建売住宅を購入したいと考えたときに、気になるのは販売価格ではないでしょうか?
ですが、建売住宅を購入するには、販売価格以外にも諸費用に思いのほか、お金がかかります。諸費用にはさまざまありますが、その中には仲介手数料も入っています。仲介手数料に上限はあるものの、下限はないという特徴があるので少し特殊なものだといえるでしょう。
この記事では、建売物件の仲介手数料の相場をはじめ、建売の仲介手数料を払いたくない場合に無料にする方法、建売の仲介手数料の値引き交渉、建売の仲介手数料のデメリット、建売の仲介手数料に関するトラブル、建売の仲介手数料に関する注意点について、詳しくご紹介いたします。
建売物件の仲介手数料の相場
建売住宅を購入するときに必要となってくるのが諸費用です。仲介手数料も建売住宅を購入する際の諸費用のうちのひとつに含まれています。
建売住宅の諸費用には、まず上限が「(販売価格の3%+6万円)+消費税」と決められています。
また、建売物件の仲介手数料については、「宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)」の「(報酬)第四十六条」によって、以下のように定められています。
(報酬)
第四十六条 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3 国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
<引用:「宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)」の「(報酬)第四十六条」>
このような決まり事があり、建売住宅の仲介手数料は、以下の計算式によって計算されます。
- 販売価格が200万円以下の場合……販売価格の5%+消費税
- 販売価格が200万円を超えて400万円以下の場合……(販売価格の4%+2万円)+消費税
- 販売価格が400万円超の場合……(販売価格の3%+6万円)+消費税
そのため、建売住宅の仲介手数料の相場は、この計算式に則って計算された額ということになります。
基本的に建売住宅は400万円を超えるので、「(販売価格の3%+6万円)+消費税」が適用されることになるでしょう。
建売の仲介手数料を払いたくない!無料にする方法とは?
そもそも、建売住宅の仲介手数料は、地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)で上限は決まっているものの、下限は決められていません。そのため、仲介手数料を無料にすることも可能です。
ただし、仲介手数料を無料にするということは、仲介業者の売り上げが減るということでもあります。簡単に無料にはしてもらえないでしょう。
ですが、最近では、仲介手数料無料をうたっている仲介業者も増えてきています。仲介手数料を交渉して無料にすることが難しければ、最初から仲介手数料無料の仲介業者に依頼するのがよいでしょう。
仲介手数料を無料にする方法は、最初から仲介手数料が無料の仲介業者に依頼する方法であるともいえます。
また、仲介業者が不要な場合も仲介手数料が無料になることがあります。たとえば、建売住宅の売主がハウスメーカーなどである場合です。自社で扱っている建売住宅であるため、仲介手数料が発生しません。仲介手数料を無料にしたい場合には、そういった建売住宅を購入するのもひとつの方法でしょう。
建売の仲介手数料の値引き交渉
建売住宅の仲介手数料は、上限はあるものの、下限は決められていません。ですから、極端な話、建売住宅の仲介手数料は値引きすることも無料にすることもできます。
建売住宅の仲介手数料の値引き交渉をしたい場合には、仲介手数料には上限が決められていますから、上限から仲介手数料を下げるための交渉はできるでしょう。
ただし、交渉をしたからといって、仲介手数料を下げてもらえるとは限りません。なぜなら、仲介手数料には上限しか決まっておらず、仲介手数料をいくらにするかは仲介業者が自由に決められるためです。
上手に値引き交渉ができれば、仲介手数料の値引きをしてもらえることもあります。ですが、実際、仲介手数料の値引きは難しく、成功する方が珍しいともいえます。
仲介手数料の値引き交渉をするよりも、仲介手数料無料の仲介業者を利用するか、売主がハウスメーカーなどの不動産業者を利用した方がよいでしょう。
建売住宅の仲介手数料の値引き交渉はタイミングが重要って本当?
建売住宅の購入をする際には、買付証明書と呼ばれる購入の意思表示をする申込書を提出します。買付証明書を提出するということは、この建売住宅を買いたいからです。
このタイミングで仲介手数料の値引きを交渉すると上手くいく可能性があります。なぜなら、建売住宅を仲介しているのは、その仲介業者だけではないからです。
建売住宅を販売している場合、その建売住宅を仲介している仲介業者は複数あります。どこの仲介業者に依頼するかは買主の自由です。買主としては、同じ建売住宅を購入するなら、少しでも安いところから買いたいのは当たり前のことでしょう。
それを仲介業者も理解しているため、ほかの仲介業者に乗り換えられないためにも仲介手数料の値引き交渉に応じる可能性があります。
建売の仲介手数料のデメリット
建売住宅の仲介手数料のデメリットは、0円でも問題のないものにも関わらず、上限金額まで支払わなければならない点です。
建売住宅を購入するのは決して小さな額ではないので、仲介手数料だけでも100万円を超えてしまうことは多く、大きな出費となってしまいます。
建売住宅の仲介手数料のデメリットは無料だからこそ生じる?
建売住宅の仲介手数料のデメリットは、仲介手数料を支払うという以外のものは基本的にありません。ですが、建売住宅の仲介手数料のデメリットは無料だからこそ、生じる部分があることはご存じでしょうか?
建売住宅の仲介手数料無料はとても魅力的です。ですが、デメリットも知っておかないと、仲介手数料無料で契約するつもりだったのにできなかったということになりかねません。
ここでは、建売住宅の仲介手数料無料に関するデメリットについて、詳しくご紹介いたします。
建売住宅の仲介手数料無料に関するデメリットには、以下の6点があります。
- 予約が取りにくい
- 必ずしも買いたい建売住宅を仲介していると限らない
- 営業地域が限られている
- 仲介手数料が無料でも別の費用として計上されている
- 内見は基本的に現地集合にされる
- スタッフが育っていない可能性がある
それでは、建売住宅の仲介手数料無料に関するデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
予約が取りにくい
仲介手数料無料の仲介業者は人気があるため、予約がとりにくいことがあります。
最近では、インターネットで事前に相談することも可能な仲介業者も増えてきているので、インターネットから相談をするのもよいでしょう。
必ずしも買いたい建売住宅を仲介していると限らない
建売住宅の場合はすでに建てられている住宅を購入するため、欲しい物件が決まっていることもあるでしょう。
ですが、購入したい建売住宅が仲介手数料無料のサービスをしているとは限りません。
購入したい建売住宅が仲介手数料無料のサービスをしていなければ、仲介手数料を支払う必要があります。
営業地域が限られている
仲介手数料無料の仲介業者に依頼をしようと連絡をしてみても、購入したいエリアが営業地域ではないことがあります。
営業地域でなければ、仲介手数料無料のサービスを受けられないため、断念するしかありません。
仲介手数料が無料でも別の費用として計上されている
建売住宅の仲介手数料が無料なので、安い買い物ができたと喜ぶ方もいることでしょう。
ですが、明細をしっかり見なければ、本当に安い買い物ができたかどうかはわかりません。
仲介手数料を無料にしながら、以下の項目で費用を請求していることがあるからです。
- 事務代行料
- ローン代行料
- 契約書制作費
これらの項目は、無料にした仲介手数料が反映されている可能性があります。これらの項目を見つけたら、どういった内訳なのかを仲介業者に確認するようにしましょう。
内見は基本的に現地集合にされる
建売住宅の内見に行く場合には、基本的に車での送り迎えがあります。
ですが、仲介手数料が無料の仲介業者の場合、経費削減の観点から、内見であったとしても現地集合にされる傾向にあります。
100万円以上はかかるとされる仲介手数料が無料になるため、多少のサービスの低下はやむを得ないと考えるのがよいでしょう。
スタッフが育っていない可能性がある
建売住宅の仲介手数料が無料の仲介業者は人材不足に悩まされているところも少なくありません。予約が取れにくい背景には、人材不足があるとも言われています。
また、スタッフが育っていない背景には、担当しているエリアが広すぎて、適応できていないことがあげられます。スタッフが育っていない場合、建売住宅の仲介手数料に関することだけでなく、購入全般に関わってくるため、注意が必要です。
仲介手数料が無料である点は喜ばしいことではありますが、対応してくれるスタッフが信頼できるかはしっかりと見極めるようにしましょう。
建売の仲介手数料に関するトラブル
建売住宅の仲介手数料に関するトラブルには、さまざまなものがあります。仲介手数料に関しては、仲介手数料が無料の仲介業者以外の場合、支払いの必要があり、場合によって減額交渉をすることになります。
そのため、建売住宅の仲介手数料に関するトラブルについては、どのようなものがあるかをしっかり知っておくことが必要です。建売住宅の仲介手数料に関するトラブルについて知ってさえいれば、大変な思いをする可能性を下げられるでしょう。
建売住宅の仲介手数料に関するトラブルには、以下の4点があります。
- 途中で仲介業者を変更してしまった
- 仲介手数料について何も知らなかった
- 仲介手数料が無料だと思っていたら、建売住宅の価格に反映されていた
- 不要にも関わらず、追加工事を勧められた
それでは、建売住宅の仲介手数料に関するトラブルについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
途中で仲介業者を変更してしまった
基本的に建売住宅は1社が取り扱っているのではなく、数社が取り扱っています。同じ建売住宅であっても、A社の仲介業者もB社の仲介業者も取り扱っているので、そのどちらからでも購入することは可能です。
A社で案内をしてもらっていたものの、B社の方の仲介手数料が安かったため、B社に乗り換えるということもあるでしょう。契約をしていなければ、特に問題はないと考えられますが、A社が黙っていないケースもあります。
途中で仲介業者を変更する場合には、トラブルにならないように変更するようにしましょう。
仲介手数料について何も知らなかった
建売住宅を購入するのであれば、仲介手数料が一体どんなものであるかを知っておくことは大切です。知らずに建売住宅の購入をしようとしてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
建売住宅を購入する場合には、以下のことをしっかり押さえておきましょう。
● 建売住宅の仲介手数料には上限があること
● 建売住宅の仲介手数料には下限がないこと(無料でも問題はないこと)
● 減額交渉できること
● 仲介手数料無料の仲介業者が存在していること
● 仲介手数料の減額交渉をするなら、買付証明書を提出するタイミングがよいこと
これらを知っておけば、建売住宅の仲介手数料で困ることはないでしょう。
また、建売住宅の仲介手数料のトラブルには一体どんな種類のものがあるかも併せて知っておくと、建売住宅の仲介手数料でトラブルに巻き込まれる可能性を低くできるはずです。
仲介手数料が無料だと思っていたら、建売住宅の価格に反映されていた
建売住宅の仲介手数料が無料だと思っていたら、事務代行料、ローン代行料、契約書制作費などとして請求されていることがあります。
その方法と同じように仲介手数料をうたっておきながら、建売住宅の販売価格に転嫁していることがあるので必要です。
建売住宅を取り扱っているのは仲介手数料が無料の仲介業者だけではないはずなので、建売住宅の販売価格に仲介手数料が転嫁されていないか事前に確認するようにしましょう。
追加工事を勧められることがある
建売住宅の仲介手数料を無料にすることで、その分を何かしらの形で回収をしようとする仲介業者もいます。
それが事務代行料、ローン代行料、契約書制作費というケースもありますが、追加工事を勧められることもあります。
仲介業者は追加工事をすることで、仲介手数料が無料の分を回収しようとするためです。必要のない追加工事であれば、きっぱり断ることが大切です。
建売の仲介手数料に関する注意点
建売住宅の仲介手数料に関する注意点は、建売住宅の仲介手数料について、事前知識を持って対応することです。
建売住宅の仲介手数料には、上限があるものの、下限はないため、無料にすることも可能であることを知っておくと、仲介手数料の減額交渉ができたり、仲介手数料が無料の仲介業者を利用したりすることにつながります。
また、仲介手数料が無料の仲介業者を選んだ場合には、デメリットもあることを知っておくことも大切です。デメリットを知っておけば、仲介手数料の無料の仲介業者に依頼するときの指標になります。
建売住宅の仲介手数料は決して安いものではないため、判断を誤らないことが大切ですし、トラブルを回避することも重要です。
まとめ:建売物件の仲介手数料を払いたくない場合の対処法
建売住宅を購入したいと思ったら、諸費用のひとつである仲介手数料にも目を向けることは大切です。建売物件の仲介手数料の相場を知っておくことは、実際に請求される金額に間違いがないかを判断する材料になります。仲介手数料は、上限はあるものの、下限はありません。
そのため、建売の仲介手数料を払いたくない場合に無料にする方法も存在しています。仲介手数料を無料にしたい場合には、仲介手数料が無料の仲介業者に依頼したり、売主が不動産業者の建売住宅を購入したりする方法があります。
建売の仲介手数料の値引き交渉や建売の仲介手数料のデメリット、建売の仲介手数料に関するトラブルについて知っておくことが、建売の仲介手数料に関する注意点となるので、建売住宅を購入する前に確認しておきましょう。