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持ち家のリスクは?賃貸とどっちがいい?デメリットや生涯コスト・老後を比較!

持ち家を購入するときには、そのメリットに目が行きがちです。ですが、持ち家を購入することにはリスクも存在しているため、リスクをきちんと知らずに購入してしまうと、後悔の原因になってしまうことがあります。

この記事では、持ち家のリスクにはどんなリスクがあるのかをはじめ、賃貸物件と持ち家のリスクの比較、老後における持ち家のリスクや持ち家のメリットとリスクを取る価値、持ち家と賃貸物件の生涯コストの比較について、それぞれ詳しくご紹介いたします。

持ち家のリスクとは?

持ち家を購入しようと思ったときに気になることのひとつとして、持ち家にどんなリスクがあるのか、ということがあるでしょう。持ち家は賃貸物件とはさまざまな点が異なり、購入にも大きなお金が動くため、慎重にならざるを得ません。

購入してしまってから、こんなはずではなかったと後悔してしまったとしても、購入する前の状態に何も元には戻せないからです。持ち家を購入する場合は、持ち家のリスクを正しく理解することが大切であるといえるでしょう。

持ち家のリスクには、以下の8点があります。

  • 初期費用がかかる
  • 簡単に引っ越しができない
  • ライフスタイルの変化に対応しづらい
  • 定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をしなければならない
  • 固定資産税や都市計画税などの税金の支払いをしなければならない
  • 住宅ローンが途中で支払えなくなる可能性がある
  • 手放さなければならなくなったときにオーバーローンになる可能性がある
  • 資産価値が下がる可能性がある

それでは、持ち家のリスクについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

初期費用がかかる

持ち家を購入する場合、さまざまな初期費用が必要です。初期費用には、頭金や手付金など、高額なものがたくさんあります。これらの初期費用は諸費用とも呼ばれて、売買契約時など決まったタイミングで支払わなければなりません。

初期費用はキャッシュで支払わなければならないことも多いため、貯金がなければ、持ち家の購入は難しいといえるでしょう。多額の貯金が減るという点で、初期費用がかかるのはリスクであるといえます。

簡単に引っ越しができない

持ち家を購入してしまうと、簡単に引っ越しはできません。

たとえば、勤務先が変わったり、子どもの学校や習い事の近くに住みたかったり、ご近所トラブルが発生したりして、住んでいる場所から離れたいと思ったときに、賃貸物件なら次の部屋を見つけさえすれば引っ越すことが可能です。

ですが、持ち家を購入してしまった場合、引っ越しが容易ではないため、その土地を離れたいと思っても離れられないといったリスクがあります。

ライフスタイルの変化に対応しづらい

生活をしていると、ライフスタイルが変化することがあります。転職したり、子どもが生まれたりするなど、ライフスタイルの変化はさまざまですが、ライフスタイルが変化することで、広い家に住み替えたいと思うこともあるでしょう。

持ち家のまま、リフォームをして対処できる場合はいいですが、リフォームでは対応しきれないこともあります。

その場合は、住み替えが一番手っ取り早い方法となるでしょう。ですが、持ち家を購入していると、安易に住み替えはできません。環境が変わったときに対応できないという点で、持ち家はリスクになるといえるでしょう。

定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をしなければならない

持ち家を購入したら、定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)が必要です。これらは家を維持するために行います。定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をするということは、それなりに費用がかかるものなので、積み立てが必要となり、その度に費用を支払わなければなりません。

また、家を建ててから時間が経てば経つほど、定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)にかかる費用は増えていきます。家を維持するために必要な定期的な点検やメンテナンス(修理・リフォーム)はお金がかかるという点でリスクであるといえます。

固定資産税や都市計画税などの税金の支払いをしなければならない

持ち家の場合は、固定資産税や都市計画税などの税金の支払いをしなければなりません。これらの税金は毎年支払わなければならず、その分の積み立てが必要です。

賃貸物件の場合は必要のない税金であるため、毎年支払わなければならないのは、預貯金が減るという点ではリスクであるといえるでしょう。

住宅ローンが途中で支払えなくなる可能性がある

住宅ローンを契約する場合、団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が大病をしてしまったり、亡くなったりしたときに、住宅ローンの支払いが免除されるといった保険です。

そのため、住宅ローンの契約者が団体信用生命保険に加入してさえいれば、大病や病気で住宅ローンが支払えなくなったとしても、持ち家を売却して家から出ていかなければならないということはありません。ですが、転職をして年収が減ってしまったり、働けなくなって退職してしまい、収入が途絶えたりしてしまった場合、住宅ローンが途中で支払えなくなる可能性があります。

住宅ローンの毎月の支払いを減額する方法もありますが、最終的に住宅ローンが支払えなくなってしまった場合には、持ち家を売却する以外の方法はありません。そのため、住宅ローンが途中で支払えなくなり、完済できず、資産にできないといったリスクが持ち家にはあります。

手放さなければならなくなったときにオーバーローンになる可能性がある

住宅ローンが途中で支払えなくなったり、引っ越しをしなければならなくなってしまったり、離婚して持ち家を手放さなければならなくなったりしたときに、持ち家を売却をすることもあるでしょう。

持ち家を売却をする際に、住宅ローンの残りの借入額よりも持ち家を売却する際の金額が大きければ問題はないのですが、住宅ローンの残りの借入額が持ち家を売却する際の金額よりも大きくなった場合、オーバーローンという状態になってしまいます。

オーバーローンになってしまった場合、残りの住宅ローンは預貯金などで支払う必要がでてきます。預貯金で支払いができない場合には、住み替えローンや無担保ローンを利用するといった方法がありますが、負債はそのままなので注意が必要です。

持ち家を購入した場合には、住宅ローンの返済途中で持ち家を売却しなければならなくなったときに、オーバーローンになってしまうというリスクがあります。

資産価値が下がる可能性がある

持ち家は年数が経っても、購入したときと同じ資産価値があるとは限りません。災害などで資産価値が下がることもあります。持ち家を売却したいと考えていたり、子どもに資産として残して相続させたいと思っていたりした場合でも、自分が思っている通りの価値がないといった可能性があるというリスクがあるので注意が必要です。

土地の資産価値が気になった場合には、国土交通省の「土地総合情報システム」の「地価公示都道府県地価調査」で調べることができます。

持ち家の土地の資産価値が知りたい場合には、確認するとよいでしょう。

賃貸と持ち家のリスクを比較

賃貸物件と持ち家には、それぞれ異なったリスクが存在しています。賃貸物件と持ち家のリスクはそれぞれ異なっているため、しっかりと知っておかなければ、どちらかを選択したときに後悔する可能性があります。

以下は賃貸物件と持ち家のリスクを比較した一覧表です。

【賃貸物件と持ち家のリスクの比較一覧】

リスク内容 賃貸物件 持ち家
初期費用 【×】

かからない

【〇】

頭金や手付金などの諸費用がかかる

必ず支払わなければならないものが多く、貯金が減る

敷金・礼金 【〇】

入居時に必要

【×】

必要がない

更新料 【〇】

2年に1回支払う

【×】

支払う必要がない

引っ越し 【×】

いつでも出来る

騒音問題やご近所トラブル、災害があっても、すぐに引っ越すことが可能

【〇】

簡単にはできない

騒音問題やご近所トラブル、災害があっても引っ越せない可能性が高い

住宅ローン 【×】

なし

【〇】

毎月の支払いがある

途中で支払えなくなる可能性がある

ライフスタイルの変化の対応 【×】

家族が増えたり、勤務先が変わったときに、住む広さや住む場所を自由に変えられる

【〇】

家族が増えたり、勤務先が変わったときにすぐには対応できない

リフォームなどでの対応は可能

DIY 【〇】

DIY自体は可能だが、部屋を返すときに最初に借りた状態に戻す原状回復をしなければならない

【×】

自由にできる

定期的な点検 【×】

特に必要なし

【〇】

自費で行わなければならないし、そのための貯金が必要

定期的なメンテナンス(修理・リフォーム) 【×】

大家さんが対応してくれる

【〇】

自費で行わなければならないし、そのための貯金が必要

固定資産税や都市計画税などの税金の支払い 【×】

支払いの必要なし

【〇】

毎年支払わなければならない

資産 【〇】

いくら家賃を支払っても、資産にならない

【〇】

住宅ローンを完済したら資産にはなるが、資産価値が下がる可能性がある

建て替え 【〇】

自分のタイミングで建て替えられず、家を出ていかなければならない可能性がある

【△】

費用はかかるが、自分のタイミングで建て替えをすることができる

売却 【△】

資産ではないので、売却ができない

【〇】

好きなときに売却ができる

ただし、希望通りの金額で売却できるとは限らない

売却に時間がかかることもある

手放すタイミング 【×】

自由なタイミングで引っ越せる

【〇】

住宅ローンが支払えなくなったら手放さなければならない

オーバーローン 【×】

住宅ローンを契約していない

【〇】

手放さなければならなくなったタイミングによっては、オーバーローンになる可能性がある

老後 【〇】

高齢になったときに、家を借りられない可能性がある

【〇】

2階建てや3階建ての場合は、上り下りがつらくなる

バリアフリー 【〇】

バリアフリーになっていないことがほとんど

バリアフリーの物件を探すのが難しい

【×】

バリアフリーで建てることが可能

このように、賃貸物件と持ち家にはそれぞれ異なったリスクがあるため、家に住むことによるすべてのリスクを避けることはできません。持ち家を購入するにしても、賃貸物件に住み続けるにしてもどのリスクを取るかが重要になります。

老後における持ち家のリスクについて

持ち家のリスクには老後にフォーカスしたものもあります。老後における持ち家のリスクには、老後ならではの問題点が多くあり、解決しづらいものも多いです。

これらのリスクを知っておくことは、持ち家を購入した後に後悔しないためには重要であるといえるでしょう。

老後における持ち家のリスクには、以下の5点があります。

  • 定年退職前に住宅ローンの支払いが終わっていない場合、住宅ローンの支払いが難しくなるケースがある
  • 介護施設に入居しなければならず、住み続けられない可能性がある
  • 2階建てや3階建ての場合、年齢を重ねていくと上り下りがつらくなる可能性がある
  • 家が建ってから長時間経っているため、メンテナンス(修理・リフォーム)の費用が高額になる傾向がある
  • 売却や賃貸に出すときに負担が大きくなる

それでは、老後における持ち家のリスクについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

定年退職前に住宅ローンの支払いが終わっていない場合、住宅ローンの支払いが難しくなるケースがある

基本的に住宅ローンは定年退職前に支払いが終わるように契約します。定年退職前に住宅ローンの支払いが終わらない契約の場合には、ボーナス払いや繰り上げ返済、退職金での支払いをして定年退職と同時に住宅ローンの支払いが終わるようにするのが理想です。

ですが、何かしらの理由で定年退職前に住宅ローンが完済できなかった場合、定年退職後にも住宅ローンを支払うことになります。定年退職後の場合、年収が下がったり、収入が年金だけになってしまったりして、住宅ローンの支払いが厳しくなってしまうといったリスクがあります。

介護施設に入居しなければならず、住み続けられない可能性がある

せっかく、持ち家を購入して、老後を家で楽しく過ごそうと思っていても、介護が必要な状態になってしまったら、介護施設に入居しなければならない可能性があります。

介護施設に入居してしまった場合には、家に住むことはできないので、家に住み続けられないといったリスクがあります。

2階建てや3階建ての場合、年齢を重ねていくと上り下りがつらくなる可能性がある

2階建てや3階建ての場合、年齢を重ねていくと足腰が弱ってしまい、階段の上り下りがつらくなってしまうことがあります。

平屋であれば、階段の上り下りはなく、老後も安心して生活ができますが、多くの場合、平屋を建てるだけの土地を確保することは難しく、2階建てや3階建てになってしまうことでしょう。

2階建てや3階建てで階段の上り下りがつらくなってしまった場合の解決方法としては、手すりをつけるなどのリフォームで対応はできますが、階段の上り下り自体ができなくなってしまうと、生活するのが難しくなるといったリスクがあります。

家が建ってから長時間経っているため、メンテナンス(修理・リフォーム)の費用が高額になる傾向がある

老後に持ち家に住んでいる場合、すでに35~60年程度経っている可能性があります。家は経年劣化していくものなので、メンテナンス(修理・リフォーム)は絶対に必要です。

また、家が建ってから長期間経っているため、メンテナンス(修理・リフォーム)も大幅に行わなれければならないことが多く、費用も高額になる傾向にあります。

持ち家は長期間経つと、メンテナンス(修理・リフォーム)の費用が嵩むといったリスクがあるので注意しましょう。

売却や賃貸に出すときに負担が大きくなる

持ち家を売却したり、賃貸に出したりするのは、決して簡単なことではありません。

時間や手間がかかるため、負担は大きい傾向にあります。

老後に持ち家を持っていて、子どもと同居をしたり、介護施設に入ったりするために、持ち家を手放すことになった場合、手間などの負担が大きいといったリスクがあるので注意しましょう。

持ち家のメリットは?リスクを取る価値があるのか?

持ち家にはリスクもありますが、メリットも数多くあります。持ち家のメリットとリスクの両方を知っておかなければ、持ち家を購入した方がいいのかという総合的な判断はできません。

持ち家のメリットには、以下の8点があります。

  • 賃貸物件の家賃と同等の住宅ローンを支払った場合、設備のグレードが賃貸物件よりも高い
  • 賃貸物件と比較して、騒音が聞こえないので静かに過ごせる
  • 間取りの自由度が高い
  • 外観や設備の自由度が高い
  • DIYやリフォームを自由にできる
  • 資産になる
  • 住宅ローンを完済した後にかかる費用が少ない
  • 家が古くなった場合、建て替えができる

このように、快適な生活を送れるメリットが持ち家にはたくさんあります。持ち家があることで、生活の自由度が高くなるのはかなりのメリットであるといえるでしょう。

また、費用面では、住宅ローンの支払いが大変ではありますが、住宅ローンを完済した後にはメリットしかありません。

持ち家と賃貸の生涯コストを比較

持ち家と賃貸物件の生涯コストは、持ち家の購入価格や賃貸物件の家賃によって大きく異なります。持ち家の初期費用は頭金や手付金などさまざまなものがあり、高額になる傾向にあります。

対して、賃貸物件の場合の初期費用は、敷金礼金と1ヵ月分の家賃のみです。そのため、初期費用は持ち家の方がかかりますが、生涯コストとして考えた場合には、初期費用を上回るランニングコストが賃貸物件の方がかかってしまうため、生涯コストがかかるのは賃貸物件となってしまいます。

また、生涯コストだけに目を向けるのではなく、コストをかけた結果、資産になるかならないかも大きなポイントであるといえるでしょう。

生涯コストをいくらかけても賃貸物件の場合は、資産にはなりません。ですが、持ち家の場合は生涯コストをかけた結果、資産になるので、トータルで考えたときに、賃貸物件よりも持ち家の方がメリットが大きいといえるでしょう。

持ち家のリスクやデメリット・注意点のまとめ

持ち家を購入する場合には、リスクやデメリットをしっかり知っておくことはとても大切です。持ち家のリスクもデメリットも知らずに購入してしまうと、購入した後で後悔をしたり、簡単に手放せなくて困ったりしてしまいます。

ですが、もちろん、持ち家にはメリットも数多くあるため、メリットにも目を向け、持ち家を総合的に見て、購入するかしないかを考えるようにしましょう。

持ち家の場合には、老後におけるリスクもあるため、持ち家が老後にもたらすリスクについても理解することは必要です。持ち家のメリットとリスクを取る価値については必ず考えるようにしましょう。

また、賃貸物件と持ち家にはそれぞれ異なったリスクがあるため、比較をし、自分が賃貸物件と持ち家のどちらに向いているかを理解することも重要です。持ち家と賃貸物件の生涯コストについてもよく考えておきましょう。