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土地の買い方|個人売買の流れや注意点とメリット・デメリットについて

土地の買い方には、不動産業者に依頼して仲介してもらい売買する方法と個人間で売買する方法の2つがあります。

個人売買にはメリットもありますが、デメリットもあるため、個人売買で土地を購入しようとしている場合には、注意が必要です。

この記事では、土地の購入において、個人売買の土地の買い方と流れをはじめ、知り合いから土地を買う場合の注意点や個人売買による土地の買い方のメリット・デメリットについて、詳しくご紹介いたします。

個人売買の土地の買い方と流れ

主な土地の売買方法は、不動産業者に依頼して、仲介に入ってもらいます。

この方法では、不動産業者に仲介手数料を払うことで、煩雑な手続きをすべて代わりに行なってもらえ、安心して土地を購入したり売却したりすることが可能です。

ですが、土地の売買方法には、個人売買もあります。個人売買とは、その名の通り、個人間で土地の売買をすることです。この中には、個人で土地を買うことも含まれています。

ここでは、不動産業者を介した土地の買い方と比較した上で、以下の順に個人売買の土地の買い方と流れについて解説していきます。

  • 不動産業者を介した土地の買い方の流れとは?
  • 個人売買の土地の買い方の流れとは?
  • 個人売買の土地の買い方とは?

それでは、個人売買の土地の買い方と土地購入の流れについて詳しく見ていきましょう。

不動産業者を介した土地の買い方の流れとは?

一般的な土地の売買は、購入者も売主も不動産業者に依頼して行います。

不動産業者を介した土地の買い方は以下の通りです。

  1. 買いたい土地を探す
  2. 土地の相場を調べる
  3. 土地の購を決める
  4. 買付証明書を提出する
  5. 住宅ローン事前審査を受ける
  6. 重要事項の説明を受ける
  7. 土地売買契約の締結をする
  8. 住宅ローンの本審査の申し込みをする
  9. 住宅ローンの契約を締結する
  10. 土地の引き渡しをする

このように、一般的な土地の買い方を知っておくことで、個人売買での土地の買い方の違いがわかるようになります。

個人売買の土地の買い方の流れとは?

土地の個人売買では、売主と購入者が直接やりとりをして、土地の売り買いをします。

個人売買の土地の買い方の流れは以下の通りです。

  1. 買いたい土地を探す
  2. 土地の相場を調べる
  3. 土地の購入を決める
  4. 住宅ローン事前審査を受ける
  5. 重要事項説明書を作成する
  6. 土地売買契約の締結をする
  7. 住宅ローンの本審査の申し込みをする
  8. 住宅ローンの契約を締結する
  9. 土地の引き渡しをする

個人売買の土地の買い方とは?

個人売買の土地の買い方として、不動産業者に依頼する買い方と個人売買の買い方には、どのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、不動産業者に依頼する買い方と個人売買の買い方について詳しくご紹介いたします。

個人売買の土地の買い方のうち、以下の9点は不動産業者に依頼する買い方と変わりません。

  • 買いたい土地を探す
  • 土地の相場を調べる
  • 土地の購入を決める
  • 売買契約を締結する
  • 住宅ローンの事前審査を受ける
  • 土地売買契約の締結をする
  • 住宅ローンの本審査の申し込みをする
  • 住宅ローンの契約を締結する
  • 土地の引き渡しをする

おおよそ、不動産業者を介した土地の購入の流れと同じです。

しかし、個人売買の土地の買い方のうち、以下の3点は不動産業者に依頼する買い方と異なります。

  • 買付証明書の提出をしなくてよい
  • 重要事項説明を受けるのではなく、売主と一緒に重要事項説明書を作成する
  • 売買契約書を作成しなければならない

それでは、個人売買の土地の買い方のうち、不動産業者に依頼する買い方と違う点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

買付証明書の提出をしなくてよい

買付証明書は、法的拘束力はありませんが、土地の購入意思を示すために提出する書類です。

形式的に不動産業者が用意しているものであるため、個人売買であれば、用意する必要がありません。

結果として、ひとつ書類を書く手間が減るといえるでしょう。

重要事項説明を受けるのではなく、売主と一緒に重要事項説明書を作成する

重要事項説明は、本来であれば、宅地建物取引業者が行うことになっており、不動産業者が説明を行なってくれます。

しかし、個人売買の場合、宅地建物取引業者がいないため、重要事項説明書を作成する場合には、購入者と売主が共同で作成しなければなりません。

重要事項説明は、不動産業者でなければ必須ではないものの、住宅ローンを締結するにあたり、提出が必要となります。

ですから、住宅ローンを組んで土地を購入する場合には、結果として、重要事項説明書の作成をしなければならなくなります。

売買契約書を作成しなければならない

不動産業者が仲介をしている場合には、売買契約書の作成は不動産業者が行ってくれますが、個人売買の場合は、自分たちで作成するしかありません。

売買契約書がない状態でも土地の個人売買は可能です。

しかし、売買契約書がないことで、後々トラブルに発展してしまうことがあるため、売買契約書は作成しておきましょう。

個人売買の土地の買い方の注意点(知り合いから買う場合)

個人売買の土地の買い方の注意点は、さまざまものがありますが、その中でも知り合いから買う場合について、ここでは詳しく解説いたします。

個人売買の中でも、知り合いから購入する方法は、知っている人から購入するということで、安心感もあることでしょう。

しかし、知り合いから購入するからこそ、注意したい点があります。

以下は知り合いから個人売買で土地を買うときの注意点8点です。

  • 住宅ローンが残っていないかを確認する
  • 信頼している人からしか買わない
  • 土地の地目や用途地域について確認する
  • 適正な価格でのやりとりをする
  • 司法書士に所有者移転登記などを依頼する
  • 土地の瑕疵について事前調査の結果を聞く
  • 売買契約書をしっかり作成する
  • 住宅ローンの事前審査・本審査を受けるタイミングを間違えないようにする

それでは、知り合いから個人売買で土地を買うときの注意点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

住宅ローンが残っていないかを確認する

知り合いから土地を購入するときには、その土地に住宅ローンが残っていないかを確認しましょう。

土地の売却理由が、住宅ローンの支払いができず、やむなく手放すということもあります。

住宅ローンが残っている土地の購入は、住宅ローンが支払われなくなったときに抵当として、土地を差し押さえられてしまう可能性があるので注意しましょう。

信頼している人からしか買わない

個人売買の場合、価格の交渉も契約の取り交わしもすべて個人間でやることになります。

売主が時間やお金にルーズだったり、簡単に嘘をついたりするような人の場合は、いくら魅力的な土地を持っていたとしても、購入するのはやめましょう。

土地の購入は大きなお金が動きますし、契約では細かいことをたくさん決めなければなりません。

相手のことが信頼できて、この人となら契約をしても安心だという人から土地を買いましょう。

土地の地目や用途地域について確認する

土地を購入する上で、土地の地目や用途地域を確認することは重要です。

地目は23種類あり、地目が宅地であれば住宅を建てられます。また、用途地域は12種類あり、工業専用地域でなければ住宅を建てることが可能です。

このように、土地には何を建てていいかが決められているため、地目と用途地域を確認してから購入を決めるようにしましょう。

適正な価格でのやりとりをする

知り合いから土地を購入する場合でも、不動産業者から購入する場合でも、適正な価格で購入するのは土地を購入する上で基本です。

適正な価格であるかを判断するには、土地の相場を知っておかなければなりません。

土地の相場は、インターネット上で簡単に調べられるので、土地の購入を考えている場合には、事前に土地の相場を調べてから、価格の話をするようにしましょう。

司法書士に所有者移転登記などを依頼する

土地を購入した場合、不動産登記のうち、所有者移転登記を行わなければなりません。

購入者が自分で行うことも可能ではありますが、法的な知識などが必要であるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

不動産業者を仲介していないため、仲介手数料はかかりませんが、司法書士費用は必要であると考えておきましょう。

土地の瑕疵について事前調査の結果を聞く

土地の瑕疵は、売主の責任が問われますが、瑕疵がある土地を購入するには、さまざまな観点からリスクが大きすぎます。

そのため、土地の瑕疵があるかないかを事前に調査し、結果を共有してもらうようにしましょう。

また、土地の瑕疵については、売買契約書に記載をするのを忘れないようにすることが大切です。

売買契約書をしっかり作成する

売買契約書は、相手が知り合いであったとしても必ず作成しましょう。口約束などはもってのほかです。

相手がどんなに信頼できたとしても、問題が出てきたときに言った言わないの水掛け論になってしまうことが考えられます。

知り合いとの関係に亀裂が入らないようにするためにも、売買契約書はしっかりと作成することが大切です。

住宅ローンの事前審査・本審査を受けるタイミングを間違えないようにする

住宅ローンの契約を締結して、土地を購入する場合には、住宅ローンの事前審査と本審査を受けなければなりません。

このときに必要となるのが、重要事項説明書です。重要事項説明書は、購入者と売主である知り合いが一緒に作成しなければなりません。

ですから、重要事項説明書が出来上がった段階で本審査が受けられるように、事前審査を受けておく必要があります。

また、個人売買の場合は、住宅ローンの本審査に通らない可能性もあるため、万が一、住宅ローンの本審査に通らなかった場合は、どのように支払うのか、それとも購入自体を白紙に戻すかなどについても、知り合いと話し合っておきましょう。

個人売 買による土地の買い方のメリット

個人売買による土地の買い方は、デメリットが多いというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

しかしながら、個人売買による土地の買い方には、メリットもあります。

デメリットだけでなく、メリットにも目を向けることで、個人売買による土地の買い方も土地購入の方法として、選択肢に入れるかを決められるため、しっかりとメリットについても知っておくことが大切です。

個人売買による土地の買い方のメリットは、以下の3点があります。

  • 仲介手数料がかからない
  • 土地探しの選択肢が増える
  • 自由度が高い

それでは、個人売買による土地の買い方のメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

仲介手数料がかからない

個人売買の場合、不動産業者が仲介に入ったときに必要となる仲介手数料が不要です。

仲介手数料は、「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和四十五年十月二十三日建設省告示第千五百五十二号)最終改正令和元年八月三十日国土交通省告示第四百九十三号」において、以下のように定められています。

土地の金額(税抜) 仲介手数料の上限
200万円以下の金額 5.5%
200万円を超える400万円以下の金額 4.4%
400万円を超える金額 3.3%

<引用:「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和四十五年十月二十三日建設省告示第千五百五十二号)最終改正令和元年八月三十日国土交通省告示第四百九十三号」>

上の表をもとに仲介手数料を計算すると、仲介手数料の上限は以下のようになります。

土地の価格 仲介手数料の上限
200万円 11万円
300万円 15万4千円
500万円 18万7千円

このように、仲介手数料だけでもそれなりの金額が必要となります。

この仲介手数料がかからなければ、土地に新築の住宅を建てる場合のオプション代金などに回せるなど、使い道の選択肢も増やせるでしょう。

土地探しの選択肢が増える

土地探しをしている場合、理想の土地を見つけるには時間も手間もかかります。

ですが、不動産業者が仲介している以外の土地も選択肢に入れることで、探し求めていた土地を見つけることができるかもしれません。

そういった意味合いでも個人売買で土地を購入するのはメリットがあるといえます。

自由度が高い

個人売買は、不動産業者が仲介している場合と違って、価格や交渉など、さまざまな点で自由度が高いといったメリットがあります。

決まりにしばられずに自由に土地を購入したい場合には、個人売買が向いているといえるでしょう。

個人 売買による土地の買い方のデメリット

個人売買による土地の買い方には、メリットもありますが、デメリットもあります。

個人売買による土地の買い方のメリットにばかり目を向けていると、一見、個人売買で土地を購入することが良さそうに見えますが、デメリットを知ることで、個人売買の土地購入をよりフラットな視点から見られます。

また、個人売買による土地の買い方が、本当に自分が求めている買い方であるかを見極めるきっかけにもなるでしょう。

個人売買による土地の買い方のデメリットは、以下の5点があります。

  • 不動産業者に依頼をするよりも成約までに時間がかかる
  • トラブルが発生したときに対処が難しい
  • 手間がかかる
  • 土地に瑕疵がある可能性がある
  • 価格交渉がしづらい

それでは、個人売買による土地の買い方のデメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

不動産業者に依頼をするよりも成約までに時間がかかる

不動産業者は専門的な知識を持ち、一連の流れをスムーズに進めるだけのノウハウを持っています。

しかし、個人売買での購入となると、売主も購入者も専門的な知識を持っていない状態からのスタートとなるため、不動産業者に仲介をしてもらう場合よりも、成約までに時間がかかってしまいます。

時間に余裕がなかったり、少しでも早く土地の購入をしたい場合には、個人売買は不向きであるといえます。

トラブルが発生しやすい

不動産業者は、土地の売却に関して、さまざまなノウハウを持っています。ノウハウを持っているということは、土地の売買でトラブルが起きないように売買契約を進めていけるということでもあります。

土地を購入するときには、契約内容から重要事項説明、どんな点に気をつけることで後々トラブルにならずに済むかなど、確認しなければならないことがたくさんあります。

そのため素人が簡単にミスなくできるものではありません。ミスが発生していることに気付かずに契約を進めてしまった場合、土地を購入してからトラブルに発展することもありえます。

土地の購入に関するトラブルを回避したいのであれば、個人売買はリスクが大きいといえるでしょう。

手間がかかる

重要事項説明書や売買契約書などは、専門的な知識がなければ、作成が困難であるといえるでしょう。

ひとつでも抜けがあれば、書類の意味をなさなくなってしまうため、作成するときには細心の注意が必要です。

不動産業者が仲介に入っていないことで、購入者がしなくても良かったことをしなければならないため、非常に手間がかかるといえます。

手間がかかるということは、時間がかかるということでもあります。時間に余裕がない場合や、作業に時間が割けそうになければ、個人売買は避けた方がよいでしょう。

土地に瑕疵がある可能性が 高い

不動産業者の仲介を受けている場合よりも、個人売買の方が土地に瑕疵がある可能性が上がります。

土地の瑕疵とは、地盤沈下など地盤に関わることや殺人事件の現場になったなど心理的瑕疵、近隣に暴力団事務所があったり騒音問題があったりする環境的瑕疵のことなどを指し、売主が知っていて告知をしていない場合、購入者は損害賠償請求ができます。

土地に瑕疵がないようにするためには、購入前にしっかりと土地の状態を調査してもらうしかありません。

価格交渉がしづらい

知り合いから土地を購入する場合、今までの付き合いや今後の付き合いのことを考えて、価格の交渉がしづらくなる傾向にあります。

交渉を健全に進められそうになければ、個人売買での土地の購入は難しいといえるでしょう。

個人売買の土地の買い方 まとめ

個人売買で土地を購入することには、メリットもデメリットもあります。個人売買で土地を買いたいと思ったら、メリットとデメリットをよく考えて、それでもその土地を購入したいかを考えることが重要です。

また、個人売買で知り合いから土地を購入する場合には、さまざまな注意点があります。知り合いとの関係性が悪くならないように、手順をきちんと踏んで、売買契約を締結するようにしましょう。

個人売買の場合は、仲介手数料を支払わなくてよいといったメリットが魅力的に見える半面、煩雑な手続きをすべて自分たちでやらなければならないというデメリットがあります。

土地の購入において、何を一番に優先するかを考えることで、個人売買が向いているか向いていないかを知ることができるでしょう。