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工務店によって土地探しの仲介手数料が異なるって本当!?

注文住宅を建てるための土地探しを工務店に依頼した場合、工務店によって仲介手数料が異なるのをご存じですか?仲介手数料は、法律によって上限額が決まっています。また、工務店が自社で土地を持っている場合は仲介手数料がかかりませんが、不動産会社と連携して土地を探す場合はかかります。

この記事では、仲介手数料に注目し、どんな場合に仲介手数料がかかり、相場はどのくらいかといった点について掘り下げています。これを読めば、納得して工務店に土地探しをお願いできますよ。失敗しない土地探しのためにも、詳しく見ていきましょう!

工務店によって土地探しの仲介手数料が異なるって本当!?

家を建てるには土地が必要です。夫婦の通勤時間や、子どもが通う学校の校区などの踏まえた立地条件は、家で暮らしてからの生活に直結します。建築に関する規制や土地の状態によって、建てられる家も決まります。それだけに、土地選びはとても重要です。

工務店に土地探しを依頼すると、土地の売主と施主との間に入って取りまとめる「仲介」をお願いすることになります。その際にかかる仲介手数料は、土地の売買契約を取りまとめる手数料で、法律によって上限額が定められています。

住宅金融支援機構がまとめた2019年度フラット35利用者調査では、土地付き注文住宅の新築費用のうち、土地の取得費は全国平均で1382万円と、新築の全体予算のうち土地には3割程度を充てている傾向にあります。仲介手数料は、取引する土地の価格によっても上下します。また、工務店の中には仲介手数料が必要な会社と、かからない工務店があります。順に見ていきましょう。

引用:住宅金融支援機構 2019年度フラット35利用者調査「土地付注文住宅融資利用者の主要指標」 https://www.jhf.go.jp/files/400353155.pdf

土地探しの仲介手数料が必要になる工務店とは?

土地探しの仲介手数料が必要になる工務店は、自社で土地を持っていない工務店です。こうした工務店の場合は、不動産会社と連携して土地探しを行っています。施主が工務店に土地探しを相談すると、担当者を通じて、不動産会社に依頼してもらえます。不動産会社が持つ幅広い情報の中から、施主の条件に合った土地を探してもらえます。

仲介手数料が必要にはなりますが、自分で探すより地域事情に詳しい不動産会社に調べてもらえるメリットは大きいです。まだ公開されていない土地の情報を持っている場合もありますし、トラブルが起きた際の仲裁役になってもらえるのも見逃せないポイントです。

さらに全体の予算を考慮した価格の土地を選んでもらえる点や、日当たりなど建てたい家のイメージに合わせた土地を選定してもらえるのもメリットです。不動産会社と連携している工務店の中には、自社のホームページで土地情報を公開するなど、土地探しに力を入れている会社もあります。チェックしてみましょう。

土地探しの仲介手数料が不要になる工務店とは?

仲介手数料が不要の工務店もあります。一つは自社で土地を持っているケースです。つまり、工務店が「売主」として販売している物件を、施主が直接買うということです。

工務店が土地を持つケースとしては、自社で開発した分譲地が挙げられます。この場合は、土地を探す手間を省くことができ、不動産会社を通さないため費用負担を軽くできます。ただ、大手のハウスメーカーなどと比べると、土地を販売している地域が限られる上、販売数自体も少ないため、希望する場所に土地が確保できるとは限りません。

もう一つは、工務店から地主を紹介してもらい、地主から直接土地を購入するケースです。地主からの購入のため仲介手数料は支払う必要がありません。ただ、契約書類の作成や登記の手続きなどは個人ですることになるため、より知識と慎重な判断が必要です。

土地探しの仲介手数料の相場

土地探しの仲介手数料は、いくらくらいが相場なのでしょうか。不動産取引は「宅地建物取引業法」というルールがあり、仲介手数料も上限額が定められています。これを超える額を設定している業者は法令違反になります。仲介手数料には、不動産会社の広告費、物件を案内する費用、契約条件の売主との交渉、融資の手続き支援などが含まれます。

仲介手数料の上限の簡単な計算方法としては、売買価格(施主が土地を購入する場合)が200万円以下なら「売買価格×5%+消費税」、200万円を超えて400万円以下であれば「売買価格×4%+2万円+消費税」、400万円を超える土地については「売買価格×3%+6万円+消費税」で求められます。目安としては、売買価格が400万円の場合は19万8000円、1000万円の場合は39万6000円が上限です。

正式な計算では、200万円以下の部分(売買価格×5%+消費税)、200万円超で400万円以下の部分(売買価格×4%+消費税)、400万円を超える部分(売買価格×3%+消費税)と、3つの部分ごとにそれぞれ計算して合算する必要があります。

自社で土地を持っている工務店を選ぶメリット

それでは、自社で土地を持っている工務店を選ぶメリットとして、具体的にどのような点があるのでしょうか。「出費が抑えられ他の費用に充てられる」、「不動産会社とのやり取りや手続きがなくなる」、「上下水道などインフラが整った土地が得られる」という三つのポイントが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

出費が抑えられ他の費用に充てられる

自社で土地を持っている工務店は仲介手数料がかからず、他の建物などに費用を充てることができるのがメリットです。施主が希望する立地で、思い描いた建物が建てられる土地であれば、施主にとっては満足度が高い選択と言えるでしょう。

不動産会社とのやり取りや手続きがなくなる

家づくりには、土地だけではなくどんな建物にするか、ライフプランに合った資金計画など、調べたり考えたりすることは多岐にわたります。そのため土地探しや手続きの時間を少しでも短縮できれば、効率的な家づくりが可能です。

上下水道などインフラが整った土地が得られる

工務店が土地を購入して開発した分譲地は、電気・ガス・水道などが敷地内に引き込まれていることが多く、家を建てるのに適した土地と言えます。土地には、家を建てる業者が決まっている建築条件付きが多いですが、土地探しから工務店に依頼するケースでは問題になることはないでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。工務店に土地探しを依頼すると、仲介手数料がかかる場合と、かからないケースがあることが分かりました。工務店が不動産会社と連携している場合は仲介手数料がかかり、その上限額は法律で決まっていて、手数料の額は土地の価格によって上下します。工務店が自社で土地を持つ場合や、工務店から地主の紹介を受けて直接地主と契約する場合などは、仲介手数料がかかりません。

一方で、仲介手数料を節約しようとして個人で探して土地を購入したために、希望通りの家が建たないという事例もあります。工務店が不動産会社と連携することで、こうした事態を避けることができます。土地売買のトラブルの際は仲裁役にもなってもらえます。

それだけに、まずは信頼できる工務店を見つけて、全体の予算を考えながら一緒に土地を探すという流れが、安心できる方法の一つと言えます。納得した土地を購入するためにも、しっかりと希望する条件や資金計画を立てるとともに、仲介手数料についてしっかり理解しておきましょう。