締結する
- 着工
- 竣工・引き渡し
家を建てるタイミング
家を建てるタイミングは、人によって異なるものの、多くの場合、30代前半が適しているといわれています。
30代前半で家を建てるタイミングとして適している理由は以下の3点です。
- 金銭面で安定している
- ライフイベントが発生しやすい
- 住宅ローンの返済の目途が立てやすい
また、30代前半以外で家を建てるタイミングとして適している理由には、以下の2点があります。
- 子どもが独立したとき
- ご近所トラブルなどで引っ越しをしたくなったとき
それでは、家を建てるタイミングは30代前半が適している理由と30代前半以外で家を建てるタイミングとして適している理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
30代前半が適している理由①金銭面で安定している
たいていの場合、22歳で大学を卒業し、新卒採用で会社に入社します。
その後、会社に残る人もいれば、転職して新境地で頑張る人も出てきますが、30代前半には転職などもひと段落してきて、仕事が安定してくる頃だといえるでしょう。
20代の間にしっかり働いていれば、貯金もそれなりに貯まってくるのも30代前半頃です。貯金があれば、家を建てるときの頭金として貯金を充てることもできます。
金銭面で落ち着いてくることは、家を建てる上でかなりよいタイミングであるといえるでしょう。
30代前半が適している理由②ライフイベントが発生しやすい
近年、晩婚化が進んでいますが、30代前半は結婚や出産などのライフイベントが発生しやすい年齢でもあります。
お互いにきちんとした貯金があれば、結婚を期に家を建てて、新居で新婚生活を送る人もいます。
また、子どもが生まれるタイミングで、2人で住んでいる家よりも広い家に引っ越す方も多く、このタイミングでマイホームを建てる方も多い傾向にあります。
そのほか、子どもが小学生になる前までのタイミングで、家を建てる方も多くいます。これは、子どもが転校したり、習い事から遠くなったりしないようにという配慮からです。
その結果、30代前半で家を建てるのはちょうどよいタイミングであるといえるでしょう。
30代前半が適している理由③住宅ローンの返済の目途が立てやすい
家を建てる場合、住宅ローンを契約することがほとんどです。住宅ローンを契約するときには、いつ頃までに住宅ローンを完済するかまでしっかりと決めます。
住宅ローンを完済するのは、住宅ローンを契約してから30~35年ともいわれており、退職金で残っている住宅ローンをすべて完済するのが理想的です。
30代前半以外で適している理由①子どもが独立したとき
子どもが独立した場合、部屋が余ってしまい、物置になってしまうことがよくあります。
子どもたちが時折帰ってくるにしても、普段の生活を送る上で部屋数が多すぎると、掃除が大変であったり、維持する費用がかかってしまったりと問題が起きてしまいがちです。
子どもが独立したタイミングは、今、住んでいる家よりも規模の小さい家や平屋などの家を建てるのに適しています。
30代前半以外で適している理由②ご近所トラブルなどで引っ越しをしたくなったとき
騒音や道路族などのご近所トラブルなどに巻き込まれてしまった場合、いくら注意や勧告をしたところで、改めてもらえないことがあります。
ご近所トラブルを我慢し続けるのは、ストレスも溜まり、場合によっては体調不良を引き起こしてしまうこともあり、とても問題です。
そんなときに、自衛として行えるのが、引っ越しであるといえるでしょう。
引っ越すときには、ご近所トラブルがないかなど、住環境をよく確認した上で土地を購入し、家を建てることで、ご近所トラブルのない落ち着いた環境で生活できます。
家を建てるのに必要な期間
家を建てるときに、すでに土地があるか土地探しから始めるかによって、必要な期間が異なります。
土地がある場合は、土地から探すときと比べて、少しだけ必要な期間が短くなると考えておくとよいでしょう。
以下の表は、家を建てるために必要な期間を一覧にしたものです。
【家を建てるために必要な期間】
家を建てるためにやるべきこと | 家を建てるために必要な期間 |
予算決め
情報収集 |
1~3ヵ月 |
土地探し
ハウスメーカーまたは工務店探し・決定 住宅ローン事前申請 |
3~6ヵ月 |
売買契約
住宅ローン本申請 |
2~6ヵ月 |
間取りなどの決定
ハウスメーカーまたは工務店と打ち合わせ |
3~10ヵ月 |
工事 | 3~6ヵ月 |
竣工
引き渡し 引っ越し |
1ヵ月 |
このように、家を建てるために必要な期間は、上記の表で見た場合、最短であれば、1年1ヵ月程度です。最長であれば、2年8ヵ月です。
家を建てるときに、土地探しが難航してしまうと、最長の2年8ヵ月以上かかってしまうこともあります。
家を建てるときには、どの項目にどの程度の時間を割くかをあらかじめ決めて進めることが大切ではあります。
しかし、後悔しないように自分の納得がいくまで時間をかけたいのであれは、時間に余裕を持って、家を建てるようにするとよいでしょう。
家を建てるのに必要な期間を目安として、家を建てるのに必要なことをひとつずつクリアしていくことで、スムーズに家を建てられます。
家を建てる前に知っておくべきこと まとめ
家を建てる前に知っておくべきことには、たくさんのことがあります。それは、費用のことをはじめ、家を建てるために必要な期間や家を建てるタイミングなど、多岐に渡ります。
また、土地があらかじめあって家を建てるのか、土地探しから始めて家を建てるのかによっても、必要な工程やかかる時間、費用が変わってくるため、自分がどのパターンで家を建てるのかを最初に確認しなければなりません。
そして、家を建てる上で切っても切れないのが、お金の問題です。家を建てるには、土地の費用と建物の費用だけではなく、こまごまとした費用がたくさんかかります。
家を建てるときには、予算を決めますが、このときに必要な費用をすべて確認して、予算が足りなくなってしまうことがないように気をつけましょう。