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土地の値引き500万は交渉可能?コツやタイミングと注意点を解説

土地を購入するときに気になる土地の価格ですが、言い値が高いと感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。意外にも土地の値引き交渉が可能であることは、あまり周知されていません。

土地を購入する場合、土地の値引き交渉は可能なのですが、土地の値引き交渉にはさまざまなルールが存在しています。土地の値引き交渉のやり方を知っていれば、とてもスムーズに値引き交渉をすることが可能です。

この記事では、土地の値引き500万は可能であるかをはじめ、土地の値引き範囲、土地の値引き交渉のコツ、土地の値引き交渉のタイミング、土地の値引き交渉の注意点について、詳しくご紹介いたします。

土地の値引き500万は可能?

土地を購入するときに一番気になることは、その土地がいくらするかでしょう。お気に入りの土地が見つかったものの、予算オーバーで購入を見送らなければならないのは、とても残念なことです。

ですが、土地の値引きができるとすれば話は変わってきます。土地の値引き交渉をすることで、購入を見送らなければならなかった土地を購入できる可能性が出てくるからです。

まず、土地の値引き交渉500万円は、その土地がいくらで販売されていたかによっては可能です。

なぜ、土地の値引き交渉は土地の元の価格によって500万円まで可能なのでしょうか?これは土地の価格によって、値引きできる価格が異なるためです。

では、土地の値引き交渉は一体いくらまで、問題がないのでしょうか?土地の値引き交渉が一体いくらまで、問題がないのかは、後述する「土地の値引き範囲」で詳しくご紹介いたします。

土地の値引き範囲

土地には、そもそも、定価という概念がありません。どんな土地にどのような値段をつけても問題がないということです。そのため、土地を購入するときには、値引き交渉をすることが可能でもあります。

また、値引き交渉をされるものだと考えて、価格を設定していることもあるため、値引き交渉をしていいのか悩んでいる場合でも遠慮なく、値引き交渉をして問題はないでしょう。

土地の値引き交渉ができる範囲は、土地の価格の10%程度だといわれています。たとえば、2,000万円の土地であれば200万円が土地の値引き交渉で値引きしてもらえる価格になります。

そのため、先述した「土地の値引き500万は可能?」で500万円の土地の値引きが可能だというのは、土地の価格が5,000万円だった場合です。

土地の値引き交渉できる範囲は、土地の相場によって異なるって本当?

土地にはそれぞれ、その土地の相場があります。

たとえば、土地の相場が5,000万円だった場合、土地の売却価格が5,000万円であれば、値引きができません。これはその土地の相場が、5,000万円だからです。

ですが、土地の相場が5,000万円だった場合、土地の売却価格が6,000万円であれば、値引きは土地の売却価格の10%である600万円が可能になるということです。

これは、6,000万円から600万円を引いても、5,400万円となり、土地の相場と大きくかけ離れていないためです。土地の値引き交渉ができる範囲は、土地の価格設定が土地の相場に対して、どのようにつけられているかによるところが大きいといえるでしょう。

また、土地の値引きの範囲は10%程度ではあるものの、実際の値引きは50万円程度であることも珍しくはありません。

もちろん、土地によって値引き交渉をしても値引きしてもらえないことはあります。ですが、値引き交渉をせずに言い値で購入するよりは、値引き交渉をして、納得のいく価格で購入できるのが理想的であるといえるでしょう。

土地の値引き交渉のコツ

土地の値引き交渉をする際に値引きしてもらえるのは、「土地の値引き範囲」で先述したとおり、土地の価格の10%程度です。ですが、やみくもに、土地の価格から10%程度値引きをしてほしいと言うのは、値引き交渉ではなく、要求をただ伝えているだけです。

土地の値引き交渉をしたい場合には、土地の値引き交渉に必要なコツをしっかりと押さえておくことが大切です。

土地の値引き交渉のコツには、以下の12点があります。

  • 土地には価格の決まりがない
  • 売りに出されている土地は、値引き交渉を前提として価格が設定されている
  • 交渉のタイミングをきちんと読む
  • 土地の相場からかけ離れた価格で交渉しない
  • 値引き交渉をするときに上から目線な言い方をしない
  • 値引き交渉をしてしまうと、言い値で購入したい人が出てきたら買えなくなる
  • 売主も不動産仲介業者も土地が売れないことは、避けたいことだと理解しておく
  • 土地の値引き交渉をしたら、仲介手数料の値引き交渉は諦める
  • 値引き交渉が向いている土地がある
  • 土地の値引きがされなくても購入できるだけのお金を用意しておく
  • 売主と会う機会をつくる
  • 購入の意思をしっかりと伝える

それでは、土地の値引き交渉のコツについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

土地には価格の決まりがない

土地には相場はあるものの、定価はありません。そのため、どんな価格で売っても問題がないという特徴があります。

もちろん、相場からかけ離れている場合には、適切な価格で売られることが望ましいです。ですから、土地の売却価格が相場より高ければ、土地の値引き交渉は成功する確率が高く、売却価格が相場であれば、土地の値引き交渉は失敗する可能性があるということでもあります。

ただその土地にどのような事情があるかまでは売却価格ではわかりません。早く手放したい土地であれば、土地の値引き交渉をしても応じてもらえる可能性はあります。
土地の価格には定価がないため、自由に値引きができるといったことを知っておくのが、コツのひとつであるといえるでしょう。

売りに出されている土地は、値引き交渉を前提として価格が設定されている

売りに出されている土地の中には、土地の値引き交渉をされる前提で価格設定をしているものがあります。その場合、土地の相場からかけ離れていることもあるでしょうし、相場からかけ離れていないものの、やや高めに価格が設定されていることもあるでしょう。

土地の値引き交渉をされる前提で価格設定されている土地の場合は、土地の値引き交渉をしても問題はありませんし、値引き交渉が成功する確率も高いはずです。
土地の値引き交渉をするときには、売却価格に注目するのもひとつの方法としてよいでしょう。

交渉のタイミングをきちんと読む

土地の値引き交渉には、タイミングが重要です。安く土地を買いたいからといって、不動産仲介業者に、いつでも値引き交渉をしていいわけではありません。ましてや、売主に直接土地の値引き交渉をするのは悪手です。

土地の値引き交渉をする場合には、購入申込書を書くタイミングで行いましょう。

また、土地が売りに出されたタイミングも重要です。土地が売りに出されてすぐの場合、土地の値引き交渉は上手くいかないケースがほとんどです。これは、売り出したところだと、もう少し時間をおけば、言い値で購入してくれる買主が現れる可能性があると売主や不動産仲介業者側が思うことに原因があります。

そのため、土地の値引き交渉をしたい場合には、売りに出されてすぐの土地を避けるようにしましょう。

土地の相場からかけ離れた価格を提示しない

土地には定価はありませんが、相場があります。土地の売り出し価格は基本的に相場になっていることがほとんどです。

土地の値引き交渉は、土地の売却価格の10%程度まではできますが、10%も値引きをしてもらうと、相場から大きく価格が下がってしまっている場合には提示価格を調整する必要があります。

土地の値引き交渉は、土地の売却価格の10%程度までOKであるだけで、8%でも5%でも問題はありません。常識の範囲内で、土地の値引き交渉をするようにしましょう。

値引き交渉をするときに上から目線な言い方をしない

値引き交渉をするときに、買う側が偉いなどといった思い違いはしないようにしましょう。

時折、「●●円にしてくれないなら買わない」といった高圧的な物言いをしてしまう人がいます。ですが、そんな言い方をされて気分のいい人などはいません。

土地の値引き交渉をする際には、相手に失礼のないように丁寧に対応することが大切です。

値引き交渉をしてしまうと、言い値で購入したい人が出てきたら買えなくなる

土地の値引き交渉をしている間に、言い値で購入したいという人が出てきたら、その土地を購入することはできません。なぜなら、言い値で購入してくれる方が利益は大きいからです。

購入したい土地にほかにも希望者がいる場合には、よく状況を見て、値引き交渉をすることが重要です。どうしても欲しい土地の場合には、値引き交渉を優先するのか、土地の購入を優先するのかは難しいところでしょう。

値引き交渉をするときには、言い値で購入する人が現れる状況になることも想定しておく必要があります。

売主も不動産仲介業者も土地が売れないことは、避けたいことだと理解しておく

土地を売りに出して、売主も不動産仲介業者も一番困ることは、土地が売れないことです。

売れ残ってしまうよりも値引き交渉に応じて、売ってしまった方がいいと考える売主や不動産仲介業者はいます。

値引き交渉をしたい土地が、売れ残っている土地なのか、それとも売りに出されたばかりの土地なのかなど、どういった土地であるかをリサーチしておくのは大切です。

土地の値引き交渉をしたら、仲介手数料の値引き交渉は諦める

土地の値引き交渉をするということは、売主も不動産仲介業者も値引きに応じたら、利益が減るということです。その上で、仲介手数料の値引き交渉もしてしまうと、不動産仲介業者の利益はさらに減ってしまいます。

仲介手数料の値引き交渉をしたいのであれば、土地の値引き交渉をするべきではありませんし、土地の値引き交渉を成功させたいのであれば、仲介手数料の値引き交渉をするべきではありません。

土地を購入するときには、土地の値引き交渉か仲介手数料の値引き交渉のどちらか一方だけにするようにしましょう。

値引き交渉が向いている土地がある

値引き交渉すれば、どんな土地でも値引きがされるというわけではありません。最初から相場通りの価格設定にしていれば、それ以上値下がる可能性は少ないですし、別の理由で値引きがされないこともあるでしょう。

ですが、値引き交渉が向いている土地があるのもまた事実です。

値引き交渉に向いている土地には、以下の4点があります。

  • 土地を早く売ってしまいたいケース
  • 主が土地の価値を理解していないケース
  • 土地の条件が決まっているケース
  • 心理的瑕疵のあるケース

それでは、値引き交渉が向いている土地について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

土地を早く売ってしまいたいケース

土地を早く売ってしまいたいケースには、2つの理由があります。

1つ目は「土地がなかなか売れずに困っているケース」です。土地を売りに出したものの、なかなか売れる気配がなく、売主が困っている場合は値引きしてでも早く売ってしまいたいと考えていることがあります。特に売りに出してから1年以上経っている土地がこれにあたります。

2つ目は「土地を早く手放したいケース」です。土地から離れる予定があったり、親から土地を相続したものの、住んでいる場所が遠く、さっさと売ってしまいたい場合に該当します。土地の使用をする予定がない場合も土地を早く手放したい傾向にあります。

このように、土地を早く売ってしまいたいケースでは、土地の値引きをしてもらいやすくなるので、その土地がどんな土地であるかを知っておくことは重要です。

売主が土地の価値を理解していないケース

売主が土地の価値をわかっていないケースだと、値引き交渉したときに応じてもらいやすい傾向にあります。

土地の価値がわかっていないだけでなく、早く売ってしまいたいという気持ちがある場合は、さらに値引き交渉に応じてもらいやすいでしょう。

土地の条件が決まっているケース

土地には自由に使える土地と使い方が決まっている条件のある土地があります。条件がある土地というのは、住宅を建てる際にどこのハウスメーカーに依頼するかが決まっているものなどを指します。

条件のある土地は基本的に安い傾向にあるものの、ハウスメーカーなどが指定されているので、最終的に住宅を建てるのにかかった費用の総額が高額になることも少なくないので注意が必要です。

心理的瑕疵のあるケース

土地に心理的瑕疵があるケースだと、土地の値引き交渉がしやすい傾向にあります。

土地の心理的瑕疵とは、以下のようなケースをいいます。

  • 事故が起きた土地である
  • 事件(他殺など)が起きた土地である
  • 火災が起きたことがある
  • 自殺が見つかったことがある
  • 孤独死が見つかったことがある
  • 近くに墓地がある
  • 近くに指定暴力団構成員が住んでいる

このような場合は、心理的瑕疵があるため、売れ残りやすく、土地の値引き交渉に対応してもらえる可能性が高くなります。

土地の値引きがされなくても購入可能なお金を用意しておく

土地の値引きがされなくても購入可能なお金を用意しておくことも大切です。

土地の値引き交渉が上手くいった後に、資金繰りが上手くいかないと心象が悪くなってしまいますし、値引き交渉が上手くいかなかったとしてもきちんと支払うだけの能力があることを売主や不動産仲介業者に示しておくことは信頼面でも重要です。

売主と会う機会をつくる

基本的に土地の値引き交渉は、不動産仲介業者と行います。そのため、土地の売主と会うことはありません。ですが、土地の詳細を知りたいという話で売主と会う機会がつくれれば、土地の値引き交渉の風向きが変わる可能性があります。

売主に会うときには、土地の値引き交渉の話はせず、土地についてだけ聞くようにしましょう。土地の値引き交渉をするときは、買主と不動産仲介業者が行いますが、その後で土地値引き交渉に応じるかについて、不動産仲介業者と売主が話し合いを持ちます。

一度売主と会っていることで、心象が悪くなければ、不動産仲介業者と値引き交渉をする際に売主が値下げに応じてくれる可能性が上がることがあります。

土地の値引き交渉のタイミング

土地の値引き交渉には、押さえておきたいポイントのひとつとして、土地の値引き交渉をするときのタイミングがあります。

土地の値引き交渉のコツを理解したら、次は土地の交渉のタイミングをきちんと押さえておきましょう。

土地の値引き交渉のタイミングは、「購入申込書に記入するとき」です。

土地の値引き交渉をするタイミングで記入する「購入申込書」は、正式には「不動産購入申込書」といいます。

購入申込書には、以下の15点を記載します。

  • 売主の名前
  • 記入した日
  • 買主の住所
  • 買主の氏名
  • 売買価格(購入条件として)
  • 手付金(購入条件として)
  • 第一回内金(購入条件として)
  • 第二回内金(購入条件として)
  • 残代金(購入条件として)
  • 住宅ローン等の利用の有無(利用がある場合は金額)
  • 備考欄
  • 不動産の所在地番
  • 不動産の家屋番号
  • 不動産の建物の名称
  • 不動産の土地面積

これらを記入するわけですが、売買価格のところに、土地の購入希望代金を記入します。

売買価格に記入するのは、最高でも土地の価格の10%値引きされた金額です。10%以上の値引きした価格を記入しても交渉が上手くいくことはまずないでしょう。

また、売買価格には値引きされた土地の金額を記入しますが、相場から離れた金額を書いても交渉が上手くいくことは可能性として低いです。

購入申込書の売買価格には、常識の範囲内で希望する土地の価格を書くようにしましょう。

土地の値引き交渉の注意点

土地の値引き交渉をする場合、さまざまな知識を持っていることが重要であることは、ここまでお伝えしてきた通りです。

土地の値引き交渉は、さまざまなことに気を付けながら進めていく必要があります。

土地の値引き交渉の注意点には、以下の3点があります。

  • 売主によって、土地の値引き交渉自体を振り出しに戻される
  • 土地の値引き交渉をするときは、土地の相場を事前にリサーチしておく
  • 土地の値引き交渉を売主とするのはNG

それでは、土地の値引き交渉の注意点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

売主によって、土地の値引き交渉自体を振り出しに戻される

売主から見れば、言い値で購入してくれる買主の方が利益が取れるため、選びたくなるのは当たり前のことです。

土地の値引き交渉が成功して、購入したかった土地を買えることになっていた場合でも、正式な契約をしていなければ、言い値で買ってくれる人が現れたら、そちらに売ってしまうことはあり得ます。

このやり方は不服かもしれませんが、違法性はありません。この場合、値引きされた価格ではなく、言い値で購入する旨を伝えると、購入できることもあるので、土地の購入を考えているときには、土地の値引き後の金額ではなく、言い値の金額を用意しておくことが大切です。

土地の値引き交渉をするときは、土地の相場を事前にリサーチしておく

土地の値引き交渉をするときは、土地の売却価格の10%程度までの値引きが可能なことだけでなく、土地の相場を理解しておくことが大切です。

土地の相場は、以下の4つの方法で調べることができます。

  • 公示価格
  • 相続税路線価
  • 実勢価格
  • 固定資産税評価額

これらから、土地の相場を調べて、売りに出されている土地が相場からかけ離れている価格なのか、適切な価格なのかを知ることができます。

土地の値引き交渉を売主とするのはNG

もしかしたら、土地を売りに出している売主とも、土地の値引き交渉ができるといったイメージがあるかもしれません。

ですが、土地の値引き交渉ができるのは、不動産仲介業者のみです。売主に会う機会があったとしても、直接土地の値引き交渉をするのはやめましょう。

まとめ:土地の値引き500万円は本当にできる?

住宅を建てるには、まず土地を購入しなければなりません。土地は決して安くないため、可能な限り、値引きしてもらいたいと思う方も多いのではないでしょうか?

土地を購入するときは、値引き交渉も選択肢のひとつとして選ぶことができます。ただし、売却価格の10%程度までが値引きしてもらえるパーセンテージであるため、5,000万円の土地だとしたら、500万円の値引きが可能になります。

もちろん、500万円の値引きは値引き交渉が成功した場合であり、多くの場合、値引き交渉で値引いてもらえる価格は50万円程度であるともいわれています。購入しようとしている土地がどういった事情の土地なのかによって、値引き交渉の成否は変わってきます。

土地の値引き交渉を成功させたければ、値引き交渉に関わる知識をしっかりとつけ、「何をしてはいけないのか」や「どうすれば相手の心象をよくできるのか」、「事前リサーチではどんなことをすべきなのか」について、よく調べておく必要があるでしょう。

土地の値引き交渉は、ただ土地の価格を下げるために希望価格を言えばいいだけではありません。土地の値引き交渉をしたければ、さまざまな観点から見ることが大切です。