建売住宅を購入するとき、注文住宅よりも価格が安い理由は、デメリットばかりなのかと不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、建売住宅には、価格が安くてもしっかりとしたメリットもあります。建売住宅を購入するときは、後悔しないための注意点に気を付けていれば、問題なく、納得のいく購入ができるでしょう。
この記事では、建売住宅が安い理由をはじめ、建売住宅と注文住宅の違いや注文住宅より安い建売住宅のデメリットとメリット、建売住宅の購入で後悔しないための注意点について、詳しくご紹介いたします。
建売住宅が安い理由とは?
住宅にはさまざまな建て方があり、その中でも建売住宅は安いことで有名です。
もちろん、建売住宅が安いことには、きちんとした理由があります。
建売住宅を購入するときには、建売住宅が安い理由をしっかり把握した上で購入することでイメージと違ったというトラブルを避けられるでしょう。
建売住宅が安い理由には、以下の8点があります。
- 人件費をコストカットしている
- 工期を短くして、コストカットしている
- 一括で土地を購入して、コストカットしている
- 資材をまとめて購入してコストカットしている
- 設計費が安くすむ
- モデルハウスが必要ない
- 設備のレベルが高くない
- 売れない場合は、値引きをして販売される
それでは、建売住宅が安い理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
人件費をコストカットしている
建売住宅は同じようなデザインの住宅を複数建てるため、工事内容が注文住宅などと比べると簡単な傾向にあります。
そのため、少ない人員で建てることが可能となり、人件費をカットできます。
工期を短くして、コストカットしている
建売住宅は同じようなデザインの住宅を複数建てることにより、手間を最小限に抑えることが可能です。
結果として、工期が短くなり、コストカットにつながっていきます。
広い土地を一括購入して、コストカットしている
建売住宅は1軒だけ建てるのではなく、似たようなデザインの住宅を敷地内にまとめて数軒建てます。
これは、建売住宅を建てるときに、広い土地を一括で購入して、その敷地を分割して建売住宅を建てているからです。
小さな土地をひとつずつ購入するよりも広い土地を一括で購入する方がコストを抑えられるため、建売住宅は土地代もコストカットができます。
資材をまとめて購入してコストカットしている
建売住宅は同じような住宅を複数建てるため、同じ資材を大量に使用します。
仕入れの段階で、同じ資材を大量に購入するため、コストカットができます。
設計費が安くすむ
建売住宅は同じような住宅を複数建てるため、その都度、設計費がかかるわけではありません。
毎回まったく同じ住宅を建てるわけではないので、丸々同じ設計図を使用するわけではありませんが、注文住宅のように毎回新しい設計図をつくる必要がないため、設計費自体を抑えることが可能です。
モデルハウスが必要ない
建売住宅はすでに住宅を建てて販売しているため、モデルハウスを別途建てる必要がありません。
住宅を建てるときにはモデルハウスの見学に行き、イメージを確認しますが、建売住宅の場合は建売住宅の中を直接確認することができるためです。
設備のグレードが高くない
設備のグレードは、住宅によってさまざまです。
住宅の建て方によって、設備のグレードを上げたり下げたりすることも可能ですが、基本的に建売住宅の場合は高いグレードのものを使用しない傾向にあります。
もちろん、建売住宅の中でも設備のグレードが高いこともありますが、建売住宅が安い場合には、それ相応のグレードの設備だと考えておきましょう。
売れない場合は、値引きをして販売される
建売住宅の場合、すでに住宅を建てているため、売れない場合には値引きをして販売される傾向にあります。
建売住宅が安いときには、元の価格ではない可能性があるということです。
ただし、住宅は建ててから劣化が始まっていくので、建ててからどのくらいの時間が経っているかはよく確認してから購入しましょう。
建売住宅と注文住宅の違い
住宅の建て方には、建売住宅以外にも、注文住宅や分譲住宅などがあります。
さまざまな建て方の中から、費用面や希望などを考え、自分の理想にあった建て方を選択しなければなりません。
建売住宅と注文住宅には、さまざまな違いがあります。
以下の表は、建売住宅と注文住宅の違いを一覧にしたものです。
【建売住宅と注文住宅の違い一覧】
| 建売住宅 | 注文住宅 | |
| 土地(更地)探し | 必要なし | 必要あり |
| 家の建て方 | すでに建っている住宅を購入する | 土地探しから始めて、どのような家を建てるか設計から携わる |
| 工期 | すでに住宅を建っているので、特になし(引き渡しまで時間がかからない) | 自由設計のため、住宅を建てる方法の中で一番工期がかかる |
| 工事の過程 | すでに住宅が建っているため、確認できない | 住宅を建てている間も随時確認行くことができる |
| 土地の状態 | すでに住宅が建っているので、確認ができない | 住宅を建てる前に確認ができる。問題がある場合には把握して、問題解決が可能 |
| セキュリティ面 | すでに建っている住宅であるため、購入前に他人も家の中を確認しており、セキュリティ面に心配が残る | セキュリティ面にこだわって建てることが可能 |
| 住宅ローン | 土地と建物の支払いをまとめて契約する | 土地と建物の支払いを別に契約する |
| 間取り | 最初から決まっている | 自分の好きなように自由に決められる |
| 設備 | すでに住宅が建てられているため、予め決まっている | 自由に決められる
|
| クロスや床材 | すでに住宅が建てられているため、予め決まっている | カラーや材質など自由に決められる |
| 屋根材 | すでに住宅が建てられているため、予め決まっている | 好きな屋根材を自由に決められる |
| 外観 | すでに住宅が建てられているため、予め決まっている。
近くに似たような外観の住宅が並んでいる可能性がある |
好きな外観で住宅を建てられる。
周りの住宅とは異なる外観にできる |
| 価格 | 注文住宅と比較して安い | 建売住宅と比較して高い。また、家を建てる方法の中で一番高額である |
このように建売住宅と注文住宅には、大きな違いがたくさんあります。
どちらの建て方がいいかは、家を建てるときに何を重視するかによって異なるため、何を優先したいかを明確にすることが大切です。
建売住宅の費用は安いですが自由度が低く、注文住宅の費用は高いですが自由度は高いといった特徴があります。
注文住宅より安い建売住宅のデメリット
注文住宅より建売住宅が安いのには、理由があります。
そして、安いことによるデメリットももちろん存在しています。
建売住宅を購入するときには、デメリットをよく理解しておくことで、後悔や失敗を減らせるので、デメリットを知っておくことは大切です。
注文住宅より安い建売住宅のデメリットには、以下の5点があります。
- 間取り・外観デザイン・設備などを自由に決められない
- セキュリティ面に懸念点が残る
- 土地の状態がわからない
- 工事の過程を見られない
- 同じ外観デザインの建売住宅が並ぶ可能性がある
それでは、注文住宅より安い建売住宅のデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
間取り・外観デザイン・設備などを自由に決められない
建売住宅はすでに建てられているため、間取り・外観デザイン・設備などを自由に決めることはできません。
注文住宅よりも自由度がかなり低いといったデメリットがあります。
セキュリティ面に懸念点が残る
建売住宅の場合、すでに建てられているため、内見が可能です。
そのため、購入者以外にも建売住宅の中に入っている人たちがいます。
その結果、どのような間取りになっているか、どこからなら入りやすいかなど、詳しい情報を購入者以外が持っている怖さがあります。
セキュリティ面を重視したい場合には、建売住宅の購入は向いていないといえるでしょう。
土地の状態がわからない・工事の過程を見られない
土地の状態や工事の過程は、すでに建売住宅が建ってしまっているので確認のしようがありません。
土地の状態や工事の過程が知りたい場合には、注文住宅の方がよいでしょう。
同じ外観デザインの建売住宅が並ぶ可能性がある
建売住宅は一括で広い土地を購入して、建売住宅を建てます。
その結果、同じような外観デザインの建売住宅が並ぶ可能性が高いです。
周りと同じような外観デザインが嫌であるとか、外観デザインにこだわりたい場合には、建売住宅は向かないでしょう。
注文住宅より安い建売住宅のメリット
建売住宅が安いことによって、デメリットに目が行きがちですが、注文住宅より安い建売住宅には、さまざまなメリットが存在しています。
注文住宅より安い建売住宅のメリットには、以下の5点があります。
- 購入してから入居するまで時間がかからない(工期がない)
- 実際に住宅の内見をしてから購入を決められる
- 注文住宅と比較して安く住宅を購入できる
- 立地がよい可能性が高い
- 支払いや住宅ローンの手続きが注文住宅と比較して簡単にできる
それでは、注文住宅より安い建売住宅のメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
購入してから入居するまで時間がかからない(工期がない)
建売住宅の場合、すでに建てられている住宅を購入するため、工期を待つ必要がありません。
注文住宅と比較して、購入から入居までに時間がかからないため、早く引っ越し先を探している場合などにも向いています。
実際に住宅の内見をしてから購入を決められる
注文住宅の場合、建てられるまで内装がどんな風になるか、見て確認することはできません。
ですが、建売住宅の場合は、すでに建っているため、内見してから購入できるため、想像と違ったといったトラブルを避けられます。
注文住宅と比較して安く住宅を購入できる
注文住宅は土地探しからはじまり、どのような住宅を建てるか設計にも携わります。
思い通りの住宅を建てられはしますが、費用は高額になってしまいますが、建売住宅は自由度が低い代わりに費用を抑えられるといったメリットがあります。
立地がよい可能性が高い
よい立地に建売住宅を建てることで、売れ残りが出ないようにしているため、建売住宅は立地がよい場所が多い傾向になります。
注文住宅は土地から探さなければなりませんが、建売住宅の場合は土地から探す必要がないため、好立地に住宅を建てたい場合には、建売住宅が向いているでしょう。
支払いや住宅ローンの手続きが注文住宅と比較して簡単にできる
注文住宅の場合は、土地と建物の費用を別々に支払わなければなりません。
ですが、建売住宅の場合は、土地と建物が一緒に販売されているため、土地と建物の費用をまとめて支払えるといったメリットがあります。
一見、どちらも同じように見えますが、住宅ローンの手続きがばらばらにならず、まとめて行える点が建売住宅の魅力でもあります。
建売住宅の購入で後悔しないための注意点
建売住宅の購入は、人生の中でも大きな買い物であることがほとんどでしょう。
長く住むことを考えれば、いかに希望通りの建売住宅を購入するかが重要となります。
建売住宅の購入で後悔しないための注意点には、以下の6点を確認する必要があります。
- アフターサービスの内容に問題はないか
- 諸費用にはいくらかかるか
- 住環境は事前に確認しているか
- 点検口はきちんと備え付けられているか
- 住宅はきちんと完成しているか
- 内見時に気になる点はなかったか
それでは、建売住宅の購入で後悔しないための注意点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
アフターサービスの内容に問題はないか
建売住宅のアフターサービスは、基本的に住み始めてから10年間です。
アフターサービスの期間は、「平成十一年法律第八十一号 住宅の品質確保の促進等に関する法律」の「第七章 瑕疵かし担保責任(住宅の新築工事の請負人の瑕疵かし担保責任)第九十四条」に基づいて、10年間と設定されています。
アフターサービス期間中に、どのようなメンテナンス(修理・リフォーム)が受けられるかを確認しておくことが大切です。
諸費用にはいくらかかるか
建売住宅を購入すると、さまざまな諸費用がかかります。
販売価格に含まれていない諸費用にどんな項目があり、どのくらいの費用がかかるかを知っておかないと、支払いのときになって、こんなに費用を支払うなんて、と困ってしまう可能性があります。
あらかじめ、どの程度の諸費用がかかるかわかっていれば、別途費用を用意しておくこともできるので、不動産会社やハウスメーカーにきちんと確認しておくようにしましょう。
住環境は事前に確認しているか
建売住宅を購入するときに、必ず確認しておかなければならないのは、住環境です。
住環境とは、以下のようなものをさします。
- 近所に騒音や道路族などのトラブルはないか
- 平日・土日祝日の交通量に問題はないか(朝・昼・晩で確認する)
- 近くにスーパーや役所などはあるか
- 通勤や通学に必要な駅は近くにあるか(自転車やバスは必要か)
- 子どもがいる場合、近くに学校や塾などの習い事できる場所はあるか
- 風通しはよいか
- 日当たりはよいか
- 今後、大きな建物や工場などが建てられる可能性はあるか
このように、住環境とひと口にいっても、さまざまな観点から建売住宅の環境を確認することが大切です。
点検口はきちんと備え付けられているか
点検口とは、普段は見えない天井裏や壁内などの換気扇の本体部分をはじめ、配管や配線などを確認するときに入口となる部分のことをいいます。
点検口は点検やメンテナンスをするときに欠かせないものです。
点検やメンテナンスは、建売住宅に長く住む上で定期的に行う必要があるため、点検口がないと点検やメンテナンスが行えないといった問題が生じます。
建売住宅を購入する際には、点検口が備え付けられているかを必ず確認しましょう。
住宅はきちんと完成しているか
建売住宅は、すでに完成している住宅を購入します。ですが、時折、完成してない状態で販売されることがあります。
建売住宅はきちんと完成しているもの以外は購入を避けるようにしましょう。
なぜなら、完成していない状態の建売住宅を購入してしまうと、残りの工事が手抜き工事になったり、完成予定時期を延期されたりしてしまう可能性があるからです。
建売住宅が完成していない状態の購入は、このようなトラブルの元となるため、おすすめできません。
内見時に気になる点はなかったか
建売住宅はほかの住宅のほかの建て方とは異なり、すでに建っている住宅を購入できます。すでに建てられていることで、事前に住宅の中の確認が可能です。
建売住宅の中を確認するときには、まずチェック項目リストを作成します。チェックしなければならないことをリスト化することで、確認の漏れを防げます。
チェック項目リストには以下のように23点を記載しておきましょう。
【チェック項目リスト】
| チェック項目 | チェック内容(〇×) | 備考欄 |
| 日当たり | ||
| 風当り | ||
| 水回りのにおい | ||
| 家事導線 | ||
| 収納の数 | ||
| 家具を置いたときの広さ | ||
| プライバシー面 | ||
| セキュリティ面 | ||
| ドアや窓の立て付け | ||
| 床の傾き・音鳴り | ||
| 床のキズや汚れ、カビ | ||
| 壁のキズや汚れ、カビ | ||
| 水回りのキズや汚れ、カビ | ||
| クローゼットのキズや汚れ、カビ | ||
| 玄関のキズや汚れ、カビ | ||
| シューズクローゼットのキズや汚れ、カビ | ||
| 庭のキズや汚れ、カビ | ||
| 外観のキズや汚れ、カビ | ||
| そのほかのキズや汚れ、カビ | ||
| ビスの付け忘れ | ||
| 家具などを搬入できる広さ | ||
| コンセントの数 | ||
| 駐車場またはカーポート |
また、建売住宅の中を確認するときには、メジャー・懐中電灯・間取り図の3つは必ず持参しましょう。
これら3つは以下の理由で必要です。
- メジャー……家具を置ける広さを測る。
- 懐中電灯……細かい部分を確認するときに照らす。スマホの懐中電灯機能より明るく、細部まで確認できる。
- 間取り図……部屋の広さを測ったときに、数値を書き込んで家具の購入時などに確認できるようにする。
建売住宅の中を確認して問題がある場合には、購入前に不動産業者にきちんと確認をし、修繕が必要な場合には、きちんと修繕をしてもらってから、購入するようにしましょう。
建売住宅が安い理由まとめ
建売住宅を購入するときには、建売住宅が安い理由をしっかり知っておくことが大切です。
注文住宅よりも建売住宅の価格は安いですが、デメリットだけでなく、メリットもしっかりあります。
また、建売住宅と注文住宅の違いを理解しておくことも重要です。
注文住宅と建売住宅の違いがわかっていれば、どちらの建て方の方がライフプランや費用面で、理想の住宅購入に近いかを判断できます。
もちろん、建売住宅の購入で後悔しないための注意点もきちんと抑えておくことも必要です。
後悔しないための注意点をひとつずつクリアしておくことで、購入してからこんなはずではなかったという齟齬を減らすことができます。
このように、建売住宅を購入するときには、さまざまな観点から建売住宅とはどんなものであるかを理解しておきましょう。



















