マイホームを建てるときには、ほとんどの場合、土地と住宅を同時に購入します。ですが、気に入った土地が見つかった場合には、土地だけ先に買うことも可能です。
では、土地だけ先に買う場合には、土地と住宅をまとめて購入するときとどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、土地だけ先に買うメリットとデメリットをはじめ、土地だけ先に買う場合の住宅ローンや土地だけ先に買う場合の流れについて、詳しくご紹介いたします。
土地だけ先に買うメリット
住宅を購入する場合には、以下の3つの方法があります。
- 土地を買って住宅も購入する
- 土地だけを先に購入して、後から購入した土地に住宅を建てる
- 土地があるので、住宅だけ建てる
どの方法にもメリットとデメリットがありますが、ここでは、住宅を購入する方法のうち、地だけ先に買う場合のメリットについてご紹介いたします。
土地だけ先に買うメリットには、以下の5点があります。
- 他の人に土地を買われる心配がない
- 土地の購入をよいタイミングで行える
- どんな住宅を建てるかイメージしやすい
- 土地の価格が上がるリスクを避けられる
- ハウスメーカーや工務店選びに時間をかけられる
それでは、土地だけ先に買うメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
他の人に土地を買われる心配がない
エリアや交通の便など、土地を探すときには、さまざまな条件に合致した場所を探しても、簡単に気に入る土地を見つけることはできないものです。
土地探しには数か月から1年程度、時間をかける必要があります。それでもまだ気に入る土地がなければ、もっと時間がかかることもあるでしょう。
だからこそ、気に入った土地と出会えたら、チャンスを逃さないようにすることが大切です。気に入った土地は自分だけが気に入っているだけでなく、他の人も気に入っている可能性があります。
他の人に先を越されてしまったら、その土地は購入できません。ですが、気に入った土地を購入してしまえば、他の人にその土地を買われる心配はなくなります。
土地の購入をよいタイミングで行える
土地を購入して、ゆくゆくは住宅を建てたいと考えていても、なかなか土地が見つからないというのは、よくあることです。
土地の購入をしたいと思ったときに、気に入る土地に出会えているのであれば、それはとてもよいタイミングであるといえるでしょう。
また、人気の土地の場合はすぐに売れてしまうことも珍しくありませんし、利便性の高い土地の場合はインターネットなど上には出てきません。
ですから、気に入った土地を見つけて懸念点がないようであれば、購入の決定をするのがおすすめです。
どんな住宅を建てるかイメージしやすい
建売住宅の場合はすでに建っている住宅を土地と一緒に購入しますし、分譲住宅の場合では先に土地を決めるものの、建つ住宅のおおよそのデザインや間取りが決まっています。
ですが、注文住宅の場合は、土地だけを先に買って、その後でどのような住宅を建てるかを考えることが可能です。
すでに土地があるので、どのくらいの広さにするか、庭の大きさはどのくらいにするか、外観デザインはどのようにするかなど、住宅を建てるときに決めなければならないことを土地の大きさに合わせてイメージしやすくなるといったメリットがあります。
土地の価格が上がるリスクを避けられる
土地の価格は常に一定ではありません。都市開発などによって、土地の価格は変動するため、場合によっては土地の価格が今よりも上がってしまうことがあります。
もちろん、土地の価格が下がる可能性もゼロではありませんが、多くの場合、上がってしまうリスクの方が上回ります。
土地を気に入った時点で購入してしまえば、土地の価格が上がってしまうというリスクを避けられるといったメリットであるといえるでしょう。
ハウスメーカーや工務店選びに時間をかけられる
建売住宅や分譲住宅の場合、ハウスメーカーや工務店がすでに決まっているため、選択することはできません。
ですが、注文住宅の場合は、住宅を建てるときに依頼するハウスメーカーや工務店を選択できます。
ただ時間のない中でハウスメーカーや工務店を選ばなければならないのは、理想通りのマイホームを建てる上で大変な点でもあります。
土地だけ先に買う場合であれば、土地を買ってから、住宅を建てるまでにかける時間は自由です。
もちろん、後述する住宅ローン控除制度を利用する場合には、土地を購入してから2年以内に住宅を建てなければならないという縛りはありますが、この制度を利用しないのであれば、いくら時間をかけても問題はありません。
ハウスメーカーや工務店がどんな住宅を今まで建ててきたかを確認したり、さまざまなプランを比較したりすることで、納得のいく注文住宅を建てることができるでしょう。
土地だけ先に買うデメリット
土地だけ先に買う場合、さまざまなメリットがあります。ですが、それ以上に実は土地だけ先に買うデメリットは多い傾向にあります。
デメリット全体にいえることですが、土地だけ先に買うことは、リスクを取らなければならないこととほぼイコールです。
ここでは、土地だけ先に買うメリットについて、ご紹介いたします。
土地だけ先に買うデメリットには、以下の9点があります。
- 理想通りの住宅が建てられるとは限らない
- 土地に住宅を建てていないのに固定資産税や都市計画税がかかる
- 住宅ローンの選択肢が少ない
- 住宅ローンの利息が土地だけの場合、高くなる可能性がある
- 住宅ローン控除が利用できない
- 住宅にかけられる費用を下げなければならない可能性がある
- 預貯金が減ってしまう
- 土地購入から住宅の完成まで期間が長くなってしまう
- 土地と住宅を一緒に購入するのに比べて手間がかかる
それでは、土地だけ先に買うデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
理想通りの住宅が建てられるとは限らない
土地を買ったからといって、理想通りのマイホームが建てられない可能性があります。
これは土地に問題があるのではなく、都市計画法や建ぺい率などさまざまな理由によるものです。
理想通りの住宅が建てられるかは、土地を購入する前にきちんと確認をしておかなければなりません。
特に建ぺい率に関しては、建てる段階になって気が付くこともあるので、注意が必要です。
土地に住宅を建てていないのに固定資産税や都市計画税がかかる
土地を購入するときには、さまざまな税金がかかります。たとえば、不動産取得税や印紙税、登録免許税などがこれにあたります。
これらはすべて購入時にしかかからないため、土地と住宅を一緒に購入したとしても支払わなければならないものです。
ですが、固定資産税と都市計画税に関しては、土地を所有し続けているとかかる税金なので、建物を建てていなくても土地を購入して所有した段階で発生します。
土地を購入してから、なかなか住宅を建てないのであれば、土地にかかる税金だけを支払い続けなければならないので注意しましょう。
住宅ローンの選択肢が少ない
住宅ローンは基本的には土地と住宅を購入することを前提に契約するものです。ですから、土地だけ先に買うと、選択できる住宅ローンは少なくなってしまいます。
土地だけ先に買ったときに契約できる住宅ローンは、「つなぎ融資」と「土地先行融資」のみです。
詳しくは後述する「土地だけ先に買う場合の住宅ローンについて」で解説しています。
住宅ローンの利息が土地だけの場合、高くなる可能性がある
住宅ローンの利息は、土地と住宅をまとめて購入する場合と比較して、高い傾向にあります。
つなぎ融資の方が土地先行融資と比較して利子は安いですが、土地先行融資の方が取り扱っている金融機関が少ないため、住宅ローンの面ではデメリットが多いといえるでしょう。
住宅ローン控除が利用できない
住宅ローン控除とは、基本的に住宅を購入した場合にのみ適用される控除のことです。
住宅ローン控除は、確定申告のときに「住宅借入金等特別控除」として申告します。
本来であれば、土地だけ先に買うといった場合には、住宅ローン控除は適用されません。
住宅ローン控除金額は国税庁「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」により以下のように定められています。
令和4年1月1日から令和5年12月31日まで
控除期間は1~13年
年末残高等〔上限3,000万円〕×0.7%
ただし、令和6年1月1日から令和7年12月31日までは以下のように変更になります。
控除期間は1~10年
年末残高等〔上限2,000万円〕×0.7%
<引用:国税庁ホームページ「タックスアンサー(よくある税の質問)」>「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除」>
このように、住宅ローン控除が受けられるか受けられないかは、土地を購入する上で重要な項目であるといえますし、住宅ローン控除が受けられないのは、デメリットであるといえるでしょう。
また、基本的に住宅ローン控除は土地だけ先に購入する場合には適用されませんが、土地を購入してから、2年以内に住宅を建てた場合かつ土地も住宅も同じ名義の場合であれば、適用されることもあります。
住宅にかけられる費用を下げなければならない可能性がある
土地と住宅をまとめて購入するときは、まとめての購入額になるため、予算を決めやすいのですが、土地だけ先に買う場合は、先に土地の費用の支払いをするため、予算を決めにくいといったデメリットがあります。
土地の費用が土地の予算をオーバーした場合は、住宅の建設費用をカットしなければならなくなるため、注意が必要です。
土地だけ先に買う場合には、土地の費用を予算よりも抑えておくようにしましょう。
預貯金が減ってしまう
土地だけ先に買う場合、利用できる住宅ローンが少ないため、土地だけ現金で買う方法を取ることも可能です。
ただし、土地だけ先に現金で購入すると、預貯金が減ってしまい、住宅を建設するときの頭金が不足してしまったり、諸経費の支払いができなくなってしまったりする可能性があります。
土地だけ先に買う場合も住宅ローンの利用を視野にいれておくとよいでしょう。
土地の購入から住宅の完成まで期間が長くなってしまう
土地だけ先に買うと、土地が更地の状態のままにしている期間と住宅の建設をどのハウスメーカーや工務店に依頼するかを決める期間、住宅の建設にかかる工期を合わせると土地の購入から住宅の完成まで、とても長い期間が必要となってしまいます。
土地と住宅を一緒に購入するのに比べて手間がかかる
建売住宅や分譲住宅の場合は、土地と住宅を購入するので、土地と住宅の住宅ローンをまとめて契約できます。
また、注文住宅であっても、土地と住宅の購入がほぼ同時であれば、手続き自体は別々になるものの、土地だけ先に買うときよりも手間がかかりません。
土地だけ先に買う場合は、住宅ローンの種類も異なるのですが、その住宅ローンの取り扱いをしている金融機関が少ないため、金融機関選びなどにも手間がかかってしまいます。
土地だけ先に買う場合には、手続きが煩雑になるといったデメリットがあるので注意しましょう。
土地だけ先に買う場合の住宅ローンについて
住宅ローンを契約する場合には、どのように住宅を購入するかによって、契約の方法が異なります。
建売住宅や分譲住宅のように土地と住宅を同時に購入するケースの場合は、土地と建物をまとめて住宅ローンを契約することが可能です。
ですが、注文住宅のように土地を買ってから家を建てる場合には、土地と住宅を別々にして住宅ローンを契約します。
そして、土地だけ先に買う場合は、土地と住宅を購入する場合とは住宅ローンの種類が異なります。
土地だけ先に買う場合の住宅ローンには、以下の2種類があります。
- つなぎ融資
- 土地先行融資
それでは、土地だけ先に買う場合の住宅ローンについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
つなぎ融資
つなぎ融資とは、住宅が完成するまでに土地の支払いのために契約できる住宅ローンのことをいいます。住宅が完成したら、融資を受けた分を返済するという仕組みです。
どんな住宅を建てるのか、いつくらいに建てるかなどを決めていなくても契約ができるといったメリットがあります。
つなぎ融資であれば土地の購入費用だけでなく、諸経費などの支払いにも充てられるため、土地だけ先に買うときには安心して利用できる住宅ローンです。
土地先行融資
土地先行融資とは、購入した土地に住宅を建てる前提で契約できる住宅ローンです。
つなぎ融資と比較して、金利が低いといった特徴があります。土地先行融資は土地に抵当権を設定しなければならないので、登記などの手続きが必要となります。
また、土地先行融資はすべての金融機関で取り扱いのある住宅ローンではないため、利用したい場合には、取り扱いのある金融機関を選ぶようにしましょう。
土地だけ先に買う場合の流れ
土地だけを先に買う場合の流れは、土地の購入と住宅の建設に分かれます。
土地だけを先に買う場合の流れは以下の通りです。
- インターネットなどで土地の相場を調べる
- 気に入った土地を見つけたら、土地の購入を決定する
- 不動産業者に買付証明書を提出する
- 金融機関で住宅ローン事前審査を受ける
- 不動産業者から重要事項の説明を受ける
- 不動産業者と土地売買契約の締結をする
- 金融機関の住宅ローンの事前審査に通過したら、住宅ローンの本審査の申し込みをする
- 金融機関と住宅ローンの契約を締結する
- 土地の引き渡しをする
土地だけ先に買ったら、住宅を建てるときに住宅の購入の手続きを開始します。
土地だけ先に買う場合の注意点まとめ
理想のマイホームを建てるときに土地だけ先に買う方法も可能です。ですが、土地だけ先に買う方法はメリットよりもデメリットの方が多いといった傾向があります。
それだけ、土地を先に買うことはリスクが高いということです。もちろん、じっくり住宅のデザインや間取りを考えられるといったメリットは魅力的ですが、住宅ローンの選択肢が狭まったり、住宅ローン控除が受けられる可能性が低くなってしまったりとデメリットが大きく上回ってしまいます。
また、土地だけ先に買う場合には、住宅ローンも土地を購入する流れも、土地と住宅を一緒に購入するときと大きく違うため、しっかり知っておくことが大切です。
特に住宅ローンに関しては、利用できるものが少ないため、事前に調べておくことが重要となります。



















