家を建て替えたいけど、お金がなくて困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
家の建て替えはさまざまな理由で必要となるものですが、費用が高額で悩むこともあるでしょう。家の建て替えの資金の準備方法ひとつとっても、その方法は多岐にわたるので、家の建て替えについて詳細を知ることは大切です。
この記事では、家を建て替えるための費用相場をはじめ、家を建て替えるための資金の準備方法や家を建て替えるときのメリットとデメリット、家の建て替えとリフォームの違いについて、詳しくご紹介いたします。
家を建て替えたいけどお金がない…費用相場は?いくら必要?
さまざまな理由で家を建て替えなければならなくなってしまうことがあります。家の建て替えを視野に入れて貯蓄をしていれば問題はありませんが、家に不具合が起き、急遽家の建て替えをしなければならないこともあるでしょう。
そんなときにお金がなくて、家の建て替えがピンチになってしまった場合に気になるのが、家の建て替えの費用相場です。
家の建て替えの費用相場はどのくらいで、いくら必要になるのかは、家を建て替えることになったら、まず知っておかなければなりません。
家の建て替え費用の相場は、「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると以下のように記載されています。
3.4 資金調達に関する事項
3.4.1 購入資金
(1) 住宅建築資金
1) 住宅建築資金
注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は全国平均で 3,935 万円、三大都市圏平均で 4,504 万円。このうち自己資金はそれぞれ 1,177 万円、1,467 万円、 自己資金比率はそれぞれ 29.9%、32.6%。
自己資金の内訳をみると、全国、三大都市圏ともに「預貯金・有価証券売却代 金・退職金」が最も多い。また、借入金の内訳をみると、全国、三大都市圏とも に「民間金融機関(フラット 35 以外)」が最も多い。
2) 工事の種類(新築・建て替え)別の住宅建築資金
住宅建築資金を工事の種類別にみると、新築世帯は住宅建築資金 3,866 万円、
建て替え世帯は 4,487 万円。このうち自己資金はそれぞれ 1,023 万円、2,093 万円
で、自己資金比率はそれぞれ 26.5%、46.7%。
<引用:「令和4年度住宅市場動向調査報告書」>「3.4 資金調達に関する事項」>「 3.4.1 購入資金」>
このように、必ずしも建て替えとは限りませんが、土地の代金を含めない場合の注文住宅の住宅建築資金は全国平均では3,935 万円であり、建て替え世帯でみた場合には4,487 万円となっています。
このことから、建て替えにかかる費用は、3,935 ~4,487万円であるといえるでしょう。
家を建て替えたいけどお金がない…資金の準備方法は?
家の建て替えに費用がかかることは、「家を建て替えたいけどお金がない…費用相場は?いくら必要?」でも先述したとおりです。しかし、家を建て替えようと思ってもお金がないこともあるのではないでしょうか?なぜなら、家を建て替えるには、かなり費用がかかるためです。
ですが、家を建て替えるための資金の準備方法にはいくつか方法があります。それは自己資金を使用する方法だけでなく、借りたり、援助してもらったりする方法です。
資金の準備方法には、以下の4点があります。
- 自己資金
- 住宅ローン
- 建て替えローン
- 資金援助(贈与)
それでは、家を建て替えるために必要な資金の準備方法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
自己資金とは?
自己資金とは、自分で所有しているお金のことをいいます。しかしながら、財布に入っているお金やタンス預金などが自己資金だと認識されるかといえば、そうではありません。自己資金とは、銀行の口座に入っている預貯金のことをさします。
銀行の口座に入っている預貯金であれば、自分で働いて稼いだお金であっても、贈与でもらったお金でも関係ありません。
ただし、建て替えの費用として、住宅ローンなどを契約する場合、直前に振り込まれているお金はいくら銀行の口座に入っていたとしても、見せ金として判断されることがあります。タンス預金を銀行の口座に移す場合には計画的に移すようにしましょう。
住宅ローンとは?
家を建て替える場合には、住宅ローンを契約できないことがあります。それは、今住んでいる家の住宅ローンが完済されていない場合です。
また、住宅ローンが返済できなくなった場合に担保とする権利である抵当権が、家の建て替えの土地に設定されている場合も住宅ローンは組めません。ただし、住宅ローンを完済している場合には、法務局で手続きを行えば、抵当権の抹消を行うことができます。
このように、これらすべてクリアしている場合には、建て替えであっても、住宅ローンを契約することが可能です。
住宅ローンの種類には以下の3つがあります。
- 世帯主がひとりで契約する住宅ローン
- 夫婦で契約するペアローン
- 親子で契約するリレーローン
それでは、建て替えのときに契約できる住宅ローンについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
世帯主がひとりで契約する住宅ローン
住宅ローンの中でも、もっともポピュラーなものが世帯主ひとりで契約する住宅ローンです。
連帯保証人の必要も基本的にはありませんが、住宅ローンの契約者が障碍者になってしまったり、亡くなってしまったりした場合など、住宅ローンの支払いができなくなったときのために「団体信用生命保険」に加入することがほとんどです。
団体信用生命保険に加入しておけば、住宅ローンの契約者が住宅ローンを支払えなくなったときに支払いを免除されます。
夫婦で契約するペアローン
ペアローンとは、夫婦や親子で契約する住宅ローンのことをいいます。夫婦でペアローンを契約する場合には、夫婦どちらにも収入があることが前提で、それぞれ個別に住宅ローンを契約します。
ただし、ペアローンは離婚してしまった場合、住宅ローンを一本化しなければならないことが多いため、手続きが煩雑になってしまうといったデメリットがあるので注意が必要です。
また、親子でペアローンを契約する場合は、同居や二世帯住宅で選択されることがありますが、夫婦でペアローンを契約したときのように離婚などで手続きが煩雑になるといったデメリットがありません。
親子で契約するリレーローン
リレーローンは、親子で契約する住宅ローンのことをいいます。主に二世帯住宅や同居をする場合に用いられる住宅ローンです。
また、親が高齢の場合など、返済期間を長く設定できない場合に用いられます。たとえば、35年の返済期間のうち、親が15年返済し、その後の返済を子どもが20年間行うといった形です。
本来であれば、親が高齢の場合、返済期間は短く設定されるため、フラット35は契約できません。ですが、リレーローンは親子で契約するため、親の年齢が高齢でもフラット35の契約が可能になります。
このように、本来であれば短い期間でしか契約できなかった返済期間の住宅ローンをリレーローンにすることで契約できるといったメリットがあります。
建て替えローンとは?
建て替えローンは別名「住み替えローン」とも呼ばれることがある、家を建て替えるときにのみ契約できる住宅ローンのひとつです。
今住んでいる家の住宅ローンの返済が終わっていない場合には、住宅ローン(ペアローンやリレーローンを含む)ではなく、建て替えローンを契約することになります。
建て替えローンは、建て替えに使用するだけでなく、今住んでいる家の住宅ローンの返済にも充てられるローンです。建て替えローンを契約することで、今住んでいる家と新しく建て替える家のローンを一本化できるといったメリットがあります。
資金援助(贈与)とは?
家を建て替えるときにお金がない場合は、ローンを契約する以外にも資金援助(贈与)で資金を準備する方法もあります。ただし、資金援助をしてくれる親や祖父母がいなければ現実的な話ではありません。
資金援助(贈与)をしてくれる親や祖父母がいる場合には、資金援助(贈与)してもらうのもひとつの方法です。本来であれば、110万円以上のお金をもらうと贈与税がかかってしまいますが、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」により、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間であれば、指定の金額が非課税となります。
以下は、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の詳細です。
非課税限度額
贈与を受けた者ごとに省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。
(注1) 既に非課税の特例の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります(一定の場合を除きます。)。
(注2) 「省エネ等住宅」とは、次の①から③の省エネ等基準のいずれかに適合する住宅用の家屋であることにつき、住宅性能証明書など一定の書類を贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。
① 断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上であること。
② 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上または免震建築物であること。
③ 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること。
(引用:「国税庁ホームページ」>「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」)
このように、家を建て替えるための贈与であれば、110万円を大幅に超えても贈与税がかかりません。
家を建て替えるメリット・デメリット
家を建て替える場合、家を建て替えなければならない理由が何かしらあることでしょう。しかし、家を建て替えるには、メリットもデメリットも存在しており、どちらも知っておくことは、家を建て替える上で重要です。
ここでは、家を建て替えるときのメリットとデメリットについて、それぞれ詳しくご紹介いたします。
家を建て替えるメリットとは?
家を建て替えるときのメリットは、建て替えならではのものであり、リフォームや引っ越しを伴った建て替えでは得られないものばかりです。
家を建て替えるメリットには、以下の4点があります。
- 住みやすい間取りに変更できる
- 耐震工事をしっかり行える
- 断熱材などにこだわれる
- 同じ土地に住める
それでは、家を建て替えるメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
住みやすい間取りに変更できる
今住んでいる家の間取りに不満があった場合、新しく家を建て替えることで理想の間取りに変更することが可能です。
また、今住んでいる間取りに不満がなくても、今住んでいる家を購入したときと家族構成が変わっているなど、間取りの変更をしたい場合にも、ちょうどよいタイミングで間取りの変更ができます。
住みやすい間取りに変更できることは、リフォームとは違い、新しく建て替える家だからこそ、叶えられるメリットであるといえるでしょう。
耐震工事をしっかり行える
家を建て替えるときのメリットとして、大きなもののひとつに耐震工事をしっかり行えることがあります。
家を建てる上で、耐震性が高いことは、震災などで家が倒壊しないようにするためには、とても重要な項目です。
新しく家を建てるときには、地盤調査も行うため、耐震性のある建物を建てるだけでなく、地盤の面からも安心できるといったメリットがあります。
断熱材などにこだわれる
家に長く住むにあたって大切なことのひとつに、いかに快適に過ごせるか、ということがあります。夏は暑く、冬に寒い家では快適に過ごすのは大変です。
断熱材にこだわることで、夏でも冬でも快適に過ごせるだけでなく、光熱費が無駄にかからないといったメリットがあります。
同じ土地に住める
建て替えの場合は、今住んでいる土地に新しく家を建てるため、同じ土地に住み続けることが可能です。
生活環境を変える必要がないため、通勤や通学に困らないだけでなく、ご近所付き合いを新たに行わなければならないといった面倒くささもありません。
また、土地探しを一から行わなくてよいので、手間がかからないといったメリットもあります。
家を建て替えるデメリットとは?
家を建て替えるときのデメリットは、建て替えならではのものであり、リフォームや引っ越しを伴った建て替えとは違ったものばかりです。
家を建て替えるデメリットには、以下の4点があります。
- 工期が長い
- 費用が高額になる
- 2回も引っ越しをしなければならない
- 現在の法令に合わせて家を建て替えなければならない
それでは、家を建て替えるデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
工期が長い
家を建て替えるには、まず、今住んでいる家を解体しなければなりません。解体工事をするにも、解体のための査定を依頼し、査定した中から解体業者を選択して、ようやく解体作業に移ります。
そのあとは、地盤調査を行ったり、仮住まいに引っ越したりするなど、新しい家に建て替えるまで、とにかく工期が長くかかります。
家を建て替えるときには、計画的に行うと同時にスケジュール管理をしっかり実施するようにしましょう。
費用が高額になる
家を建て替えるためには、さまざまな費用がかかります。
以下は建て替えにかかる費用の内訳です。
- 建物の解体費用
- 地盤調査費用
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙代
- 引っ越し費用
- 仮住まいの費用(敷金)
- 仮住まいの費用(礼金)
- 仮住まいの仲介手数料
- 仮住まいの費用(家賃)
- 仮住まいの火災保険料
- 建て替え工事
このように、家の建て替えには、多くの費用がかかるため、高額になってしまいます。
ですが、どれも削ることができない費用であり、自己資金として必要なものもあるため、家の建て替えをする場合には、住宅ローンまたは建て替えローンだけでなく、ある程度の自己資金を用意しておくことが大切です。
2回も引っ越しをしなければならない
家を建て替えるときには、まず、家を解体して建て替えるまでの間の住む場所がなくなるため、仮住まいへの引っ越しする必要があります。
仮住まいに引っ越した後、新しい家の建て替えが終わったら、今度は新しい家に引っ越さなければなりません。
その都度、荷造りと荷解きを行わなければならないという手間もかかりますし、引っ越し費用が2回分かかります。また、引っ越し先として、たいていの場合、賃貸マンションを借りるため、敷金礼金と仲介手数料、仮住まいの賃貸料と火災保険料が必要です。
このように、家を建て替えるためには2回の引っ越しで、手間と費用が多くかかるといったデメリットがあります。
現在の法令に合わせて家を建て替えなければならない
住宅にまつわる法令は、年月とともに変化していきます。今住んでいる家では問題なかったことが、現在では同じようにいかないことがあります。
理想通りの家に建て替えられると思っていたとしても、法令により、思うようにいかないかもしれないといったデメリットがあります。
家の建て替えとリフォームの違いは?
家の建て替えとリフォームは、似て非なるものです。
家の建て替えは、今まで住んでいた家を解体し、同じ場所に新しい家を建てます。建て替えているとき、つまり、今まで住んでいた家を解体しているときから新しい家を建て替えるまでは仮住まいで生活をしなければなりません。
家を建て替えるときには、解体費用をはじめ、新しく家を建てる費用や仮住まいの費用など、多くの費用が必要となります。
リフォームは、今まで住んでいた家の劣化した場所を修理して、新築の状態に近づけることをいいます。そのため、家の建て替えと違い、家を解体する必要がありません。
リフォームの規模によっては、仮住まいでの生活が必要となる場合もありますが、リフォームの規模によっては在宅のままでも問題がないケースもあります。
このように、家の建て替えとリフォームは、まったく違うものであるため、どちらを選択するかは、家の状態や資金の状態によって異なります。
家を建て替えたいけどお金がない場合の注意点まとめ
家を建て替えたい理由には、家の老朽化や家族構成の変化があって住みづらくなってしまったなど、さまざまな理由があることでしょう。
ですが、家の建て替えには、高額な費用が必要であり、簡単に実行できるものではありません。家を建て替えたいけど、お金がないという方も珍しくはないでしょう。家の建て替えをする場合には、資金の準備方法がいくつかあるため、自身に合った方法で準備をするのがおすすめです。
また、家の建て替えには、メリットとデメリットがあります。家を建て替えることのメリットだけに注目するのではなく、デメリットも理解した上で家を建て替えることが、不満や後悔を減らすには重要です。家を建て替えるときには必ずメリットとデメリットを把握するようにしましょう。
それだけでなく、家の建て替えとリフォームの違いについてもよく理解しておくことが大切です。家の建て替えとリフォームではかかる工期も費用もまったく違います。家の建て替えが必要なのか、リフォームで問題がないのかを見極め、よりよい方法で家の環境を変えるようにしましょう。



















