「20代でマイホームを購入するなんて早すぎる」
「20代で住宅ローンの返済は苦しいのでは」
「20代は職業キャリアが固まっていないので、長く住む場所を固定するのは厳しいのではないか」
20代でマイホームを購入するのは、年代的に早い世代となるので不安になるかもしれません。
しかし、親族から贈与を受けたり住宅ローンの返済期間を長くしたりすれば、20代からでもマイホーム購入は可能です。
早くからマイホームを持つことのメリットもデメリットもあるので、検討してみても良いでしょう。
今回は、20代でマイホームを購入することのメリットについて解説します。
頭金や住宅ローン、資金計画についても解説しますので、ぜひ参考としてください。
20代でマイホーム購入するメリット
20代でマイホームを購入するのは、統計的にも早い年代となります。
しかし、早いからと言ってデメリットばかりではありません。
住宅を早く購入すると、返済が早く終わるのでさまざまなメリットがあるのです。
ここでは、20代でマイホームを購入するのは本当に早いのかの検証と、購入するメリットについて説明します。
20代でマイホーム購入するのは早いのか
令和4年3月国土交通省住宅局発行の令和3年度住宅市場動向調査報告書には、マイホームを購入した世帯主の年代が記載されています。
報告書中「2.3世帯に関する事項」で世帯主の年齢層を見てみましょう。
注文住宅や注文住宅(新築)・分譲戸建住宅・分譲マンションでは 30 歳代が最も多く、注文住宅(建て替え)・リフォーム住宅では60 歳以上が最も多いのが特徴です。
また、中古戸建住宅と中古マンションでは40 歳代が、 民間賃貸住宅では30 歳未満が最も多いという傾向がわかります。
なお、購入者の平均年齢(一次取得者)で見ると、次のようになります。
| 種類 | 世帯主の平均年齢 |
| 注文住宅 | 44.0歳 |
| 注文住宅(新築) | 40.9歳 |
| 注文住宅(建て替え) | 60.8歳 |
| 分譲戸建住宅 | 38.4歳 |
| 分譲マンション | 44.3歳 |
| 中古戸建住宅 | 46.9歳 |
| 中古マンション | 46.4歳 |
| 民間賃貸住宅 | 38.3歳 |
| リフォーム住宅 | 60.4歳 |
一番多い層でも平均年齢のいずれの場合でも、20代でマイホームを購入するのは通常より早いことがわかります。
20代でマイホーム購入するメリット
20代でマイホームを購入するのは確かに早いことがわかりました。
しかし、年代が早いことがデメリットに結びつくばかりではありません。
若い年齢で取得する場合は次のようなメリットがあるので、理解しておきましょう。
- 住宅ローンの返済期間が長く取れる
- 早く財産を取得できる
- 老後資金の準備が早くできる
- 賃貸よりも安く快適な環境が手に入る
順に解説していきます。
1.住宅ローンの返済期間が長く取れる
住宅ローンの返済期間は、最長返済可能期間と完済時の年齢で決められます。
たとえば、住宅金融支援機構のフラット35では、最長返済可能期間は35年で、完済時の年齢が80歳を超えないことが条件です。
遅い年代で返済をはじめると、80歳までの期間が短く、最長返済期間が35年よりも短くなってしまう場合があります。
もし、25歳で借り入れをすると仮定すれば、最長35年間借り入れたとしても返済が終わるのは遅くても60歳には返済が終わる計算です。
実際のケースでは、資金に余裕があれば予定より早く返済できる場合もあるので、繰り上げ返済できればその分、完済時の年齢が下がります。
いずれにせよ、20代での借入は30代以降で借りるよりも早く返済できることは明らかです。
2.早く財産を取得できる
若いうちは賃貸住宅に住んでいる人が多いですが、毎月家賃を支払い続けても、賃貸住宅は自分のものにはなりません。
それに対し、20代で住宅を購入して返済をはじめれば、以降の年代よりも早く完済して自分の財産にできます。
資産にならない賃貸住宅に家賃を払い続けるよりも、資産を持つために住宅ローンを返済することに納得感を覚える人も多いでしょう。
また、早く住宅を取得できれば、それを売却したり他人に賃貸したりして収益を得ることも可能です。
自宅で得た収益を元手に、別の不動産を取得する選択肢も増えます。
早く財産を取得できれば、次の展開を考える余地が広がるのです。
3.老後資金の準備が早くできる
20代でマイホームを購入すると、定年を迎える前かその直後には住宅ローンを完済可能です。
そのため、毎月の返済額を調整したり完済したりすると、早い時期から老後の生活資金を準備する余裕が生まれます。
これに対し、30代以上で住宅ローンの返済をはじめると、払い終わるのが定年後までかかってしまうかもしれません。
この点を考慮すると、20代から返済をはじめると返済はその分早く終わるので、余裕のできた資金で不動産投資や金融資産を行えるのです。
老後の生活は年金だけでは足りないことが報道されています。
老後資金の準備を早くはじめられれば、貯蓄や投資で得たお金を生活資金に充てられるなど、老後の資産形成に余裕が生まれるのは大きなメリットです。
4.賃貸よりも安く快適な環境が手に入る
20代では、賃貸住宅に住む人が多いです。
しかし、賃貸でいくら家賃を払っても自分のものにはなりません。
賃貸で支払うはずの家賃を住宅ローンの返済に回せば、長期的に見れば賃貸よりも安く快適な住環境を得られます。
マイホームを購入すると税金や保険料など維持費はかかりますが、長いスパンで見れば家賃を払い続けるよりも金銭面なメリットは大きいです。
また、賃貸では間取りが決められており自由にリフォームできないなど、入居者の自由が制限されています。
注文住宅として取得すれば、建築の際に間取りなど施主の意向を反映できるのがメリットです。
さらに、賃貸では、家賃により借りられる物件に制約があるので、金額面で立地条件や設備面の妥協をせざるを得ない場合もあります。
これらの点から、マイホームを購入した方が長期的には安く快適な家を見つけられると言えるでしょう。
20代でマイホーム購入する時の頭金について
20代でマイホームを購入するときに気になるものの1つに、頭金があります。
頭金は住宅ローンの総額に対して、1〜2割を用意するのが普通です。
しかし、20代は上の世代と比べて預貯金などの金融資産が少ないので、十分な頭金を用意できないかもしれません。
住宅金融支援機構の「2021年度 フラット35利用者調査」では、住宅の種類別の頭金と購入資金に占める割合が示されています。
| 頭金 | 購入資金に占める割合 | |
| 全体 | 407.9万円 | 10.9% |
| 注文住宅 | 596.6万円 | 16.7% |
| 土地付注文住宅 | 412.3万円 | 9.3% |
| 建売住宅 | 270.0万円 | 7.5% |
| マンション | 785.9万円 | 17.4% |
| 中古戸建 | 214.9万円 | 8.2% |
| 中古マンション | 418.9万円 | 13.8% |
頭金として用意できるお金が少なければ、借入目標とする資金調達額に届かない可能性があります。
ただし、頭金が用意できない場合でも、頭金なしのフルローンを組むことが可能です。
しかし、フルローンの場合は、頭金を用意するのと比べて借入額が増えるので、結果的に利息負担が大きくなってしまう点に注意しましょう。
たとえば、フラット35などの住宅ローン商品では、ある程度の頭金を用意すれば金利が優遇されるサービスもあるので、融資条件の確認が必要です。
(2022年12月現在)
| 融資率 | 金利の範囲 |
| 9割以下 | 年1.650%~年3.000% |
| 9割超 | 年1.910%~年3.260% |
20代でマイホーム購入する時の住宅ローンについて
20代でマイホームを購入するには、住宅ローンを活用するのが一般的です。
借入先には、都銀や地銀から信用金庫・住宅ローン会社までさまざまな選択肢があります。
各金融機関では、フラット35のほかにも独自のローン商品を用意しているのが特徴です。
住宅ローンの借入れには、次のような要素があります。
- 返済期間
- 借入時の金利水準(固定金利か変動金利か)
- 年収による借入限度額
- 月々の返済額
住宅ローンの返済期間は、完済までの年数と最長返済期間の短い方が採用されます。
フラット35のような一般的な住宅ローンは、返済最長期間が35年とされているので、借入年齢が若いほど早く完済できることになります。
毎月の返済額を抑えたければ、返済期間を35年ギリギリまで長く設定することもできますが、返済期間が長くなると金利負担も増えるので注意が必要です。
また、住宅ローン借入時の金利の動向や年収による借入限度額・月々の返済額などにも注意しましよう。
20代でマイホーム購入する時の資金計画について
20代でマイホームを購入する際に、最も気になるのは資金計画でしょう。
資金計画は、自分で用意できる頭金や住宅ローン・親族から贈与を受ける住宅資金などからなります。
若い世代では、住宅取得のための資金計画に不安を持つ人は少なくありません。
ここでは、20代の資金計画で気になる点と対策を解説します。
頭金が少ない場合
年収が低い場合
頭金が少ない場合
20代は働き始めて年数が経っておらず、収入が不安定か比較的低いケースが多いです。
そのため、貯蓄に回す余裕がなく、住宅取得のため用意できる頭金にも限りがあります。
しかし、頭金が用意できなくても住宅ローンを組むことは可能です。
頭金が不要なフルローンでは、借入金利が高くなるため返済総額に対する金利負担分が大きくなってしまいます。
その場合でも、返済期間を最長まで設定するなどすれば、毎月の返済額を抑えることは可能です。
また、頭金を確保するための自己資金が足りない場合には、親族から住宅資金の贈与をお願いするのもよいでしょう。
親や祖父母から住宅取得資金の提供を受けると、税制上の優遇措置があります。
贈与税の非課税限度額は、省エネ等住宅の場合は最大1,000万円まで、それ以外の場合は最大500万円までです。
また、生前の贈与を相続時に精算する相続時精算課税制度もあります。(贈与時に2,500万円まで非課税)
贈与税や相続税対策上も有利な制度ですので、税理士など専門家を交えて親族と相談してみるのもよいでしょう。
年収が低い場合
確かに、20代で職が安定しなかったり、年収が低かったりする場合は、住宅ローンを組むのが難しい場合があります。
金融機関によって融資審査の基準が異なるので、事前に確認しておきましょう。
しかし、就職して何年も経過していて収入も安定しているのであれば、借入も可能です。
たとえば、フラット35では、住宅ローンの借入に当たり最低年収は決められていません。
年収に対して、住宅ローン以外も含めたすべての合計返済額の割合が決められているだけです。
| 年収 | 基準 |
| 400万円未満 | 30%以下 |
| 400万円以上 | 35%以下 |
単独で借りる以外にも、結婚していれば夫婦それぞれが借入を行うペアローンや、連帯債務・連帯保証などの制度もあるので借入を希望する金融機関に相談してみましょう。
20代でマイホーム購入まとめ
20代でのマイホーム購入は平均と比べて早いタイミングですが、決して不可能ではありません。
20代でマイホームを購入するメリットは次のとおりです。
- 住宅ローンの返済期間が長く取れる
- 早く財産を取得できる
- 老後資金の準備が早くできる
- 賃貸よりも安く快適な環境が手に入る
20代は年収が低い傾向があり、頭金や住宅ローンの審査が不安かもしれません。
しかし、税制上の優遇措置を利用して親族から住宅取得資金の提供を受けたり、返済期間を長くして毎月の返済額に余裕を持たせたりすることで、克服できる可能性があります。
税理士等の専門家や金融機関などのアドバイスも参考に、最善の方法を検討してみましょう。
今回は、20代でのマイホーム購入を考えている方に役立つ情報について解説しました。
この記事が、住宅取得の参考となれば幸いです。



















