工務店で土地探しから始める3つのメリット
土地を探すには、土地の条件を絞ることがまず大切です。どこに住みたいか、どのくらいの広さにするか、予算はいくらか、という点は、最低限考えておく必要があります。ご夫婦の通勤時間や子どもたちの校区、住環境などがその条件になってきます。
その上で、工務店に土地探しから依頼すると、三つのメリットがあります。「建てたい家に合った土地を探してもらえる」、「窓口を一本化できる」、「資金計画がしやすい」というそれぞれの利点について見ていきましょう。
建てたい家に合った土地を探してもらえる
工務店に依頼すると、希望通りの家が建てられる土地を探してもらえます。土地の大きさや場所によって建てられる家の形や大きさには制約があり、思い描いていた家が建てられない場合もあります。こうした部分を考慮した提案をしてもらえます。
窓口を一本化できる
土地探しを工務店に依頼すると、土地についての相談から購入、建物の設計・施工、アフターメンテナンスまで、すべて工務店にお任せできます。土地を購入した後で地盤補強が必要になった際なども、考慮して対応してもらえるでしょう。
資金計画が立てやすい
工務店は、土地だけではなく建物を含めた全体のプランを考えてくれます。借りられる住宅ローンについても、土地と建物の両方にかかる費用を考慮することで、理想の住まいに近づけます。無理のない住宅ローンを提案し、家に住んでからの暮らしの充実を重視する会社もあります。確認してみしましょう。
工務店に土地探しを依頼する3つデメリット
メリットが多い工務店での土地探しですが、デメリットもあります。具体的には、土地探しに強い工務店を探す必要があること、土地を探してもらうために施主が会社にしっかり条件を伝える必要があること、家を建てられる地域が限定されることもある、という3点が挙げられます。
土地探しに強い工務店を探す必要がある
工務店の得意分野はさまざまです。そのため相談しようとしている工務店が、自社で土地探しをしているか確認しておく必要があります。ハウスメーカーなどと比べ情報発信が少ない会社も多いことから、相談会などに参加したり、会社に資料を請求したりするなど、情報収集をすることをおすすめします。
施主がしっかり条件を伝える必要がある
土地を自分で探さない分、依頼する工務店にはどんな土地を求めているのかをしっかり伝えることが重要です。全体の予算の中で家の割合が高く、土地にお金がかけられないケースでは土地の選択肢が少なくなる可能性もあります。
家を建てられる地域が限定されることも
地域密着の工務店だけに、家を建てられる地域が限られる可能性があります。希望する地域の土地を探してもらえるかは確認しましょう。株式会社リクルート(本社・東京)の住まいの調査研究機関がまとめた2021年注文住宅動向・トレンド調査でも、全国で新規に土地を取得して家を建てた人の40・6%が、「希望するエリアに土地が見つからなかった」と答えています。要チェックです。
出典・リクルート 2021年注文住宅動向・トレンド調査https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20211116_housing_01.pdf
工務店の土地探しの特徴
工務店の中には、自社で土地を持っている会社があるほか、不動産会社と連携している会社もあります。どちらも土地の相談から家を建てるまでをスムーズに行える特徴があります。詳しく見てみましょう。
自社で土地を持っている工務店
自社で土地を持つ工務店の強みは、仲介手数料がかからない点です。仲介手数料は、地主とのやり取りを不動産会社に依頼する際にかかる費用です。自社で分譲地などの土地を持つ工務店に依頼すれば、費用を抑えられ、手続きの時間や手間を減らせます。
不動産会社と連携している工務店
工務店が、土地取引の専門家の不動産会社と連携していれば、それぞれの強みを生かせるメリットがあります。窓口が一つになり、問い合わせする手間や伝達漏れの心配もなく安心です。工務店が複数の不動産会社とつながっていれば、最新の土地情報が得られる期待感もあります。
土地探しを工務店と自分で探す場合の違いを比較
工務店に依頼する土地探しと、自分で土地を探す場合とではどのような違いがあるのでしょうか。結論は、工務店の土地探しの方が施主の負担が少ないです。自分で探すと、自由に土地が選べる半面、時間と労力がかり、全体を見た調整が難しい点が挙げられます。表で比較してみましょう。
工務店に依頼する場合 | 自分で探す場合 |
会社に条件を伝えて探してもらう | ネットでの検索や自分で不動産会社や現地に出向いて確認する |
会社によっては地域が限定される可能性がある | 自由に土地を探せる |
家を建てたいタイミングで最適な土地を提案してもらえる | 建てたいタイミングで希望の土地が見つかるとは限らない |
家を建てる条件がそろった土地を提案してもらえる | 建てたい家が建つ土地かどうかの判断が難しい。家を建てる会社も別に探す必要がある |
トータルコストを考えた土地を提案してもらえる | 予算全体のバランスを考えた土地の取得が難しい |
注文住宅の土地探しの注意点
注文住宅を建てる際の土地探しには、注意するべき点があります。「土地にかけられる金額を把握しているか」、「土地の法的な規制を確認しているか」、「実際に現地をチェックしているか」についてです。それぞれ見ていきましょう。
土地にかけられる金額を把握しているか
土地を探す際に重要なのは資金計画です。全体予算の中で、土地にかけられる予算を把握しましょう。希望の土地が出てきた際にすぐ決断でき、後で資金が不足することも避けられます。「総予算」は、「土地の取得費」、「建築費」、「諸経費」の三つを足した額です。配分を考えながら希望条件を決めましょう。
土地の法的な規制を確認しているか
土地は地域ごとに、使い道と建ててもよい建物が決まっています。土地には建ぺい率や容積率といった建物を建てられる大きさなど、さまざまな制限があります。取得した土地に理想の家が建てられない事態は避けたいです。また、周辺に高い建物が建築される可能性があるかどうかも注意が必要です。
実際に現地をチェックしているか
土地探しは担当者だけに任せず、実際に自分の目で見て確認することも重要です。日当たりや風通し、商業施設や駅、バス停などとの距離もポイントです。災害に備えて、自治体のハザードマップ(防災マップ)も要チェック。図面だけでは傾斜地や高低差も分かりにくいので、しっかり確認しましょう。
まとめ
いかがでしょうか。工務店に土地探しを依頼するメリットとデメリット、チェックするポイントが分かったと思います。大切なのは、まず土地の条件と予算を決めておくことです。その上で、窓口が一本化されている工務店に依頼すれば、土地の取得から家が施工されるまでトータルで相談できます。
自分で土地を探すこともできますが、時間や手間がかかります。理想の家に近づけるには、依頼できる部分はプロにお任せすると労力的な負担が少なくて済みます。工務店の得意分野はさまざまですので、土地探しに対応できる会社を選んで、理想の住まいを手に入れましょう!