家を建てたいと思ったときに、直面することがあるのが住みたい場所に土地がないという問題です。
必ずしも住みたい場所に土地が余っているわけではないので、土地探しには時間を要します。
ですが、いくら時間をかけても住みたい場所に土地が見つからないこともあります。
この記事では、住みたい場所に土地がない問題についてをはじめ、住みたい場所に土地がない場合はどうすればいいか、土地探しの基本的なコツ、良い土地の選び方と基準、土地が見つからない時の対処法について、詳しくご紹介いたします。
住みたい場所に土地がない問題について
住みたい場所に土地を買うことが住宅を建てる最初の一歩です。ですが、住みたい場所に土地がなく困ってしまうこともあるでしょう。
土地には限りがありますから、住みたい場所に土地がないこともあります。すでにほかの住宅が建っていれば、その土地が空くのは売却されるときです。
土地が売却されることがなければ、住みたい場所に建物の建っていない土地ができることはありません。
住みたい場所に土地がないと住宅を建てることすらできず、新しい生活を始めるのも難しいので、ライフプランが狂ってしまうこともあるでしょう。
基本的に土地を探すのは数ヵ月~1年程度かかってしまいますが、住みたい場所に土地がない場合は、それ以上の期間、土地探しに費やしてしまうことも考えられます。
住みたい場所に土地がない場合には、まず「どうすればいいか」について考え、「土地探しのコツ」を理解した上で、土地探しを再開することが大切です。
ここでは、住みたい場所に土地がない場合の打開策を含め、ご紹介していきます。
住みたい場所に土地がない場合はどうすればいいか
住みたい場所に土地がない場合、住宅を建てることができずに途方に暮れてしまうこともあるでしょう。
ですが、住みたい場所に土地がない場合、土地がない以上、どうすることもできません。では、住みたい場所に土地がない場合は、打開策がないのでしょうか?
答えはノーです。住みたい場所に土地がない場合でも打開策はしっかりあります。
住みたい場所に土地がない場合の打開策には、以下の3点があります。
- 新しいエリアで土地を探す
- 土地を探す期間を延長する
- 土地に求める優先順位を明確にする
それでは、住みたい場所に土地がない場合の打開策について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
新しいエリアで土地を探す
住みたい場所に土地がない場合、新しいエリアで土地を探すのもひとつの方法です。
住みたい場所に土地がない場合、新しいエリアで土地を探すメリットには、以下の3点があります。
- 少しでも早く引っ越しができる
- 今、探しているエリアの土地より、快適な場所である可能性がある
- 予算面で負担が軽くなる可能性がある
それでは、住みたい場所に土地がない場合、新しいエリアで土地を探すメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
少しでも早く引っ越しができる
住みたい場所に土地がない場合、新しいエリアで土地を探すと、少しでも早く引っ越すことが可能になります。
住みたい場所に土地がない場合、土地探しが難航してしまい、引っ越しをしたいタイミングからズレてしまうこともあるでしょう。
ですが、新しいエリアで土地を探すことによって、元々のスケジュール通りに引っ越しができる可能性が高まります。
今、探しているエリアの土地より、快適な場所である可能性がある
住みたい場所に土地がない場合、今、探しているエリアの土地より、快適な場所である可能性があります。
住みたい場所にこだわりすぎるあまり、ほかの土地の良さがわかっていないこともあるでしょう。
新しいエリアで土地を探すことで、より条件に合った土地が見つかるかもしれません。
予算面で負担が軽くなる可能性がある
新しいエリアで土地を探すことによって、住みたい場所の土地よりも安い土地が見つかる可能性があります。
土地の購入において予算面で負担が軽くなることで、建物にお金をかけられるといったメリットがあります。
土地を探す期間を延長する
住みたい場所に土地がない場合の打開策として一番簡単にできることは、土地を探す期間を延長することでしょう。
土地を探すのにかかる時間は数ヵ月~1年程度であるといわれていますが、それ以上の期間、土地探しに充てることで住みたい場所の土地を見つけられる可能性があります。
土地に求める優先順位を明確にする
住みたい場所にこだわるのも大切ですが、どのような土地に住みたいかを明確にすることも重要です。
どんな土地に住みたいかを箇条書きにし、優先順位をつけることで、何を優先したいかが明確になります。
住みたい場所ではなく、どんな土地に住みたいかで土地を探すのもよいでしょう。
土地探しの基本的なコツ
土地探しをするときには、基本的なコツが存在しています。土地探しのコツを押さえることで、難航してしまいがちな土地探しがスムーズに進みやすくなります。
土地探しをするときには、基本的なコツを押さえて効率よく、土地探しを行いましょう。
土地探しの基本的なコツには、以下の3点があります。
- 100%を求めすぎない
- しっかりと時間をかける
- さまざまな方法で土地を探す
それでは、土地探しの基本的なコツについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
100%を求めすぎない
土地を探すときに陥りがちなのが、理想の土地を求めすぎてしまうことです。土地を探すとき、100%理想通りの土地は見つからないといっても過言ではないでしょう。
土地を探すときは、必ず妥協できる部分を作っておくことが大切です。
100%を求めすぎないことで、理想に近い土地を見つけることにつながり、結果として満足度の高い土地探しにすることができます。
しっかりと時間をかける
土地探しをする場合、数ヵ月〜1年程度の時間がかかるといわれています。
短い期間で理想の土地を見つけたくなる気持ちもあるでしょうが、理想の土地を見つけるにはそれ相応の時間をかけなければなりません。
数ヵ月を土地探しに費やして、理想の土地が見つからないからといって諦めるのは時期尚早です。
場合によっては、1年程度かかることもあるので、根気良く探すようにしましょう。
さまざまな方法で土地を探す
土地を探すときのコツは、さまざまな方法で土地を探すことです。
ひとつの方法で土地を探していると、手詰まりになってしまうことが多く、住みたい場所で土地を見つけるのが困難になってしまいます。
そのため、土地を探すときには、さまざまな方法で土地を探すようにしましょう。
土地を探すときには、以下の5つの方法があります。
- 複数の不動産業者に依頼する
- ハウスメーカーに依頼する
- 不動産情報誌で探す
- インターネットで探す
- 自分で探す
それでは、土地を探すときの方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
複数の不動産業者に依頼する
不動産業者はさまざまな土地の情報を持っています。
特に良い土地の情報は、インターネット上に出す前に紹介してしまうため、住みたい場所が決まっているなら、不動産業者によりよい土地を斡旋してもらえるように依頼しておくとよいでしょう。
ただし、不動産業者に依頼するときは1社に依頼するのではなく、複数社に依頼することが大切です。
不動産業者によって、持っている土地の情報が異なるため、住みたい場所が決まっている場合には、なるべく多くの選択肢を持つようにしておきましょう。
ハウスメーカーに依頼する
すでに住宅を建てるハウスメーカーが決まっている場合には、ハウスメーカーに依頼するのもひとつの方法です。
ハウスメーカーもさまざまな土地の情報を持っており、良い土地の情報はインターネット上に掲載する前に紹介してしまいます。
住みたい場所が決まっている場合には、ハウスメーカーに土地探しを依頼するのもよいでしょう。
不動産情報誌で探す
土地を探す方法の中には、不動産情報誌で探す方法もあります。
不動産情報誌には、さまざまな土地の情報が掲載されているので、住みたい場所の土地が見つかる可能性もあります。
ただし、不動産情報誌の場合、隔週刊誌や月刊誌、季刊誌などが多いため、探しているタイミングで土地が残っているとは限らないといった難しさがあるといえるでしょう。
インターネットで探す
住みたい場所が決まっている場合、土地探しの方法としては、インターネットで探すのが一番手軽でしょう。
インターネットであれば、自分が暇な時間や隙間時間に探すことが可能です。
ただし、良い土地の場合、インターネット上に掲載される前にほかの人に紹介されてしまうことが多いため、適切な方法であるとは言い難いといった側面も持っています。
自分で探す
住みたい場所が決まっている場合、自分で土地を探すという方法もあります。
たとえば、住みたい場所に実際に赴いて歩いて探したり、ポストに投函されているチラシを元に探したり、友人や知人に紹介してもらったりする方法です。
住みたい場所に実際に赴いて歩いて探すのは、売り出されている土地があるとは限らないので効率が悪い方法ではありますが、ぴったりと理想通りの土地が見つかる可能性もあります。
友人や知人に紹介してもらう方法は、とても確実であるといえるでしょう。
実際に土地を持っている知り合いがいる場合には、自分が住みたい場所で良い土地はないか聞いてみるのがおすすめです。
良い土地の選び方と基準
土地を選ぶときは、誰しも良い土地を選びたいことでしょう。良い土地を選ぶためには、良い土地が一体どういったものなのかを理解していなければなりません。
また、良い土地の選び方と基準を知っておくことは、土地探しをするときに住みたい場所に土地がないといった状況の回避につながります。
ここでは、良い土地の選び方と基準について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
良い土地の選び方とは?
良い土地を選ぶ場合には、良い土地の基準を知っておくことが大切です。
良い土地の選び方は、良い土地の基準に該当する土地を選ぶことです。良い土地の基準については、「良い土地の基準とは?」で後述しています。
良い土地の基準とは?
良い土地の基準を知っておくことは、良い土地を探すときに役立ちます。
良い土地の基準には、以下の8点があります。
- 地盤がしっかりしている
- 災害があっても問題ない
- 境界線がしっかり引かれている
- 近い将来、開発計画がない
- 住環境が整っている
- 日当たり・風通しがよい
- 四角い住宅が建てられる
- インフラ(水道・ガス・電気)が整っている
それでは、良い土地の基準について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
地盤がしっかりしている
地盤がしっかりしているのは、良い土地です。
地盤がしっかりしているということは、地震があったときに家の崩壊を最低限に抑えられたり、地震のときの揺れが大きくなかったりと、さまざまな点でメリットがあります。
災害があっても問題ない
良い土地とは、災害があっても大きな被害がない土地のことです。
災害が起こった場合、その土地がどのような状況になるかは、国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」で確認することができます。
ハザードマップポータルサイトでは、以下の6点について確認が可能です。
- 洪水(想定最大規模)
- 土砂災害
- 高潮(想定最大規模)
- 津波(想定最大規模)
- 道路防災情報
- 地形分類
良い土地を購入したい場合には、必ずハザードマップで購入予定の土地を確認しましょう。
境界線がしっかり引かれている
家と家との境界を示すのが土地においての境界線です。良い土地の場合は、境界線がはっきりしており、自分の土地と他人の土地の境目が明確になっています。
境界線が明確になっていない場合、お隣さんとのトラブルに発展することもあるため、境界線がしっかり引かれている土地を選ぶようにしましょう。
近い将来、開発計画がない
近い将来、開発計画があるのかないのかは良い土地を判断する上で重要です。良い土地の場合は、利便性のある開発計画があり、不利益になる開発計画がありません。
基本的に開発計画は、都市計画と呼ばれています。都市計画は都道府県が根本的な計画を決め、詳細についてはそれぞれの市町村が決めることになっていますが、それぞれどのようなことに土地が使えるかについては用途地域として決められています。
都市計画とは、都市計画法に基づき、以下の3つに分かれています。
- 土地利用の計画
- 都市施設の整備の計画
- 市街地開発事業の計画
良い土地を選ぶときには、開発計画についても確認するようにしましょう。
住環境が整っている
良い土地の場合、住環境が整っています。住環境が整っているというのは、以下に該当するような土地のことです。
- 通勤・通学に便利
- 近くにスーパーやドラッグストアがある
- 近くに子どもの学校や習い事がある
- 近くに病院がある
- 静かでうるさくない(道路族などがいない)
- ご近所トラブルがない
- 治安かいい
このように、良い土地には住む上でさまざまなメリットがあります。
日当たり・風通しがよい
良い土地の場合、日当たりや風通しが良く、過ごしやすいです。複雑な間取りにしなくても採光がとれたり、風通しが良かったりする土地を購入することで、日々の生活の質を上げることができます。
四角い住宅が建てられる
良い土地の場合、土地の形状が特殊ではなく、四角い住宅が建てられます。四角い住宅が建てられる土地がなぜ良い土地かというと、日当たりや風通しの良い住宅を建てやすいからです。
四角い家が建てられなくなってしまうと、日当たりや風通しが悪くなってしまったりしやすいため、特殊な形で家を建てなければならなくなってしまいます。
インフラ(水道・ガス・電気)が整っている
インフラ(水道・ガス・電気)が整っている土地は良い土地であるといえます。
インフラ(水道・ガス・電気)が整っていない場合、遠くからインフラ(水道・ガス・電気)を引っ張ってこなければならず、余計な費用がかかってしまうからです。
土地が見つからない時の対処法
住みたい場所に土地がない場合、土地を購入すること自体を諦めなければならないこともあるでしょう。
もちろん、住みたい場所に土地がないときの打開策もありますが、その打開策が必ずしも上手くいくとは限りません。ですが、そんなときでもできることはあります。
住みたい場所に土地がないときの対処法には、以下の3つの方法があります。
- 何も建っていない土地を探すのではなく、中古の住宅がすでに建っている土地を探す
- マンションも視野に入れてみる
- 土地を探す時期を変更する
それでは、住みたい場所に土地が見つからないときの対処法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
何も建っていない土地を探すのではなく、中古の住宅がすでに建っている土地を探す
住みたい場所に土地が見つからない場合には、土地だけを見るのではなく、すでに中古の住宅が建っている土地も視野に入れてみるとよいでしょう。
何も建っていない土地だと見つからなくても、中古の住宅が建っている土地なら見つかることがあります。
理想の住宅を建てたい場合には、中古の住宅を解体して新しい住宅を建てることになりますが、中古の住宅でも問題ないようであれば、そのまま住むのもひとつの方法です。
マンションも視野に入れてみる
住みたい場所に土地がない場合、マンションも視野に入れてみるのもひとつの方法です。住みたい場所に土地はなくても、マンションの空きならある可能性があるからです。
住みたい場所を最優先にして、ほかのエリアで土地を探すつもりがない場合には、よい方法であるといえるでしょう。
土地を探す時期を変更する
住みたい場所に土地がない場合、土地を探す期間を延長する方法もありますが、一旦、土地を探すのをやめて、土地の情報が出やすい春ごろに土地を探すのを変更するのもよいでしょう。
まとめ: 住みたい場所に土地がない場合の解決策
住みたい場所に土地がない場合、自分のタイミングで引っ越すことができず、ライフプランが崩れてしまうこともあるでしょう。
住みたい場所に土地がない問題は、意外にも深刻なものではありますが、打開策がないわけではありません。
住みたい場所に土地がない場合は土地を探す期間を長くしたり、ほかのエリアで同じ条件の土地を探してみたりするなど、さまざまな打開策があります。
また、土地探しの基本的なコツや良い土地の選び方と基準を知っておくことは、住みたい場所に土地が見つからないときの助けになるでしょう。
特に土地を探すときには、100%希望通りの土地を見つけることは至難の業です。優先順位をしっかりつけて、住みたい場所に該当する土地がないかを確認しましょう。