家を建てるときにガレージをどのようなタイプにするか、悩んだことがある方も多いのではないでしょうか?
ガレージには、さまざまな種類があり、メリットもデメリットもさまざまです。その中でもプレハブガレージは、価格も安価でありながら、つくりもしっかりしていて、注目されているタイプのガレージだといえるでしょう。
この記事では、プレハブガレージとは一体どんなものであるかをはじめ、プレハブガレージの設置方法、プレハブガレージの価格、プレハブガレージのメリットとデメリット、プレハブガレージのリフォームについて、プレハブガレージと建築確認申請・固定資産税について、詳しくご紹介いたします。
プレハブガレージとは
プレハブガレージとは、敷地内で建てるガレージではなく、工場で製作された部品を敷地内で組み立てるだけのガレージのことをいいます。
プレハブガレージには、さまざまなサイズやデザインがあり、お気に入りのものを選択することが可能です。
プレハブガレージの設置方法
プレハブガレージの設置方法は、自分で設置する方法と依頼して設置する方法の2種類があります。
DIYが盛んな昨今、自分でプレハブガレージを設置する方も珍しくはありません。自分で設置する場合であっても依頼して設置する場合であっても、バラバラに届いた部品を組み立てて設置する方法は同じです。
自分で設置する場合の費用はプレハブガレージ代と工具代だけで済みますが、依頼して設置する場合は設置費用が別途必要となります。
プレハブガレージの価格
プレハブガレージの価格は、20万円台から購入することが可能です。20万円台の場合は、バイクなど二輪車を収納できる小さいサイズになります。
車を収納できるプレハブガレージの場合は、50万円台から購入することが可能です。
ただし、高額なものになると100~300万円程度のものもあるため、自分がどのタイプのプレハブガレージがほしいかによってプレハブガレージの価格は異なるともいえます。
プレハブガレージの価格はメーカーによっても違いがあるので、デザインやサイズなど、さまざまな観点からどのプレハブガレージがよいかを考えて、費用面を決めるのがよいでしょう。
プレハブガレージのメリット
プレハブガレージには、さまざまなメリットが存在しています。
プレハブガレージのメリットを知っておくことで、ビルトインガレージなどほかのガレージと比較したときに、どのガレージに決めるかを判断しやすくなるでしょう。
プレハブガレージのメリットには、以下の8点があります。
- 価格が安い
- 住宅購入費用を抑えたいときに最適
- 設置するのにかかる時間が短い
- 耐用年数が長い
- セキュリティが高い
- 機能性が高い
- 品質がよい
- 収納台数を自由に追加できる
それでは、プレハブガレージのメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
価格が安い
プレハブガレージは設計費などがかからないため、価格が安いといったメリットがあります。
プレハブガレージ自体は安いものであれば、20~50万円程度で購入することが可能です。また、自分で組み立てを行なえば、プレハブガレージ本体の価格と工具代だけで設置できます。価格を抑えたいけれど、ガレージが欲しい場合には、プレハブガレージを自分で組み立てるのがベストであるといえるでしょう。
また、自分でプレハブガレージを組み立てられない場合には、組み立てを依頼することも可能です。組み立て費用は必要となりますが、手際よく、プレハブガレージを組み立ててもらえるので、時間がなかったり、自分では組み立てることができなかったりする場合には、依頼して組み立ててもらうとよいでしょう。
住宅購入費用を抑えたいときに最適
ビルトインガレージのように、建物の中にガレージを入れるタイプの場合、設計費や材料費、施工費などがかかり、高額になってしまいます。
ですが、家にバイクや車がある場合、ガレージは重要なものです。
もちろん、ガレージではなく、カーポートなどでもバイクや車を停めることは可能ですが、セキュリティ面や機能性を考えると、手放しでよいとはいえません。
そんなときにベストなのがプレハブガレージです。住宅購入費用は抑えつつ、バイクや車を盗難や雨風からも守ってくれます。
設置するのにかかる時間が短い
プレハブガレージの場合、ビルトインガレージのように設計から施工までする必要がないので、設置するまでにかかる時間が短いといった特徴があります。
早くガレージが欲しい場合など、設置までの時間を短縮したい場合には、プレハブガレージがよいでしょう。
耐用年数が長い
国税局ホームページの「耐用年数(建物/建物附属設備)」によると、工場用・倉庫用のもの(一般用)であり、骨格材の肉厚が3㎜以下のものであれば耐用年数は17年、骨格材の肉厚が3㎜を超え、4㎜以下のものであれば耐用年数は24年、骨格材の肉厚が4㎜を超えるものであれば31年 となっています。
<参照:国税局ホームページ「平成30年分よくある質問>青色申告決算書・収支内訳書>必要経費>減価償却費>耐用年数(建物/建物附属設備)」>
プレハブガレージは、国税局ホームページの「耐用年数(建物/建物附属設備)」に則って考えると、耐用年数が17~31年となり、耐用年数が長いといえるでしょう。
セキュリティが高い
プレハブガレージは簡単に設置できるのにセキュリティが高いといったメリットがあります。
プレハブガレージの場合、四方を壁やシャッターに囲まれているため、バイクや車などを守りやすくなります。
機能性が高い
プレハブガレージは簡単に設置できるのに雨風が防げるなど、機能性が高いといったメリットがあります。
プレハブガレージの場合、四方を壁やシャッターに囲まれているため、雨風や雪などからバイクや車を守れます。
品質がよい
プレハブガレージはさまざまなメーカーが販売していますが、品質がよいといったメリットがあります。ビルトインガレージの場合、設計者や施工する職人の技術力によって、品質にバラつきが出てきてしまいます。
ですが、プレハブガレージであれば、部品を組み立てるだけで完成するため、誰が組み立てても品質に大きな差は生まれません。
また、品質の観点からシャッターを見ると、手動のタイプもありますが、自動のタイプも多く、簡単に開け閉めができるといったメリットもあります。プレハブガレージは品質がよいため、長く使うのにも適しているといえるでしょう。
収納台数を自由に追加できる
プレハブガレージはスペースさえあれば、隣に設置することも可能なので、収納台数を自由に追加できます。
車に乗る家族が増えて、ひとり一台車を持つなどさまざまな事情で車を停める台数が増えても対応できるといったメリットがあります。
プレハブガレージのデメリット
プレハブガレージのデメリットを知っておくことは、プレハブガレージを設置して、こんなはずじゃなかったと後悔する確率を下げることにつながります。
プレハブガレージを設置するときはメリットだけでなく、デメリットについてもしっかり理解しておくようにしましょう。
プレハブガレージのデメリットには、以下の3点があります。
- 決まったデザインの中から選ばなければならない
- 広いスペースが必要
- メンテナンスに費用や時間かかる
それでは、プレハブガレージのデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
決まったデザインの中から選ばなければならない
プレハブガレージの場合、メーカーが販売しているプレハブガレージのカタログの中から気に入ったものを見つけて、設置することになります。
そのため、必ずしも自分の希望通りのものがあるとは限りません。
細かい部分をこだわりたいと思ってもなかなか思い通りにいかないこともあるでしょう。
ガレージに対してこだわりが強い場合、プレハブガレージは向かないともいえます。
広いスペースが必要
プレハブガレージは敷地内に設置するため、広いスペースが必要となります。
また、プレハブガレージを設置することで使用できる敷地が減ってしまうといったデメリットも生じます。
プレハブガレージを設置する際には、スペースを占有してしまうので、どれだけの敷地が残るかを考えて設置するようにしましょう。
メンテナンスに費用や時間がかかる
プレハブガレージは組み立てて設置したら終わりではありません。
プレハブガレージを使用する間は、必ずメンテナンスが必要です。
プレハブガレージのメンテナンスには時間も手間もかかりますし、費用もかかります。プレハブガレージは耐用年数が17~31年であるため、耐用年数の間、きちんと使用できるようにしっかりメンテナンスすることが大切です。
プレハブガレージのリフォームについて
ガレージのリフォームというと、通常のビルトインガレージが思い浮かぶ方も多いことでしょう。ですが、プレハブガレージであってもリフォームは可能です。
古くなった部分を新しく作り変えることで、見た目もキレイになり、性能もよくなるといったメリットがあります。
また、設置しているプレハブガレージを解体する必要はありますが、リフォームではなく、新しくプレハブガレージを設置するという方法もあります。
ビルトインガレージなどと比較して、簡単に行なうことができるので、プレハブガレージの耐用年数が近づいたら検討するのもよいでしょう。
プレハブガレージと建築確認申請・固定資産税
プレハブガレージはケースによって、建築確認申請や固定資産税の支払いが生じることがあるため、注意が必要です。
建築確認申請とは、敷地内に建てたい建物が建築基準法に沿っているかどうかを確認するものです。
プレハブガレージの場合、建築確認申請が必要な場合と必要ではない場合があります。
「建築基準法 (建築物の建築等に関する申請及び確認)第六条 四~2」において、建築確認申請が必要な場合は、以下のように定められています。
(建築物の建築等に関する申請及び確認)第六条 四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
2 前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。
<引用:建築基準法>
そのため、プレハブガレージで建築確認申請が必要な場合は、以下の2点に該当しているケースとなります。
- 10㎡以上の建物
- 防火地域または準防火地域
また、プレハブガレージは基本的に固定資産税が発生しません。これは、プレハブガレージが敷地内で基礎工事が行なわれておらず、設置されているだけと認識されているためです。
このように、プレハブガレージは基本的に建築確認申請や固定資産税の支払いが生じないため、手続きや費用面で心配することはないでしょう。
まとめ:プレハブガレージの設置方法と費用
プレハブガレージとは、工場で生産されている部品を組み立てるだけで設置できるガレージのことをいいます。プレハブガレージの設置方法には、自分で苦も立てる方法と業者に依頼する方法の2つがあり、どちらを選択しても問題はありません。
プレハブガレージは比較的安価で性能もよいため、バイクや車を停めるためにガレージを必要している場合は、よい選択であるといえるでしょう。ただし、プレハブガレージには、メリットもデメリットも存在しているため、どちらもしっかり理解して、プレハブガレージを選択する必要があります。
また、プレハブガレージのリフォームは可能ではありますが、解体して新しく設置することも可能です。費用面や手間を比較して、自分が納得できる方法を選択しましょう。