軒ゼロ住宅という言葉を耳にしたことはあっても、一体どんな住宅のことを指すのかわからない方も多いのではないでしょうか?
軒ゼロ住宅は住宅の建て方のひとつであり、多くのメリットがあります。
ですが、軒ゼロ住宅にはメリットがあるようにデメリットもあるため、軒ゼロ住宅を建てる場合には、さまざまな観点から熟考しなければなりません。
この記事では、軒ゼロ住宅とは一体どんな特徴がある住宅なのかをはじめ、軒ゼロ住宅のメリットとデメリットや軒ゼロ住宅の雨漏り対策、軒ゼロ住宅の換気方法について、詳しくご紹介いたします。
軒ゼロ住宅とは?
軒ゼロ住宅とは、軒がなかったり、短かったりする住宅のことをいいます。軒とは、雨どいのついた屋根の端部分であり、建物から飛び出た部分のことです。
軒ゼロ住宅では、以下の2つのどちらかに当てはまることを指します。
- 軒の出が25㎝以下しかない
- ケラバが15㎝以下しかない
軒の出とは、軒の出っ張った部分のことをいいます。
ケラバとは、軒のように建物から飛び出た部分ではありますが、雨どいがついていません。また、軒ゼロ住宅の中にはケラバが付いていない住宅もあります。
このように、本来ある軒の出やケラバが少ししかない(軒がない)住宅のことを「軒ゼロ住宅」と呼びます。
軒ゼロ住宅のメリット
基本的に住宅には軒がありますが、敢えて、軒を付けない軒ゼロ住宅を建てることがあります。それは軒ゼロ住宅にさまざまなメリットがあるからです。
では、軒ゼロ住宅には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、軒ゼロ住宅のメリットについてご紹介いたします。
軒ゼロ住宅のメリットには、以下の6点があります。
- 室内が広く使える
- 資材・施工費用をコストカットできる
- 点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をする部分を減らせる
- 耐震性を高められる
- おしゃれな外観デザインにできる
- 室内が明るくなりやすい
それでは、軒ゼロ住宅のメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
室内が広く使える
軒ゼロ住宅の場合、本来であれば軒にする部分を室内のスペースにあてて、住宅を建てられています。
その結果、軒ゼロ住宅は、軒のある住宅と比較して、同じ敷地面積であったとしても、室内を広く確保できるといったメリットがあります。
より広い間取りにしたい場合や狭い土地で少しでも広い室内にしたい場合には、有効な建て方であるといえるでしょう。
資材・施工費用をコストカットできる
軒ゼロ住宅の場合、軒をつくらない分、資材や施工費用を削減できます。また、軒をつくらない分、屋根工事の工事で手間がかかりません。
このほか、軒天(軒天井)の基礎工事も必要がないため、住宅を建てるときのコストをカットできるといったメリットにつながります。
軒ゼロ住宅は、少しでも安く住宅を建てたいときには適した方法です。
点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をする部分を減らせる
軒ゼロ住宅は、軒がないため、軒天(軒天上)の点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をする必要がありません。
点検やメンテナンス(修理・リフォーム)にも費用はかかるため、軒がないことでメンテナンス(修理・リフォーム)する部分を減らせ、結果としてコストカットができます。
耐震性を高められる
耐震性を上げるためには、屋根を軽くする必要があります。
耐震性を高めるためには、屋根材を軽くしたり、屋根部分を小さくしたりする方法がありますが、軒ゼロ住宅の場合、軒がある住宅と比較して、軒がない分、屋根部分の重さが軽くなるため、耐震性が高められます。
おしゃれな外観デザインにできる
軒ゼロ住宅は、軒のある住宅と比較して、外観デザインをおしゃれにできます。
軒ゼロ住宅は、キューブ型に建てることが可能であり、シンプルかつスマートな印象を与えるため、外観デザインをおしゃれにしたい場合には、おすすめの建て方です。
室内が明るくなりやすい
軒ゼロ住宅は、軒がある住宅よりも日差しが室内に入りやすい傾向にあります。
これは、軒が日差しを遮っているためです。自然光を室内に入れて室内を明るくしたい場合には、軒ゼロ住宅のつくりはメリットであるといえるでしょう。
軒ゼロ住宅のデメリット
軒ゼロ住宅には、「軒ゼロ住宅のメリット」でも先述した通り、さまざまメリットがあります。それに対して、軒ゼロ住宅のデメリットも存在しています。
では、軒ゼロ住宅には、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
ここでは、軒ゼロ住宅のデメリットについてご紹介いたします。
軒ゼロ住宅のデメリットには、以下の5点があります。
- 雨漏りがしやすくなる
- 外壁の劣化が進みやすい
- 室外機・給湯器など、外に置いてある設備が劣化しやすい
- 日差しが室内に差し込みやすい
- 雨が降り込むことがある
それでは、軒ゼロ住宅のデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
雨漏りがしやすくなる
軒ゼロ住宅の場合、軒が雨をつたわない分、直接外壁に雨が伝います。雨が何度も壁をつたうと外壁のコーキングやシーリングが劣化しやすくなるだけでなく、外壁の藻やコケ、カビなどの発生の原因にもなってしまうため、注意が必要です。
また、壁にヒビ割れがある場合には、そのヒビ割れから雨水が内部に侵入してくる原因にもなります。雨漏りは外壁の劣化や壁のヒビ割れからの雨水の侵入が原因であることが多いため、軒ゼロ住宅の場合は雨漏りの確率が軒のある住宅に比べて非常に高くなります。
雨漏りは外壁に問題があるのはもちろんのこと、室内にも問題を生じさせます。室内にも問題が起こってしまうと、メンテナンス(修理・リフォーム)の費用がかさんでしまうため、雨漏りが起こる前に対策をすることが大切です。
外壁の劣化が進みやすい
軒ゼロ住宅の場合は、軒がないことで雨が直接壁につたってしまいます。本来であれば、軒があることで、壁に雨が直接つたうことはありません。
雨が直接壁につたってしまうと、壁に藻やコケ、カビの原因になるだけでなく、外壁に使用されているコーキングやシーリングが劣化してしまい、外壁全体の劣化につながってしまいます。
これらが悪化してしまうと、雨漏りへとつながるため、注意が必要です。
室外機・給湯器など、外に置いてある設備が劣化しやすい
軒のある住宅の場合は、軒が室外機や給湯機などにあたる日差しやかかってしまう雨を遮ります。
ですが、軒ゼロ住宅の場合には、室外機や給湯機などにあたる日差しやかかってしまう雨を軒がないので防ぐことができません。
その結果、室外機や給湯機などが劣化しやすくなります。室外機や給湯器などの設備も劣化してしまうと、修理や買い替えが必要となってしまうので、定期的に点検やメンテナンス(修理・リフォーム)をするようにしましょう。
日差しが室内に差し込みやすい
軒がある住宅の場合、軒が日差しを遮るため、室内に日差しが入りにくくなります。
ですが、軒ゼロ住宅の場合は、軒がないことで室内に日差しが入りやすくなります。
室内に自然光を取り入れたい場合には、軒がないことで室内に日差しが入ることがメリットになりますが、紫外線などが気になる場合にはデメリットになるといえるでしょう。
雨が降り込むことがある
軒がある住宅の場合は、軒があることで小雨程度であれば、窓を開けても雨が室内に降り込むことはありません。
ですが、軒ゼロ住宅の場合は、小雨程度であっても室内に降り込んでしまうため、窓を開けるときには注意が必要です。
軒ゼロ住宅と雨漏り対策について
軒ゼロ住宅のデメリットのひとつでもある雨漏りは、生活をしていく上で、とても困るトラブルです。
軒ゼロ住宅のデメリットの中で特に問題があるものでもあります。
そんな軒ゼロ住宅の雨漏り対策には、いくつかの方法が存在しています。
軒ゼロ住宅の雨漏り対策の方法には、以下の5点があります。
- 外壁塗装の点検を定期的に行う
- 外壁のメンテナンス(修理・リフォーム)を定期的に行う
- 外壁のヒビ割れが起きたら、シーリング剤で修理する
- 外壁をタイルで施工する
- 庇を後から施工する
それでは、軒ゼロ住宅の雨漏り対策の方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
外壁塗装の点検を定期的に行う
軒ゼロ住宅の雨漏り対策で絶対に欠かしてはいけないのが外壁塗装の定期的な点検です。
軒ゼロ住宅は外壁にトラブルが起きやすいため、外壁塗装の剥がれなどが起きていないかを確認する必要があります。
外壁塗装に問題がなければ、雨漏りの可能性を下げらるため、10年に1度は点検を行うようにしましょう。
外壁のメンテナンス(修理・リフォーム)を定期的に行う
外壁塗装の定期的な点検で外壁塗装に問題が起きている場合には、メンテナンス(修理・リフォーム)を行うようにしましょう。
問題が発生していることがわかったら、早い段階でメンテナンスをすることが大切です。
そのまま放置してしまうと、劣化している部分が悪化してしまい、メンテナンスの費用が高額になってしまうことがあります。
外壁のヒビ割れが起きたら、シーリング剤で修理する
外壁のヒビ割れから雨水が侵入してしまうと、雨漏りの原因となってしまいます。
外壁にヒビ割れを見つけたら、早期の修理が重要です。大きなヒビ割れでなければ、シーリング剤を用いた修理で済みます。
外壁をタイルで施工する
外壁が劣化してしまい、雨漏りの原因になってしまう場合には、外壁のメンテナンス(修理・リフォーム)の方法のひとつとして、外壁をタイルで施工する方法があります。
タイルの場合は、防水性が高いだけでなく、耐久性も高いので、雨漏りの対策に適しています。
庇を後から施工する
軒ゼロ住宅の場合、小雨のときに窓を開けても雨が室内に降り込んでしまいます。
ですが、窓に庇を後から施工することによって、窓に雨が降り込むのを防げるだけでなく、シーリング部分の劣化を防ぐことにもつながり、雨漏りの対策として有効です。
軒ゼロ住宅の換気方法について
軒ゼロ住宅を建てるときに注意をしているのは、主に外壁のことであるといえるでしょう。
軒ゼロ住宅のデメリットとして挙げられている雨漏りが起こりやすいため、雨漏り対策をメインに考えがちです。ですが、軒ゼロ住宅の場合、外壁だけでなく室内のことも考えなければなりません。
軒ゼロ住宅の場合、換気方法もきちんと対応しなければ、結露が原因となったカビやシロアリの原因になり、住宅の劣化につながってしまうので注意が必要です。
軒のある住宅であれば、軒裏に換気をするための通気口を設置しますが、軒ゼロ住宅の場合は軒裏に設置する通気口を設置することができません。
軒ゼロ住宅の場合は、軒裏に通気口の代わりに換気部材を設置します。軒ゼロ住宅でも設置できる換気部材を設置することで、換気ができるようになり、結露が原因のカビやシロアリなどを防ぐことが可能です。
軒ゼロ住宅の特徴まとめ
軒ゼロ住宅と聞いたことがあったとしても、実際にどんな住宅であるかはあまり知られていません。
軒ゼロ住宅とは、「軒の出が25㎝以下しかない」または「ケラバが15㎝以下しかない」住宅のことをいいます。
軒ゼロ住宅は、軒がないことでメリットもありますし、デメリットもあります。軒がないことでのメリットは外観デザインがおしゃれであったり、コストカットができたりするなど、さまざまです。
ですが、軒がないことのデメリットは雨漏りや外壁の劣化など、生活をしていく上でトラブルの元となるようなことばかりであるため、定期的な点検とメンテナンス(修理・リフォーム)が必要となります。
軒ゼロ住宅に住むのであれば、軒ゼロ住宅の雨漏り対策や軒ゼロ住宅の換気方法についても詳しく知っておくことが大切です。



















