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旗竿地の建て替えは可能?できない場合もある?解体工事の注意点や費用相場について

旗竿地という言葉にあまり聞き馴染みはないのではないでしょうか?

旗竿地とは、旗のような形をしている土地のことをいいます。建て替えをするには、問題があることも多く、いくつかの条件をクリアしなければ建て替えができません。

この記事では、旗竿地の建て替えが可能であるか不可能であるかをはじめ、旗竿地の建て替え方法や旗竿地の建て替え費用の相場、旗竿地の建て替えに伴う解体工事の注意点について、詳しくご紹介いたします。

旗竿地の建て替え可能?できない場合もある?

旗竿地とは、別名「路地状敷地」と呼ばれる土地のことをいいます。旗竿地は、旗竿地が旗の布部分と竿(旗の持ち手)のような形をしているつくりの土地です。

俯瞰で見ると、実際の旗のような形をしています。出入口は竿(持ち手)の部分であり、その部分が必ず2m以上の道路と接しなければならないという決まりがあります。

旗竿地は、かなり変わった形をしている土地であるため、好んで選択する人があまりいません。

では、旗竿地では建て替えが可能なのでしょうか?それとも、建て替えができない場合もあるのでしょうか?

ここでは、旗竿地の建て替えが可能か、不可能かについて、詳しくご紹介いたします。

旗竿地の建て替えが可能なケースとは?

旗竿地で建て替えが可能なケースは、まず、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」に記載されている条件を満たしていなければなりません。

以下は、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」です。

第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

<引用:昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」>

また、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」をクリアしていたとしても、別に「地区計画」に違反している場合は建て替えができません。

そのため、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」と「地区計画」の両方をクリアしたケースのみ旗竿地の建て替えが可能となります。

旗竿地の建て替えが不可能なケースとは?

旗竿地の建て替えが不可能なケースは、以下の2つのケースにひとつでも該当している場合です。

旗竿地の建て替えができないといわれているケースは、この2つのどちらかに該当している場合なので、旗竿地で建て替えする場合には、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」と「地区計画」の両方をクリアする必要があります。

旗竿地の建て替え方法について

昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」と「地区計画」をクリアしていれば、旗竿地でも建て替えは可能であるため、建て替えをしたい場合には、これら2つをクリアしているか確認しましょう。

しかしながら、必ずしもこれら2つの条件をクリアしている旗竿地ばかりではありません。この場合、条件をクリアできるようにする方法があります。

以下は、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」と「地区計画」をクリアできない場合に、旗竿地で建て替える方法の4つです。

  • 隣接しているすべての土地を購入する
  • 隣接している土地の一部を購入する
  • 隣接している土地を借りる
  • 建築審査会で但し書き道路の申請をする

それでは、旗竿地で建て替える方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

隣接しているすべての土地を購入する

旗竿地の場合、建て替えができない理由の多くが、2m以上の道路と接していないことが挙げられます。

隣接している土地をすべて購入することで土地と道路が接する部分を2m以上にできるため、隣接しているすべての土地を購入することで、旗竿地の建て替えができるようになります。

隣接している土地の一部を購入する

旗竿地の場合、建て替えをするために隣接している土地のすべてを購入する方法がありますが、すべての土地を購入することが難しいケースが多いのも事実です。

そんなときに有効なのが、隣接している土地の一部を購入する方法です。

土地と道路が接する部分を2m以上得られれば建て替えは可能なので、隣接している土地を一部購入して、この条件をクリアできれば問題ありません。

隣接している土地を借りる

隣接している土地を購入するのは、すべてであっても一部であっても難易度が高いことには変わりありません。

建て替えをするときに隣接している土地を購入できない場合には、解体から建て替えをする間だけ、隣接している土地を借りるという方法があります。

この方法で、旗竿地の建て替えができるようになるのは、解体から建て替えの間だけ、旗竿地が道路に2m以上が接していると考えられるからです。

ただし、土地を借りるときには、後々トラブルになってしまわないように、必ず契約内容を書面にして、賃貸契約を結ぶようにしましょう。

建築審査会で但し書き道路の申請をする

建築審査会とは、建築主事が置かれている都道府県と市町村に設置されている委員会のことをいいます。

また、但し書き道路とは、旗竿地に隣接している空地などをさします。空地部分を道路としてみなし、旗竿地と道路が2m以上接しているとして、建て替えが可能になるものです。

建築審査会とは?

建築審査会については、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第五章 建築審査会(建築審査会)第七十八条」で以下のように規定されています。

第五章 建築審査会
(建築審査会)
第七十八条 この法律に規定する同意及び第九十四条第一項前段の審査請求に対する裁決についての議決を行わせるとともに、特定行政庁の諮問に応じて、この法律の施行に関する重要事項を調査審議させるために、建築主事を置く市町村及び都道府県に、建築審査会を置く。
2 建築審査会は、前項に規定する事務を行う外、この法律の施行に関する事項について、関係行政機関に対し建議することができる。

<引用:昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第五章 建築審査会(建築審査会)第七十八条」 >

建築審査会に、但し書き道路の申請を行うことで、建て替えが難しい旗竿地であっても建て替えができる可能性があります。これは、昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」にも以下のように記載されているからです。

第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 の2

二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

<引用:昭和二十五年法律第二百一号 建築基準法「第二節 建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等」>

このように、建築審査会で許可さえ取れれば、建て替えが不可能な旗竿地であっても、建て替えが可能になります。

ただし、但し書き道路に該当する空き地などがなければ不可能です。

但し書き道路で気を付けるべき点とは?

但し書き道路の申請は、申請をしたからといって必ず申請が通るわけではありません。建築審査会が申請を却下することも状況によっては起こりえます。

また、但し書き道路の申請をする場合には、但し書き道路として申請したい土地の所有者すべての許可を取らなければならないため、許可取りに時間がかかってしまうことがあります。

これは、但し書き道路の所有者が数人に渡っている場合、すべての人の住居がわかるとは限らないからです。

このほか、建て替えのときに問題となってくるのが、住宅ローンまたは建て替えローンの審査です。住宅ローンや建て替えローンを契約する際に、但し書き道路の場合、但し書き道路の部分の土地を担保にできるわけではありません。

そのため、住宅ローンや建て替えローンの審査が通りづらくなったり、希望通りの金額が借りられない可能性があります。

旗竿地の建て替え費用の相場は?

旗竿地の建て替えを行う場合には、費用相場を知っておくことが重要です。旗竿地の建て替え費用の相場を知っておかなければならないのは、解体の査定で相見積もりを取ったときに査定で出された費用が適切かどうかを判断するためです。

旗竿地の建て替えの費用は、旗竿地にある解体する建物つくりによって異なります。また、解体費用は1坪あたりで計算します。

以下は、旗竿地の建て替え費用の相場を一覧にした表です。

【旗竿地の建て替え費用の相場一覧】

旗竿地の解体する建物のつくり 旗竿地の建て替え費用の相場(1坪あたりの費用)
木造 30,000~40,000円
鉄骨造  40,000~55,000円
鉄筋コンクリート造 50,000~75,000円

このように、旗竿地の解体する建物によって、旗竿地の建て替え費用の1坪あたりの相場が異なります。

旗竿地の場合、坪数によってどのくらいの解体費用がかかる?

旗竿地の場合、坪数によって、実際にどのくらいの解体費用がかかるかは気になるところでしょう。

以下は坪数によって異なる解体費用です。以下の表す旗竿地の解体する建物が20坪・30坪・40坪・50坪だった場合を一覧にしています。

【旗竿地の建て替え費用の相場、20坪・30坪・40坪・50坪一覧】

旗竿地の解体する建物のつくり 旗竿地の建て替え費用の相場(1坪あたりの費用) 旗竿地の建て替え費用・20坪のケース 旗竿地の建て替え費用・30坪のケース 旗竿地の建て替え費用・40坪のケース 旗竿地の建て替え費用・50坪のケース
木造 30,000~40,000円 600,000~800,000円 900,000~1,200,000円 1,200,000~1,600,000円 1,500,000~2,000,000円
鉄骨造  40,000~55,000円 800,000~1,00,000円 1,200,000~1,650,000円 1,600,000~2,200,000円 2,000,000~2,750,000円
鉄筋コンクリート造 50,000~75,000円 1,000,000~1,500,000円 1,500,000~2,250,000円 2,000,000~3,000,000円 2,500,000~3,750,000円

このように、旗竿地の解体費用には、およそ100~400万円は必要であることがわかります。坪数によって、旗竿地の解体費用には変動が出るため、旗竿地の坪数を確認し、必要な費用を用意しなければなりません。

また、解体の査定の相見積もりを取ったときに、これらの金額を大きく上回るような場合は、査定額が適切ではないため、依頼しないように注意しましょう。

旗竿地の建て替えに伴う解体工事の注意点

旗竿地の建て替えに伴う解体工事は、通常の土地の解体工事と比較して、難易度が高い傾向にあります。これは、旗竿地の形状によるものです。

旗竿地は狭い土地(通路)を通って、広い土地部分に到達します。そのため、重機が入りづらくなってしまうからです。

そんな旗竿地の建て替えに伴う解体工事の注意点には、以下の4点があります。

  • 解体の査定は複数社から合い見積もりを取る
  • 重機が入るか確認する
  • 工期が長い
  • 近隣トラブルが起きないようにする

それでは、旗竿地の建て替えに伴う解体工事の注意点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

解体の査定は複数社から相見積もりを取る

解体の査定は、旗竿地ではない通常の土地でも必ず実施するものです。解体業者は多数あるため、相見積りを取ることが大切です。ひとつの解体業者だけから見積もりを取るだけでは、解体費用が適切かどうかがわからないためです。

解体の査定を受ける場合には、旗竿地の解体費用の相場も事前に調べておくようにしましょう。旗竿地の解体費用の相場から大きくかけ離れている場合には、その解体業者は避けた方がよいといえるでしょう。

解体の査定を複数社から相見積もりを取ったら、その中から問題のない解体業者を選択して依頼します。

重機が入るか確認する

旗竿地の場合、広い土地に出るまで狭い土地(通路)を通る必要がありますが、その狭い土地(通路)を重機が通れない可能性があります。重機が通れないということは、解体に通常よりも労力と時間がかかるということです。

大型の重機が通れない場合でも、小型の重機なら通れるケースもありますが、小型の重機すら通れない場合には、すべて手作業となります。重機が入れず、手作業となった場合には、解体費用が高額になってしまうので注意が必要です。

もし、大型の重機は入らなくても小型の重機であれば入るということであれば、解体業者に解体の査定を依頼するときに、小型の重機の取り扱いがあるところにしぼって依頼するとよいでしょう。小型であっても重機が入るか入らないかは、解体費用や工期にダイレクトに影響が出ます。

工期が長い

旗竿地の建て替えに伴う解体の場合、通常の建て替えに伴う解体と比較して、工期が長くなる傾向があります。

これは主に大型の重機が使えないことにあります。小型の重機があればまだましではありますが、手作業となると、大型の重機が使用できたときと解体の進み具合が大きく異なります。

また、解体したときに出る廃材を運ぶのも手作業となってしまうため、壊すときだけでなく、解体した後の廃材の運搬でも時間がかかってしまい、大変です。

その結果、通常の解体と比較した場合、旗竿地の解体は工期が長くなってしまいます。

近隣トラブルが起きないようにする

解体作業は通常の土地でも近隣トラブルが起きてしまうことがあるものです。

旗竿地の立地上、通常の土地と比較して、隣の家と距離が近い傾向にあります。解体工事は騒音と振動を伴うものであるため、隣の家と距離が近ければ近いほど、うるさく、騒音や振動に疲れるものであることは想像に難くありません。

また、粉塵にも注意が必要です。解体作業中に隣の家に損害を与えた場合には、解体業者が対応しますが、旗竿地の建て替えによる解体作業をする場合には、必ず隣の家にあいさつに行くようにしましょう。

それでも、隣の家から苦情が出てしまった場合には、きちんと対応をすることが大切です。騒音・振動トラブルが大きな問題になると、損害賠償請求に発展してしまうこともあります。

旗竿地の建て替えに関する情報まとめ

家を建て替えるには、さまざまな条件があり、すべてをクリアしていなければ建て替えることができません。

旗竿地の場合、それらの条件を満たしにくいため、建て替えることが難しい土地として有名です。しかし、建て替えができない旗竿地であったとしても、建て替えられる方法がいくつか存在しています。

旗竿地の建て替えは難しくはあるものの、できないものではないといえるでしょう。そのためにも、旗竿地についてだけではなく、建築基準法を知っておくことが必要です。

また、旗竿地で建て替えをする場合には、旗竿地の建て替え費用の相場や旗竿地の建て替えに伴う解体工事の注意点についてもしっかり確認しておくようにしましょう。費用相場や注意点を知っておくことで、失敗のない建て替えができることにつながります。