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注文住宅の見積もりは何社する?依頼時の注意点と失敗しないための比較ポイント

注文住宅を建てるときに気になるのは費用のことでしょう。注文住宅を建てる際には、見積もりを取らなければなりません。

注文住宅の見積もりはハウスメーカーや工務店に依頼して提示してもらうのですが、そのときに知っておかなければならないことはたくさんあります。

この記事では、注文住宅の見積もりは何社に依頼すべきかをはじめ、注文住宅の見積もり依頼の取り方とポイント、注文住宅の見積もりの比較方法、注文住宅の見積もりの注意点と失敗を避ける方法について、詳しくご紹介いたします。

注文住宅の見積もりは何社に依頼すべき?

注文住宅の見積もりは、2〜3社に依頼しましょう。このように、数社に見積もりを取ることを「相見積もり」といいます。相見積もりは見積もりを取りたいと思ったハウスメーカーや工務店をしぼり、2〜3社に見積もりを依頼するのが最適であるとされています。

なぜ、2~3社の相見積もりが最適であるかと言われているかというと、見積もりを依頼するのにもコミュニケーションをしっかり取る必要があるからです。見積もりを取ったら、打ち合わせを重ねていきます。

また、見積もりは見積もりを取ったら終わりではなく、そこから比較・検討を行なわなければなりません。そのため、たくさんのハウスメーカーや工務店から見積もりを取ってしまうと、比較・検討だけで莫大な時間と労力が必要になってしまいます。

コミュニケーションを取ることや時間や労力をかけること、比較・検討を行なわなければならないことを考えると、2~3社に見積もりを依頼するのが妥当であるといえるでしょう。

注文住宅の見積もり依頼の取り方とポイント

注文住宅の見積もりを依頼するときには、依頼の取り方とポイントがあります。しっかりと依頼の取り方とポイントを抑えておくことで、自分が必要としている注文住宅の見積もりを取ることが可能になります。注文住宅の見積もりは、注文住宅を購入する際の第一歩目なので、とても重要です。

注文住宅の見積もり依頼の取り方とポイントには、以下の5点があります。

  • 見積もりを依頼するときに予算をしっかり伝える
  • 優先順位を伝えておく
  • 見積もりを依頼するときの条件は同じにする
  • 土地がすでにある場合は伝えておく
  • 見積もりに記載される内容について知っておく

それでは、注文住宅の見積もり依頼の取り方とポイントについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

見積もりを依頼するときに予算をしっかり伝える

見積もりを依頼するときには、予算をしっかり伝えておきましょう。注文住宅の予算が明確でない場合は、見積もりの出しようがありません。

注文住宅を購入するときには、預貯金と住宅ローンの返済額によって、予算を算出します。住宅ローンでいくらくらい借りられるかは、住宅ローンの事前審査と本審査に通過してからでないとわからないので、シミュレーションを利用して、おおよその住宅ローンの返済額を把握しておきましょう。

明確な予算をハウスメーカーや工務店に伝えておくことで、予算に近い見積もりを出してもらいやすくなります。

また、注文住宅を建てるときには、注文住宅だけにお金がかかるわけではありません。家具や家電を新調したり、メンテナンス(修理・リフォーム)の費用を貯めておいたりする必要があります。それらの費用をしっかりと考えた上で、注文住宅の予算を決めておきましょう。

優先順位を伝えておく

注文住宅を建てるときには、さまざまなことを決めなければなりません。間取りをはじめ、壁のクロスや床材、設備、外観などありとあらゆるものを自分で決めていく必要があります。

基本的に標準的なもので用意がされていますが、予算に合わせて、グレードを調整してもらえます。注文住宅の見積もりを依頼するときには、何を優先したいかといった優先順位をきちんと伝えておくようにしましょう。

優先順位に合わせて、グレードを調整してもらうことで、より理想に近い注文住宅の見積もりを出してもらえます。どんな注文住宅にしたいのかイメージが明確であれば、参考にした雑誌やインターネットサイトなどの情報を提出するのもひとつの方法です。

見積もりを依頼するときの条件は同じにする

見積もりを依頼するときは、相見積もりにするため、条件をそろえておく必要があります。たとえば、間取りや優先したいもの、工法などを事前に決めておき、同じ条件で見積もりを依頼することで、どの見積もりが一番優れているかを判断できます。

また、値下げ交渉をする場合にも、同じ条件で出してもらった見積もりは必要です。見積もりで提示されている設備が同一商品にも関わらず、見積もりの金額が異なる場合には、高い見積もりを出しているハウスメーカーや工務店に値下げの交渉をすることができます。

このように、同じ条件で見積もりを依頼することは、比較するときに重要な役割を果たします。

土地がすでにある場合は伝えておく

土地がすでに決まっている場合は、土地の図面を提出しましょう。

土地の広さによって、建てられる注文住宅は決まってきますし、地盤調査次第では土地の改良といった費用もかかってきます。

土地がすでにある場合は、より正確な見積もりを出してもらえるといったメリットがあります。

見積もりに記載される内容について知っておく

見積もりを依頼して、見積もりを出してもらいますが、見積書を提示される前に見積書に記載されている内容を知っておくことは大切です。

見積書には、以下の3点が基本的に記載されています。

  • 本体工事費用
  • 付帯工事費用
  • 諸費用

しかしながら、すべてのハウスメーカーや工務店が同じ項目で見積書を出していたとしても項目の内容まで同じであるというわけではありません。

これらの費用のうち、どの工事がどの項目に含まれているかは、見積もりを出してもらったハウスメーカーや工務店に問い合わせなければわからないので、ハウスメーカーや工務店に確認しましょう。

注文住宅の見積もりの比較方法

注文住宅の見積もりは、見積もりを取ったら終わりではありません。見積もりを比較して、検討する必要があります。その際に重要になってくるのが、注文住宅の見積もりの比較方法です。正しい注文住宅の見積もりの比較方法を知っておくことで、一社に決めるときに戸惑ったり、間違ったりせずにすみます。

注文住宅の見積もりの比較方法は、以下の8点があります。

  • 不明確な箇所はきちんと確認する
  • 実際にかかる費用について把握しておく
  • 見積もりの合計金額が予算内かを確認する
  • 総費用額を確認する
  • 諸費用にすべてきちんと含まれているか確認する
  • 買主の希望が反映されている見積もりかを確認する
  • 見積もり依頼の対応の仕方を見ておく
  • 見積もりを断るときは丁寧に断る

それでは、注文住宅の見積もりの比較方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

不明確な箇所はきちんと確認する

見積書に記載されている項目のうち、不明確な箇所がある場合は必ず確認しましょう。

「一式」などと書いてあり、項目の内容が明確になっていない箇所や書いている項目の意味がわからないときなどは遠慮せずに聞くことが大切です。

わからない箇所をわからないままにして話を進めてしまうと、注文住宅を建てる段階になってから、齟齬が出てくる可能性があります。

実際にかかる費用について把握しておく

見積もりは予算内に収まるように提示されますが、実際に注文住宅を建てる際にかかる費用は見積もり以上になります。

なぜならば、注文住宅の見積もりの場合、注文住宅を建てるだけの費用だからです。注文住宅を建てる際に、見積もり以外でかかる費用には、インターネットの開設費用や家具家電の購入費用などがあります。

また、見積もりを提示されてから予算が上がる可能性もあります。たとえば、地盤調査をした結果、地盤に問題があった場合に地盤改良をするとその分の費用が見積もりよりも上がってしまうので注意が必要です。

追加費用がかかる可能性のあるものを最初から提示してくれるハウスメーカーや工務店もありますが、後から追加費用を提示されることも多いので、見積もりよりもどの程度実際の費用が高額になるかを確認しておくことは大切です。

もちろん、見積もりから実際にかかる費用が上がるだけでなく、下がることもあります。設備のグレードを下げるなどしてコストを抑えれば、見積もりよりも費用を下げることが可能です。実際にかかる費用が上がってしまいそうなときは、設備の見直しをしてみましょう。

見積もりの合計金額が予算内かを確認する

見積もりを依頼するときには、予算を伝えます。ですが、見積もりを提示されたときに予算を超えた見積もりを出されてしまうことはゼロではありません。

誤差の範囲であったとしても、注文住宅は大きな買い物ですので、必ず見積もりの合計金額が予算内になっているかを確認しましょう。

注文住宅を建てる場合には、予算よりも実際にかかる費用が高くなることもあります。見積もりの段階で予算を超えてしまっていると、実際にかかる費用はさらに高くなってしまう可能性があるので注意が必要です。

総費用額を確認する

見積もりを確認するときに目を向けがちなのが「本体工事額」です。本体工事額が安いと、見積もりが安いような錯覚に陥ることがありますが、本当に確認しなければならないのは、「総費用額」です。

総費用額はその名前の通り、すべての費用額の合計額です。総費用額が高ければ、それだけ注文住宅にかかる費用が高くなります。必ず総費用額を確認して、見積もりを比較・検討するようにしましょう。

諸費用にすべてきちんと含まれているか確認する

見積もりで出させれる諸費用には、地盤調査費用をはじめ、火災保険料や地震保険料など、さまざまなものが含まれています。

見積書に諸費用と書かれている場合には、すべての諸費用が含まれているかを確認する必要があります。諸費用の内訳を正確に把握するようにしましょう。

買主の希望が反映されている見積もりかを確認する

見積もりを依頼するときには、買主の希望を伝えます。たとえば、キッチンのグレードを上げたり、こだわりの床材を使用したりといったことです。

これらの希望が見積書にしっかり反映されているかを確認することが大切です。買主の希望が反映されていない場合には、再度見積書を出してもらいましょう。

見積もり依頼の対応の仕方を見ておく

見積もりを依頼したときから見積もりを出してもらった後まで、ハウスメーカーや工務店の対応はしっかり見ておきましょう。

見積もりを依頼してから、打ち合わせは数度にわたります。打ち合わせで親身になって相談に乗ってくれたり、買主の要望をしっかり見積もりに盛り込んでくれたりするかなど、どのような対応をするかで信頼度が変わってくるでしょう。

注文住宅を建てるということは、時間もお金も要します。きちんと信頼関係の築けるハウスメーカーや工務店に依頼しないと、途中で頓挫してしまう可能性もゼロではありません。しっかりと、どのような対応をしてもらえるかを確認しましょう。

見積もりを断るときは丁寧に断る

見積もりを比較した後にしなければならないことのひとつに、お断りがあります。

見積もりは基本的に無料で対応してもらえますが、打ち合わせなどを重ね、時間も労力もハウスメーカーや工務店にかけてもらっています。

相見積もりを取り、ほかのハウスメーカーや工務店に注文住宅の建築を依頼する場合には、丁寧に断りの連絡を入れましょう。

注文住宅の見積もりの注意点と失敗を避ける方法

注文住宅の見積もりを依頼するときには、事前に知っておかなければならないことがたくさんあります。それらは「注文住宅の見積もり依頼の取り方とポイント」や「注文住宅の見積もりの比較方法」でも先述した通りです。

それだけでなく、注文住宅の見積もりの注意点と失敗を避ける方法についても事前に理解しておくことで、注文住宅の見積もりの失敗をする確率を下げることができます。

注文住宅の見積もりの注意点と失敗を避ける方法には、以下の6点があります。

  • 仮契約をするときは慎重に行う
  • 希望が反映されているかを必ず確認する
  • 見積もりに抜けがないかを確認する
  • 項目がまとめられていないかを確認する
  • 坪単価が相場からかけ離れていないかを確認する
  • スケジュールを確認しておく
  • 提示されたプランが納得のいくものであるかを確認する

それでは、注文住宅の見積もりの注意点と失敗を避ける方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

仮契約をするときは慎重に行う

見積もり依頼をした後に、見積書を提示してもらいますが、仮契約を進められることがあります。

ですが、仮契約はこの段階でしてはいけません。特に建築請負契約書での契約は仮契約ではなく、本契約になってしまいます。

本契約をしてしまうと、契約を解除する場合、違約金が発生してしまうので注意が必要です。

希望が反映されているかを必ず確認する

見積もりを依頼するときには、買主の希望を伝えます。

このとき、明確に伝えることが大切ではあるのですが、きちんと伝えたにも関わらず、見積書に希望が反映されていないことがあるので、見積書にきちんと反映されているかを確認しましょう。

見積もりに抜けがないかを確認する

見積もりは2~3社から取る相見積もりであるため、必ず比較・検討します。そのときに、A社に記載されている費用がB社には記載されていないなんてことが起こりえます。

2~3社の見積書を比較・検討することで、もらった見積書に抜けがないかを確認しましょう。

見積書に抜けがあった場合には、どうしてその項目が含まれていないかの理由を確認し、必要があれば、抜けている部分を入れた見積書を再度提出してもらうのが重要です。

項目がまとめられていないかを確認する

見積書には基本的に記載されている「本体工事費用」・「付帯工事費用」・「諸費用」がありますが、どの項目になんの費用が入っているかは、ハウスメーカーや工務店によって異なります。なんの費用がどの項目にまとめられているかを細かく確認するようにしましょう。

また、「一式」というのも便利な言葉であり、本来であれば細かい項目ごとに分かれるはずのものをまとめて記載しています。一式の内訳がどのようになっているかもきちんと確認することが大切です。

坪単価が相場からかけ離れていないかを確認する

注文住宅を建てる場合には、坪単価で費用が決まります。

坪単価は相場が決まっているので、相場から提示された坪単価が大きくかけはなれていないかを確認しましょう。

地域によって多少の差はありますが、注文住宅の坪単価はおおよそ88万円です。

スケジュールを確認しておく

見積もりを依頼してから、ハウスメーカーや工務店から見積もりを出してもらえるまで、基本的には1~2週間ではありますが、見積もりの内容によっては1ヵ月程度かかることがあります。見積もりを依頼してから見積もりを出してもらえるまでに時間がかかるのは、度重なる打ち合わせが必要になるためです。

注文住宅を建てたいと思ったら、見積もり依頼から見積もりが出るまでの時間もしっかりスケジュールに組み込んでおきましょう。また、すでに入居したい時期が決まっている場合には、見積もりを依頼するときに、その旨もハウスメーカーや工務店に伝えておくことが大切です。

提示されたプランが納得のいくものであるかを確認する

注文住宅の見積もりを依頼するときに、買主の希望を伝えますが、それ以外にもハウスメーカーや工務店が提案してくれるプランがあります。

提案してもらったプランが納得のいくものでない限りは、承諾してはいけません。

まとめ:注文住宅の見積もり依頼は何社にするべき?

注文住宅を建てるときには、必ず見積もりを取ります。注文住宅の見積もりは何社に依頼すべきか悩んだら、2~3社で取るようにしましょう。相見積もりをすることで、見積もりの内容を比較・検討しやすくなります。

注文住宅の見積もり依頼の取り方とポイントや注文住宅の見積もりの比較方法は、注文住宅の見積もりを依頼する上で、抑えておかなければならない点です。しっかりと、これらを抑えておくことで、見積もりを依頼するときに比較・検討がスムーズに進むだけでなく、大きな失敗をしないことにつながります。また、注文住宅の見積もりの注意点と失敗を避ける方法についても知っておくと、注文住宅の見積もりで失敗をする確率を下げられるでしょう。

このように、注文住宅を建てるときに最初にやらなければならない見積もりの依頼は、簡単なようでとても手間のかかる作業であることがわかります。注文住宅を建てるときには、見積もり依頼から丁寧に行うようにしましょう。